第002話


 四 小ボスへの挑戦



 ここで、俺はオペレーターに確認したことがあったのを思い出した。
「なぁ、オペレーターさん、ちょっと質問があるんだけど」
「はい、何でしょうか?」
「小ボスには他の3つのコアが必要って言ってたな?」
「はい、そうです」
「中ボスには5つ必要で、大ボスには7つ、ラスボスには10だったな」
「はい、間違い有りません」
「じゃあ、小ボスに勝った時、コアって手に入るのか?」
「はい、小ボスに勝つと二つのコアが、中ボスに勝つと三つのコアが、大ボスに勝つと四つのコアが手に入ります。ラスボスに勝てば特別ボーナスが貰えます」
「なるほどね、やっぱりそうか。じゃあ、小ボスに勝てば、二つコアが増えて、今もっている三つと合わせて五つになるから、続けて中ボスに挑戦出来る訳だ?」
「そうなります」
「よし、解った。コアを三つずつ賭けて勝負する相手ってのもなかなか見つけにくいだろうし、まずは小ボスに挑戦させてもらうぜ。どうすれば良いんだ?」
「はい、現在選択出来るバトル・フィールドをご確認下さい」
「わかった」
 俺は海岸ステージのフィールドを確認した。

「右下の枠に【常】という文字が表示されていると思います」
「……あぁそうだな、そうなってるわ」
「これは、【通常ステージ】という意味での【常】です。ここは現在、選択すると【小】という文字にも変わるはずです。――どうですか?」
「あぁ、そうだな」
「【小】は小ボスのいるステージに行けるという印です。【小】を選びますと、小ボス用のバトル・ステージ選択が出来るようになります。中ボスへの対決権利が出てきますとさらに【中】の文字が、同じ様に大ボスの場合は【大】が追加され、ラスボスの場合は【終】の文字が追加されます」
「なるほどね。そうやって選択していくわけか。どれどれ――色々あるな、【小】のステージも」
「そうですね。ボスの中では一番数が多いですから、それだけステージの数も多く存在します」
「どれでも良いのか」
 やはり、俺はどれを選んだら良いのか解らなかったので適当に選ぼうと【小】のステージを見ていった。

「あ、そうそう、ご忠告を申し上げますと、ボス戦はいきなり戦うのでは無く、まず、他のプレイヤー様が挑戦しているのをご覧になってから挑戦される事をお奨めします」
 オペレーターの言葉に疑問に思った俺は――
「え?なんでだ?」
「はい、ボスと名前がつく以上、条件が通常のブレイバーのキャラクターとは設定が異なります。それを知らないで挑戦されますとかなり苦しい戦いになることが予想されるからです」

 俺は以前、オペレーターの忠告を無視してキャラクターを適当に作り、手痛い教訓を得た事を思い出し、今度はちゃんと聞いてみる事にした。
 失敗する訳にはいかないんだ。
 【MZK】がやられるという事は俺が薄野を助けたいという気持ちが無くなるという事でもある。
 そんな事になったら後が続かない。
 俺の挑戦はそこでゲームオーバーになるからだ。
 だから、慎重かつ大胆に行動をしようと決めている。

 俺はオペレーターの説明を更に聞いた。

 それによると――

 小ボス戦では、基本的に一名での挑戦がルールとなっている。
 中ボス戦でも、同じく、一名で挑む事になり、大ボス、及び、ラスボスにはパーティーを組んでの挑戦が許されているらしい。

 薄野は中ボスキャラが一体あり、残りは全てラスボスクラスとなっているから、一対一の勝負を申し込むには中ボスクラスを彼女が使用している時という事になる。
 ラスボスクラスは恐らく、ブレイバー一体では全く勝ち目がないというのがオペレーターの見解だ。

 次にボスの分析だが――

 小ボスクラスは本体である小ボスの他に、その心のかけらである従者のような存在がいるらしい。
 つまり、ボスとして認識される最低条件は一つの夢で複数のキャラクターを持てるという事にある。
 俺の【MZK】がいかに強かろうと、基本的に、一体のキャラクターとなっている。
 それが、ブレイバーとボスとの大きな違いという事になる。
 小ボスクラスは本体の他に欠片が一つ、中ボスクラスは二つ以上あるという事らしい。

 いずれにしても多勢に無勢、ブレイバーとしては厳しい戦いになる事が予想できた。
 まぁ、攻略が難しくなきゃ、ボスとは呼ばれんわな。
 一応、納得したわ。

 だが、多対一の戦いなら俺はさっき、三人娘達とやったばかりだ。
 複数のキャラクターを動かせるというのはあくまでも最低条件に過ぎない。

 ボスと呼ばれているキャラクターは戦闘能力も通常のブレイバーより高めに設定されているらしい。
 ボスという権利を得たプレイヤーは主催者側からその部分をボーナスとして貰っているらしい。
 ただ、薄野を含むラスボスクラスのプレイヤー達にはそのボーナスは無く、元々桁外れの夢の力を有しているとの事だった。
 10のコアを集めれば、ラスボスの彼女の夢にも挑戦出来ると高をくくっていたが、どうやら、今の俺からすると相当高い壁にあるらしい事がわかった。

 正直、俺はまだ、ボスというのを相当なめていたらしい。

 百聞は一見にしかずとも言うし、俺は、ボス戦を一度見学してみることにした。

 俺は一旦、観戦モードという設定を教えてもらい、他者のプレイを観察して見ることにした。
 見る基準だが――
 挑戦者であるブレイバーはなるべく、俺の【MZK】に近いタイプのブレイバーを探した方が良い。
 そして、あわよくば、それが小ボスに挑戦する所を見られればラッキーなんだが、なかなか、その日はそう言うプレイには出会えず、やむなく俺はログアウトした。
 いくら探しても手頃のバトルが見つからず、モヤモヤした一日だった。

 だが、翌日、丁度良いお手本が小ボスに挑戦するという情報をオペレーターからのメールで入手して、俺は早速、ログインした。

 チャレンジャーは女性プレイヤーだった。
 その為、理想の異性像であるブレイバーは男性キャラクター。
 ――つまり、俺と逆の立場にあるブレイバーだ。
 だが、意味合い的には同じだ。
 全く同じタイプという訳にはいかないが参考にはなるはずだ。

 公開しているプロフィールからわかったのは、その女性は理想の男性となっているキャラクターそっくりの男性に相当入れあげているらしい。
 が、現実の男の方は理想の男性像とはかなりギャップのある人間だと言う。
 それは、俺と同じ観戦モードの他のブレイバー達の話からの情報だが――
 現実の男が借金を背負い、彼女はそれを帰すためにドリームプレイヤーになったらしい。
 噂によると彼女の方はストーカー気質で男につきまとい、何から何まで世話をしたらしい。
 男はそれに嫌気がさして、だらけた人生を送るようになったらしい。
 いわゆる、男をダメにするタイプって奴だな。
 あくまでも噂だから本当かどうかはかなり怪しいが、想いの力は強そうだという事は解った。

 なるほど、薄野に対する慕いで行動をしている俺とかぶるところがある。
 それに、あっちは男性キャラクターだ。
 基本的に女性キャラクターの【MZK】より、戦闘能力は高そうだ。

 挑戦者のブレイバーの名前は【最強王子】というらしい。
 ちょっとあれ?って思うネーミングだが、その実力は期待出来そうだ。

 筋骨隆々で、デモンストレーションを見る限りではかなりのスピードとパワーを持った万能タイプのブレイバーのようだ。
 スピードにはかなり自信がある【MZK】だが、力勝負になったら勝てないかも知れない。
 そう思ったのは【最強王子】が鋼鉄入りの大岩を粉々に粉砕して見せたからだ。
 いくら【MZK】でも基本的に女の子であるブレイバーにそこまでのパワーはない。
 戦うとしたら、距離を取ってヒットアンドアウェーで近づいたり離れたりを繰り返して攻撃するかな?
 なんて事を考えていた。

 対する小ボスは――
 まだ、現れていない。

 恐らく、後から登場するのだろう。
 マネープレイヤー達が賭け始める。
 小ボスにブレイバーが勝つと通常のブレイバー同士の二倍の賞金が手に入る。
 だから、みんなこぞって、ブレイバーの方に金を賭けていた。
 一攫千金を狙っての事だろう。

 賭け時間は終了し、いよいよ、小ボスの出番となる。

 BGMがそれっぽいものに代わる。
 ボス戦では特別のBGMがあるらしい。
 オペレーターの話では小ボスでは一曲、中ボスでは三曲の中からランダムに流れ、大ボス、ラスボスは、自分の専用BGMを持っているらしい。
 扱いが大ボスからが違うというのがよく解る。

 挑戦するボスのエリアは大樹の森。
 見上げても空が見えない程大きな大木の森のエリアだ。
 猿とモモンガとリスの顔を持つキメラが遠くからブレイバーに近づいて来るのがわかった。

 こいつが本体か?
 それとも欠片の方か?
 もう一体は何処に?

 俺は森を目をこらして良く見た。
 ――が、見えない。
 何処だ?

 確認出来ないまま、試合が始まった。
 動物のキメラが激しく大樹と大樹の間を飛び回り、【最強王子】を攪乱する。

 が、【最強王子】は持ち前のパワーで大樹をなぎ倒しながら、戦った。
 動物キメラは次第に移動する場所が限られていった。

 いける――
 このペースで行けば、小ボスを倒せる。
 そう確信した時、森の木の奥の奥から真っ直ぐ、巨大な爪がもの凄いスピードで伸びてきて動物キメラに気を取られていた【最強王子】の胸を刺し貫いた。

 出てきた何かは森のくまさん――
 のイメージとはほど遠い容姿の凶暴な熊だった。
 蝙蝠の羽根ととさかも生えている。
 これもキメラらしい。

 猿とモモンガとリスのキメラの名前は【リトル・アニマル】、熊と蝙蝠と鶏のキメラっぽいのが【ビッグ・アニマル】らしい。
 普通は逆だと思うが、どうやら【リトル・アニマル】の方が本体で【ビッグ・アニマル】の方が欠片らしい。
 本体の方が強いというルールはボスには無い。
 一癖も二癖もあるプレイヤー達がボスに選ばれているのだ。

 【最強王子】だが、胸への一撃が致命傷となり、敗北した。
 あまりにもあっさり勝負がついたので、俺は言葉が出なかった。

 ボスと言うだけあって、通常のプレイヤーより強いというのがよく解った。
 【最強王子】は結局、何もさせてもらえずに、負けてしまった。
 オペレーターが一度、見ておいた方が良いと言ったのも納得がいった。
 何も考えず、挑戦していたら、やられていたのは俺の【MZK】だったかも知れない。

 ――が、悩んでいる余裕は俺にはない。

 とにかく、少しでも早く、薄野を解放させたいんだ。
 やるしかない。

「オペレーターさん――」
「はい、何でしょうか?」
「とりあえず、見た奴の方が良い。大樹の森を選べば、さっきの奴に挑戦できるんだな?」
「いいえ、大樹の森にいる小ボスの数は現在、28です。大樹の森エリアを選択しますとその中に登録されている小ボス28名の中からランダムに選ばれます。確率的には同じ小ボスに当たる可能性は殆どありません。また、小ボスも複数のエリアに登録可能ですので、次はどのエリアに登場するかはわかりません」
「そ、そうか……」
「それよりは、ブレイバーに合ったエリアを選び出す事をお奨めします。ボスがどのキャラクターであっても、ご自身に合っていないエリアでは不利になる事は火を見るよりも明らかですからね」
「なるほど」
「とは言いましても、ボスのエリアは初体験ですから、なかなかご自身に合ったエリアというのも見つけにくいかと思います。ですから、一度、ブレイバー様と戦った事のあるエリアと同じ様なエリアを選択される事をお奨めします。経験していないエリアよりは多少、ご安心出来る部分もあるかと思いますよ」
「そうだな……」

 俺は、考えながら、【小】のエリアを探した。
 前に戦った事のあるエリアと似たエリアを探すためにだ。

 ――が、結局、決めたのは別のエリアだった。
 俺が選んだのは武道会場のようなエリアだった。
 これなら、大樹の森エリアの様な小細工はなさそう。
 ――そう、考えたからだ。

「オペレーターさん、ここにしてくれ」
「武道会エリアですね。わかりました。では、このエリアの説明をいたします」
「あぁ、頼む」

 受けた説明では、このエリアはタッグマッチで行われる武道大会の決勝戦という設定で行われるらしい。
 つまり、俺の【MZK】に架空のパートナーが作られて、それが、順番に決勝戦まで戦い、決勝戦前にそのパートナーは負傷して、決勝戦は二対一で行われるというものらしい。
 このエリアは人気のエリアで決勝まで、どのキャラクターがボスとして登場するか解らなくなっているが、ボスも順番に一回戦から勝ち上がってくるというアニメーションが作られているという事だ。
 金かけているなと思った。
 武道会エリアは八チームで行われ、俺のチームとボスのチーム以外のキャラクターはストーリーを盛り上げるためのオマケに過ぎない。
 だが、ストーリーを盛り上げるための作り込みを見てみると、このギャンブルが違法であるにも関わらずかなりの人気だという事も頷ける。

 これは元々俺と、達也の考えたものだったがアレンジが大分加わっているみたいだ……

 武道会は順調に進み、準決勝で、俺の架空のパートナーが負傷するも勝ち上がり、別のブロックも決勝に勝ち上がって来たチームが決定し、とうとう、ボスが判明した。

 ボスの名前は【おとこ】と【おんな】だ。
 見たまんまの名前だから、てっきりモブキャラかと思ったが、決勝まで順調に勝ち進んできた。
 【おんな】の方がトーナメントで戦っていたので、特徴が解った。
 どうやら、コスプレイヤー的なキャラクターらしい。
 というのも、一回戦は巫女さん、準決勝はレースクイーンのような格好をしていて、この決勝戦ではくのいちの姿で登場しているからだ。
 着せ替えが出来るという点では俺のと同じタイプのようだ。
 【おとこ】の方の特徴はよく解らなかった。
 通行人Aと言ってもおかしくない格好で戦っていたからだ。
 このペアが決勝での【MZK】の相手、つまり小ボスだ。

 マネープレイヤー達が賭けていく。
 掛け率は0・1対9・9だった。
 圧倒的な差で、俺の【MZK】に賭けるプレイヤーが多かった。
 それは【MZK】の容姿が美しいという事も関係しているようだった。
 とにかく、俺のこのブレイバーは人気があるらしい。

 理由はともかく、応援が多いのは嬉しいところ。
 【MZK】の力は今だに未知数。
 このボス戦で力を引き出してやる。
 俺の方も【おんな】に合わせて忍者の格好をさせてみた。
 ギャラリーはくのいち対決に湧いた。

 小ボスの方も【おんな】の方が前に出てきた。
 これはタッグマッチという設定だから、【おとこ】の方も戦って良いのだが、そっちは後方で黙って突っ立ってる。
 どんなキャラクターなのかさっぱりわからないのが不気味だ。

 だが、前に出てこないと言うなら牽制しつつ、あまり相手にしなければ良い。
 まずは、目の前の敵に集中だ。

 俺は【おんな】の方に構えを取った。

 仕掛けて来たのは相手の方だった。
 【おんな】は手裏剣を連射する。
 すると投げられた手裏剣が蛇や蛙、蜘蛛などに変化して、【MZK】に襲いかかる。
 俺は小太刀を取り出し、切り払った。

 続けて、口から火を噴いてくる。
 火遁の術って事か?
 が、遁走術ってのは元々逃げる為の手段だ。
 恐れる必要なんてねえ。

 俺は超スピードで【おんな】の背後に回り、そのまま、斬りつけた。
 すると、【おんな】は四散し、飛び散った破片は【MZK】に鳥もちの様にまとわりつく。

 しまった――

 【おんな】は捕縛様のキャラクターだったのか。
 見た目に騙された。
 【おんな】の破片がこびりつき、【MZK】の動きを鈍らせる。

 それを待っていたかの様に、【おとこ】が動き出す。
 俺は学習していなかった。
 【リトル・アニマル】と【ビッグ・アニマル】の時の様に、こいつもボスを名乗る以上、一癖あって当然だったのに、俺は何も考えず、まともに相手をしてしまった。

 よって、俺の得意とするスピードは封じられ、動きの鈍った【MZK】でどんなんだか解らない【おとこ】と相手をする事になってしまった。

 会場からはブーイングが飛ぶ。
 当然だろう。
 俺の【MZK】が負けそうだからだ。
 俺に賭けていた奴が殆どだから、俺が負けそうな状態になって、不満をあらわにしたのだろう。

「くそがっ!」
 耳障りな怒声が飛ぶ。

 ――わかってるさ。
 お前らに言われるまでも無く、俺はこんな所で負ける訳にはいかないんだよ。
 俺は、【MZK】のポテンシャルの高さを信じている。
 絶対に負けない――絶対にだ。

 その思いに呼応したかの様に、【MZK】は光り出す。
 光っているのは汗――か?
 汗をかいているのか、あのブレイバーは?

 汗のようなものが【MZK】から、【おんな】の破片をこそぎ落としていく。

 それを見て慌てたのか、【おとこ】はその本性を出して襲ってきた。
 【おとこ】は言ってみれば、パントマイマータイプのキャラクターだった。
 何も無い部分にあたかも物があるように見せて、それが、見えない壁として出てくるという攻撃を仕掛けるタイプのボスキャラクターだ。

 だが、焦って、行動を早めたのが、運の尽きだ。
 冷静になって、慎重に能力を出していっていたら、俺はもっと苦戦していただろう。
 【おとこ】の動きからパントマイムだというのがまるわかりだったので、対応を取るのもいち早く、簡単に出来た。

 【MZK】は【おとこ】も切り裂いた。
 ギャラリーは盛り上がり、俺は勝利した。

 まだまだ、【MZK】の能力は引き出していないが、一つ解った事がある。
 ――それは、こいつは危機回避能力が高いんだ。
 ピンチになった後の対抗手段は俺の信じる気持ちに反応して、次々と作り出されて行く。
 潜在能力の高さが【いっちゃん】とはかなり違う。

 こいつは頼りになる。
 そう思った。

 俺は、小ボスキャラクター、【おとこ】を倒し、コアを二つ受け取った。
 それによって、コアは五つ揃い、中ボス戦への挑戦権を獲得した。

「やった。やってやったぞ」
 俺は叫んだ。
 そして、オペレーターも声をかけてきた。
「おめでとうございます。これで中ボス戦への挑戦権も獲得出来ました。それともう一つ、小ボスになれる選択肢も増えました。どうされます?」
「どういう事だ?」
「小ボスを倒したら、小ボスに、中ボスを倒したら中ボスになる権利を得ます。大ボスとラスボスにはなれませんが、小ボスと中ボスにはブレイバーからもクラスチェンジしてなることができます」
「なるとどうなるんだ?」
「小ボスでしたら、小ボスとして登録変更されることになります。その時には、サブキャラクターとして、一つの夢を分離させて、もう一キャラクターを作ることが出来ます」
「薄野に挑戦とかはどうなるんだ?」
「基本的に、ボス同士の戦いは一部の例外を除きありませんから、戦うという事は殆どなくなりますね」
「なら、お断りだね。俺は、薄野と戦うために参加しているんだからな」
「わかりました。では、ブレイバーのままという事で再登録無しで進めさせていただきます。それと、項目に【中】が増えましたので、中ボスのエリアも選択出来る様になりましたよ」
「――みたいだな。いよいよか」

 俺は、薄野への挑戦権を獲得したのを素直に喜んだ。
 ――が、中ボスも小ボス同様に、エリアを選択しても目的の中ボスと会えるという保証はない。
 中ボスの薄野に挑戦するには運も必要になる。
 確実に挑戦したければ、危険を覚悟でラスボスの薄野のキャラクターを選択するしかないんだ。



 五 中ボス戦の見学――瑞希の実力



 俺は中ボスエリアで観戦モードを使い、いくつか中ボス戦を見ていった。
 さすがに中ボスというだけあって、小ボスより格上という感じのボスばかりだった。
 俺が今までに見た中ボスへの挑戦バトルは6戦。
 そのどれも挑戦者達の敗北というものだった。

 どんなに辛くても中ボス戦までは挑戦者側は一体で挑戦しなくてはならない。
 そこが、ブレイバー同士とボス戦の違いだろう。
 ボスの壁は厚く。
 簡単にクリア出来る様な相手ではない。
 だから、たいがいのプレイヤーはブレイバー同士のバトルを選択する。
 その方が安全だからだ。
 だが、逃げに入ったプレイヤー達の末路は見えている。
 大して目立たず、次第に力尽きて消えていくというものだ。

 勝ち上がりたかったら、ボス戦に挑むしかない。
 それが、この【夢命戦】の大原則だ。

 そして、七戦目、ついに、俺は、薄野の姿を捕らえる事が出来た。
 そして、薄野が特別視されていることも知ることになった。

 通常、中ボスから大ボスへの昇格はあり得ない。
 中ボスと大ボスとの差は才能という大きな隔たりがあるからだ。
 が、薄野の中ボスキャラクターは後、三戦勝てば、大ボスへの昇格が決まっているらしい。
 また、三戦と言っても特別試合の様で、挑戦者側も五名いる。
 つまり、中ボスでありながら、大ボスと同じ条件で、薄野はブレイバーと戦うというのだ。

 挑戦者側のブレイバー――

 一人目の名前は【スーパードライバー】だ。
 乗り物が何なのかは今の時点では解らないが、恐らく車か何かを乗り回すタイプのブレイバーだろう。

 二人目の名前は【ヒットマン】だ。
 恐らく、暗殺か何かを得意としたブレイバーだと思う。
 にしても夢がヒットマンってのも問題だが……。

 三人目の名前は【チャンピオン】だ。
 ボクサーか何かだろうか?

 四人目の名前は【侍マスター】だ。
 恐らく、ポーズから察すると居合いか何かの達人だろうか。

 五人目の名前は【人形師】だ。
 人形師という立場上、本体の他にもう一体、人形がついている。
 基本的にはブレイバーは本体一体だが、この場合は例外と言って良いだろう。

 五人の構えから解るのは【黒帯】の時の様な素人的な構えじゃない。
 形が様になっている事からも腕はかなりのものだと推測出来る。
 つまり、薄野は【黒帯】以上の力量の持ち主、五人と戦うという事になる。

 この五人が相手だと、俺の【MZK】じゃ勝てない気がする。
 だとすると、薄野の中ボスキャラクターはそれ程強いってのか?

 ――ごくっ

 俺は生唾を飲んだ。
 BGMが代わり、ついに、薄野の中ボスキャラクターが登場する。
 ギャラリーに聞いた話だとBGMは中ボスにも関わらず、薄野の専用のものらしい。
 薄野はボスキャラクター毎に別のBGMを持っている特別な存在だと聞いた。

 そして、薄野の中ボスキャラクターが顔を出した。
 キャラクターの名前は欠片の名前が【ルビー】、【サファイア】、【エメラルド】、【パール】、【ダイヤモンド】の五つだ。
 恐らくアクセサリーか何かの夢の結晶だと思う。
 五つとも宝石というよりは原石と言った感じだろう。
 最も、【パール】は普通、岩の中に何かないと思うけどな。
 だけど、宝石を削りだす前の岩の塊が五つあるみたいだ。

 それに本体の方の名前は【ジュエリーナ】というらしい。
 その事からもジュエル――宝石を連想させる。

 【ジュエリーナ】は年齢的には小学生、十歳くらいの可愛らしい女の子と言った感じのキャラクターだ。
 とてもじゃないが、戦闘能力が高いとは思えない。

 だが、特別扱いされるくらいだ。
 相当、強いんだろう。
 俺は、この【ジュエリーナ】と戦う可能性が高い。
 しっかり、見ていかないとと思っている。

 挑戦者側は【人形師】が二体あるから、合計六体。
 薄野側も本体一体に欠片が五体の合計六体。
 六対六のチーム戦になると予想した。

 マネープレイヤー達が賭けをし出した。
 比率はさっき、俺が出したのと同じ九九・九対〇・一だ。
 九九・九は薄野の方だ。
 よっぽど知らないで賭けている奴以外は全員、彼女の勝利を信じて疑わない。
 薄野が負けたら信じられないくらいの大金が入るのに全然、挑戦者に賭ける者がいない。
 〇になると賭けが成立しないため、最低が〇・一になるらしい。
 とするとそれだけ絶対視されてるのか、彼女は。

 挑戦者達の気合いの入れ方も半端無い。
 殺気がビリビリとこっちにまで届きそうだった。
 最初から本気で行く。
 その決意が感じられた。

 ベットが終了し、いよいよ、仕合が始まる。
 挑戦者達は各々、得意のスタイルで薄野との間合いを計る。

 【スーパードライバー】が自分のマシンを出す。
 ジェットエンジンらしきものを六基積んだ、特別製の改造バイクの様だった。
 ジェット機の様な轟音が鳴り響く。

【スーパードライバー】に気を取られていたら、【ヒットマン】を見失った。
 何処に隠れたんだ?
 早速、暗殺態勢に入ったのだろうか。

 【チャンピオン】の両腕が三倍にふくれあがり、腕も四本に増えている。
 猛ラッシュの準備だろうか、もの凄いスピードでシャドーボクシングを始めている。

 【侍マスター】が居合いの態勢に入る。
 それにしても佐々木小次郎ばりの長い刀だ。
 あんなので居合いが出来るのか?

 【人形師】と人形が奇妙なダンスを開始する。
 見るからに異様なダンスだ。
 何が飛び出すか全くわからない。

 挑戦者全員が最初から全力で行くというのがはっきりと解った。
 こんな五人にいっぺんに攻撃されたらひとたまりもない気がする。
 薄野は本当に勝てるのか?

 俺がゆっくり考えている暇など全然無かった。
 【スーパードライバー】が信じられないくらいのもの凄いスピードで、【ジュエリーナ】めがけて突っ込んで行って瞬く間に四散した。
 何が起きたのか全くわからなかった。
 目で追えない程のスピードで【スーパードライバー】は突っ込んで行ったのだが、【ジュエリーナ】は苦もなく指一本で破壊した。
 間髪入れず、【ヒットマン】、【チャンピオン】、【侍マスター】が三方向から攻撃を仕掛ける。 逃げ道など何処にもない。

 ――にも関わらず、吹っ飛んだのは三名の挑戦者達だった。
 残った、【人形師】も人形と共に頭上から攻撃を仕掛けていたが、気付かない内に粉々になっていた。

 凄すぎて、開いた口が塞がらなかった。
 ポカーンと黙って、勝負の余韻を見ている事しか出来なかった。

 何て強さだ。
 圧倒的過ぎる。
 全然、相手にならない。

 他の中ボスも完全に霞んで見える。
 特別視される訳だ。
 格が違い過ぎる。

 北新地早苗が俺に勝てるわけが無いと言った意味が今になって、理解出来た。

 俺は、【MZK】の強さに浮かれていた。
 これなら何とかなると――

 だが、中ボスクラスの薄野のキャラクターですら、俺の想像を遙かに凌駕する力だった。
 このままじゃ負ける。
 勝てない。
 勝てる訳がない。

 俺はまたしても絶望感に打ちのめされそうになる。

 やっと、見えたと思った薄野は遙か遠くにいた。
 その事実が俺から力を奪っていく。
 脱力感が俺を襲う。
 もう、ダメだ――
 どうしようもない。

 俺が涙を流した時、オペレーターから連絡が入った。

「諦めるのですか?」
「………」
 俺は返事が出来なかったが、オペレーターは言葉を続けた。

「ご覧になった通り、薄野様と中洲様の実力は天と地程、離れております。ですが、諦めるのはまだ、早いです」
「変な慰めはよしてくれ……」
「慰めではありません。オペレーターとして、ルールをご説明しているだけです」
「え……どういう……?」
「ゲームで絶対に勝てないという設定はたいがいの方のやる気をそぎます。ですので、プレイヤー様にも勝てるチャンスというものは設定されています」

 消えそうだった俺の希望の灯火は再び、灯り出す。

 オペレーターが言うには――
 大ボス以上は才能の点から言って、通常のプレイヤーより上であるため、ボーナスポイントはつかないが、ブレイバー、小ボス、中ボスのプレイヤーにはボーナスポイントがついているという。
 それは通常のプレイヤーに対するサポートポイントで、勝利を重ねていく内に、ボーナスポイントとして、通常の夢の力に力を加算させて行くというものだった。
 それ以外にも連勝を続けて行くと連勝ポイントもつき、不利な条件での勝利にもポイントがついたりするという。
 結果的に三対一で戦った事になった三人娘達との戦いでも不利な条件での勝利と判定されてボーナスポイントがついていると教えてくれた。
 つまり、戦いを重ねて、勝っていく程、俺の【MZK】も強くなっていくという事だ。

 挑戦する前から諦めるのはまだ、早い。
 万全の状態に持っていって、それで、挑戦してからでも遅くはないという事か。

 焦るな。
 焦っても薄野は救えない。
 俺は冷静になって、どんどん力をつけて行って、最後に彼女を倒せればいいんだ。

 そう思うと少しホッとした。
 そうだ、まだ、負けた訳じゃない。
 戦う前からやめるなんて男のする事じゃない。

 俺は気持ちをそう奮い立たせた。



 六 小ボス戦での連戦



 俺は中ボスには挑戦せず、小ボスとの戦いを繰り返して、力をつけていく事を選んだ。
 正直、中ボスに大して自信が無かった訳じゃない。
 中ボスでも勝つ自信はある。

 それでも中ボス戦を避けたのは、万が一にでも薄野にあたる訳にはいかないからだった。
 ただ、待っていたら、彼女の中ボスは大ボスへと昇格してしまう。
 焦る気持ちが無いと言えば嘘になるが、俺は確実な方法をとった。
 例え、小ボスとの戦いでも、繰り返せば、中ボス戦以上のポイントは稼げるからでもある。

 小ボス戦での目標は小ボスを一撃で倒せる様になることだ。
 少なくともそれだけの芸当が出来ないで、彼女への挑戦など、身の程知らずも甚だしい。
 小ボスを瞬殺出来るようになる為に俺は【MZK】の力をどんどん引き出して行かなければならない。

 俺は【小】のエリアを探した。
 そして、挑戦するエリアを決定し、ボス戦に挑む事にした。
 休んで等いられない。
 とにかく勝ち星を増やすんだ。
 俺は、気合いを入れた。

 二戦目の小ボス戦に選んだエリアは古城ステージだった。
 欠片の名前は【マシン・ホーネット】、スズメバチ型のロボットだ。
 本体の名前は【ブラック・スコーピオン】、三つの毒針を持つ蠍型のロボットだ。
 毒針マシンコンビと言ったところだろう。

 相手にとって不足無し。
 一撃だ。
 一撃で倒すんだ。

 それだけを考えて、俺は小ボス戦に挑んだ。

 ――が、勝負は辛くも勝ったものの、一撃での勝利とはほど遠い仕合運びだった。
 小ボスの方はマシンドーピングというステータスを書き換えるという反則を使っていた事が判明し、俺に更にボーナスポイントがついたが、嬉しくは無かった。

 こんなんじゃダメだ。
 もっと強くならなくては……。

 三戦目の小ボス戦に選んだのは火山ステージだ。
 エリアを別々のものに選択していくのは【MZK】のスキルアップの為でもある。
 なるべく、たくさんのエリアを経験し、経験値を上げるという俺の思惑だ。

 小ボスは、欠片の方の名前が【ポチ】で、ブラキオサウルスの様な姿をしている。
 本体の名前が【タマ】で、ティラノサウルスの様な姿をしていた。
 恐らく、恐竜をペットとして飼いたいと思っている奴がプレイヤーなんだろう。

 体格のまるで違う相手との戦いになった。
 巨体をもの凄く揺らして攻撃を仕掛けてくる恐竜コンビになかなか【MZK】の攻撃がヒットしなかった。
 リーチが有りすぎて、攻撃が届かなかったのだ。
 が、それでも、根性で勝利をおさめた。

 だが、やはり一撃での勝利とはほど遠い戦いだった。

 焦るな。
 着実に俺は強くなっている。
 とにかく、数をこなすんだ。
 そう思って、俺は次の戦いに挑む。

 四戦目のエリアは摩天楼エリアだ。
 超高層ビルば立ち並ぶエリアでの戦いももちろん初めてだった。

 小ボスは、欠片の名前が【サラダ】だ。
 本体の名前は【デザート】だ。

 この料理コンビのプレイヤーには挨拶をされた。
 俺の【いっちゃん】を倒した【クックマン】がクラスチェンジで小ボスになっていたようだ。
 丁度良い、雪辱戦となった戦いはやっと一撃で、倒す事が出来た。

 この感覚だ。
 この一撃の感覚を覚えて、勝利を重ねるんだ。
 そうすれば、一撃必殺ボーナスが貰える。

俺はこの調子で、五戦目、六戦目、七戦目と小ボスとの戦いを繰り返した。
 連戦につぐ連戦で俺の方はかなりの疲労が蓄積されたが一日で、二戦目から十二戦目までの十一戦を勝ち抜いた。

 さすがに、十三戦目はそれまでの疲労感からやられてしまうという事もあって、その前にログアウトして、そのままベッドで深い睡眠に入った。

 一日最高で六戦というのが今までの記録だったが、俺は、その記録を倍近い記録で塗り替えた事になった。

 次の日も、その次の日も、俺は体力が続く限り、小ボスとの連戦を繰り返した。
 五日目には五十戦目に到達し、逆に、小ボスの方から対決を断られる様にもなってしまった。

 それでも、何とか相手を探してやって、一週間目で六十二勝目を上げたところでログアウトした。

 大会の方から中ボスクラスへの挑戦を催促されていたが、今まではずっと断り続けていた。
 だが、もう、限界だろう。
 もう、小ボスクラスに相手がいない。

 さすがに、ブレイバーとやってもポイントはたかがしれているので、俺としては中ボスクラスに挑戦するのが最良の手を判断した。

 俺の方のブレイバーは【MZK】だけだと、ダメージが蓄積されていくので、もう一つ、【自分の理想像】もキャラクター化し、【MZK】と交互に使用して、休ませている間は回復させていくという方法をとっていた。

 俺の【自分の理想像】のキャラクター名は切り札の意味も持つ【ジョーカー】だ。
 【MZK】と交互に使っているだけあって、こっちもなかなかのレベルアップをしている。

 【MZK】と【ジョーカー】の二枚看板で俺はプレイしていた。
 だが、短期間で連勝を重ねる俺は有名になってしまって、ブレイバーの対戦相手もなかなか現れないという状態だった。

 必然的に次のステップに進む時期が来ているという所だな。
 これで、薄野とあたってしまったら、戦うしかない。

 今の状態で薄野との差がどの程度縮まったか解らない。
 だが、薄野の戦いぶりを見て意気消沈していた頃とは桁違いの力を得ているのも事実だ。
 目もその動きに慣れた。

 今なら挑戦しても大丈夫かも知れない。
 薄野の方はどうなっているんだろう。
 もう、大ボスクラスに昇格してしまったのだろうか。

 いや、そんなはずはない。
 まだ、一週間だ。
 彼女がそんなに連戦をしているとは思えない。
 それに、殆ど、ラスボスクラスを使用しているとも聞いた。
 だから、あまり、中ボスクラスである【ジュエリーナ】を使用していない筈だ。

 ネット上の情報屋に聞いた所によると彼女は一週間前の戦い以降、姿を見せてないと言っていた。
 つまり、後、二戦分、【ジュエリーナ】と戦う余裕があるという事だ。
 何とか、彼女と当たる前に、中ボス戦で経験を積み、出来るだけスキルアップするんだ。

 彼女との戦いはそう遠くないかも知れない。
 俺は何となく、そう思うのだった。

 俺は、彼女との戦いに備えて、丸一日、休息を取るつもりでいた。
 観戦モードを選択し、中ボス戦を観戦していく。

 正直、小ボスが中ボスになったとしても大して凄く感じなくなっていた。
 それだけ、小ボスクラスでの連戦が俺のブレイバーを強くさせているという事なのだろう。
 中ボス戦を見ながら、俺ならどうやって攻略するか等と考えていた。

 結局、休むというよりは、頭の中で、イメージトレーニングを行っているようなものだった。
 そうだ、ただ、休むと身体がなまる。
 それよりは、疲労とは関係ない部分を鍛えていかないとな。

 こんなに前向きに何かに向かって行ったのって初めてかも知れないな。


登場キャラクター紹介

001 中洲 一太(なかす いった)

中洲一太  この物語の主人公。
 瑞希を助けるために、オンラインカジノ、夢命戦(ゆめいくさ)でドリームプレイヤーになることを決意する。

















002 歌舞伎町 達也(かぶきちょう たつや)

歌舞伎町達也 一太の親友で、夢命戦のシステムを作った少年。
 訳あって姿をくらましている。

















003 薄野 瑞希(すすきの みずき)

薄野瑞希 夢命戦(ゆめいくさ)最強のドリームプレイヤー。
 殆どがラスボスとして登録されている。

















004 北新地 早苗(きたしんち さなえ)

北新地早苗  獏喰天副社長秘書。
 親友の瑞希を騙して、ドリームプレイヤーにしたとされているが、実は……

















005 いっちゃん

いっちゃん 一太が最初に作った夢命戦(ゆめいくさ)用のキャラクター(ブレイバー)。
 お笑い芸人になりたいという夢をキャラクター化させている。
 三頭身のお笑いキャラクター。













006 黒帯

黒帯  一太がいっちゃんで最初に戦う事になる敵ブレイバー。
 空手の黒帯をイメージ化させたキャラクターだが、ドリームプレイヤー自身の実力がともなっていないため、素人っぽい。
 攻撃力も大した事がない。














007 クックマン

クックマン 一太がいっちゃんで対戦し、初黒星となる敵ブレイバー。
 コックをイメージ化させたキャラクター(ブレイバー)で、したたかな一面がある。
















008 MZK(エムズィーケー)

MZK  一太の理想の女性像をキャラクター化させたブレイバー。
 どことなく瑞希に似ている。
 名前も瑞希→MIZUKI→MZKとなっている。

















009 おとことおんな

おとことおんな  最初に戦う事になる小ボス。
 おんなが先行して戦うがおとこが本体。
 おんなは鳥もちの用になったりするサポートタイプ。

















010 ジュエリーナ→ジュエリット

ジュエリーナ
ジュエリット  瑞希が操るブレイバー。
 十才くらいの女の子の姿をしているが元は宝石に憧れるという夢の部分をキャラクター化させている。
 ルビー、サファイヤ、エメラルド、パール、ダイヤモンドという原石のような欠片を操る。
 中ボスクラス(ジュエリーナ)だが、扱いは大ボスと同等の扱いを受けていた。
 やがて、戦績が認められ大ボスクラス(ジュエリット)になる。
 姿は大人の女性へと変貌する。










011 ジョーカー

ジョーカー 一太の自分の理想像をキャラクター化したブレイバー。
 切り札という意味でジョーカーと名付けた。
 パワーで言えばMZKと同等の力がある。

















012 ディアプレイ

ディアプレイ 一太のゲームを楽しむという部分をキャラクター化させた白ウサギ型のブレイバー。
 力で言えば、いっちゃんより強く、MZKとジョーカーよりは弱い、中間タイプのブレイバーでもある。
 ブレイブ・ヒーロー制作の為に欠場するMZKとジョーカーの代わりに一太をささえた。














013 ドラゴリエーレ

ドラゴリエーレ  ドラゴン型ブレイブ・ヒーロー。
 名前はドラゴンとゴンドラをあわせたものになっている。
 ブレイバーでは出せない戦闘能力を有する。

















014 風神(ふうか)

風神  風を操る風神型(ふうじんがた)ブレイブ・ヒーロー。
 双子型でもある。
 女の子タイプである。

















015 雷神(らいか)

雷神  雷を操る雷神型(らいじんがた)ブレイブ・ヒーロー。
 双子型でもある。
 女の子タイプである。

















016 一希(かずき)

一希  両性具有の天使型ブレイブ・ヒーロー。
 一太は自分と瑞希の子供という事をイメージして名前をつけた。

















017 ゾディアック

ゾディアック  12星座型の大ボス。
 三つのフラフープに四つずつ、星座の元があり、それにより、12パターンの変身が可能。

















018 歌舞伎町 虎夫(かぶきちょう とらお)

歌舞伎町虎夫 事件の黒幕。
 達也のおじで、彼の会社を乗っ取った悪人。
 傲慢な正確をしている。

















019 億万長者

億万長者  大仏を思わせるラスボス。
 千両箱をたくさんもち、その千両箱で他のブレイバーやブレイブ・ヒーロー、ボスなどを雇って攻撃させる他力本願タイプ。
 金こそ全てと思っている虎夫の野望をキャラクター化させたボスキャラ。










020 超天~(ちょうてんじん)

超天神  二千三百勝したブレイブ・ヒーロー。
 億万長者に雇われたと思われていたが……。

















021 姫帝(ひめみかど)

姫帝  大ボス百四十体倒したブレイブ・ヒーロー。
 億万長者に雇われたと思われていたが……。