第003話


 七 中ボス連戦



 翌日、俺は早速ログインして、相手になる中ボスの居るエリアを選ぼうとしていた。
 もし、仮に、薄野にあたってしまったら、仕方ない――
 覚悟を決めて、彼女を倒す事に集中するしかない。
 そう、思いつつも出来ればまだ、当たらずに少しでもスキルアップをしたいと思っていた。

 それだけ、彼女の戦いはインパクトが強かった。
 まだ、彼女を倒す、自信が無いというのが正直な気持ちだった。

 まだ、当たらないでくれ……

 そう願いながら、俺は、隕石エリアを選択した。
 このエリアは猛スピードで移動する隕石に飛び移りながら、戦うというものだ。
 もちろん、初めてのエリアでもある。

 流れ星に願いをという気持ちも込めて選んだのだが、どうやら、落下し続けて何時までも地表にはたどり着かず、隕石から踏み外すと衝撃で大ダメージを負って場合によってはそこで敗北するらしい。
 何となく【クックマン】と戦った空中庭園エリアを思い出す。
 が、エリアが高速で移動しているという点では空中庭園より危険なエリアだろうというのは解った。

 対戦する中ボスの欠片は全部で9体だ。
 【モグタン一号】から【モグタン九号】までの全部同じタイプの欠片でどうやらモグラ型のキャラクターの様だ。
 本体の方は【ハンマーヘッド】だ。
 撞木鮫(しゅもくざめ)型のキャラクターだが、どうやら、モグラ叩きが大好きなプレイヤーのキャラクターだというのが、予想ついた。

 上等だ。
 全部、ブッ叩いてやる。

 俺は深呼吸した。

 これが、中ボス戦の初戦になる。
 この中ボス戦でも出来れば、【ジュエリーナ】以外は一撃必殺で勝っていきたいところだ。
 中ボスも一撃で倒せるようになってない状態で、【ジュエリーナ】に挑戦するのは危険すぎると今でも思っている。
 俺は、【ジョーカー】の両頬を叩き、気合いを入れ直し、初戦に挑む事にした。

 ローテーションを組んでいた順番で【ジョーカー】での挑戦になっていたが、ほんの僅かに、【MZK】での経験値の方が上だ。
 出来れば、そっちで挑戦したかったというのが本音だが、今更泣き言を言っても仕方ない。
 やるだけやってやる。
 俺は敵に集中した。

 小ボス戦の時とは別のBGMが流れ、緊迫感が増す。
 中ボス、【ハンマーヘッド】が現れるという事か。

 モグラ叩きが好きという事は大体戦法は読める。
 恐らく、隕石の穴に隠れては出て来るという攻撃をするのだろう。

 戦法さえ解ってしまえば対策の取りようはある。

 だが、順調に行くとつい、いい気になるのは俺の悪い癖だ。
 慎重に相手の出方を窺いつつ、勝利への方程式を作るんだ。

 出てきた【モグタン】はどうやら、隕石の中を瞬間移動し、別の場所から、飛びだして攻撃をする事が出来るらしい。
 戦って見てそれが解った。
 どの穴から出るかというのはあまり推測が出来ないみたいだ。
 だったら、こっちにも考えがある。
 隕石を削って、穴を埋めてしまえばいい。
 俺は、隕石を叩いて、その破片を穴に放り込むという方法をとった。

 【ハンマーヘッド】の攻撃が鬱陶しかったが、空を泳ぐ奴の動きと【モグタン】の動きは連携があまり取れていない。
 中ボスと言ってもピンからキリまであるようだ。
 明らかに、こいつは、薄野よりスキルが低い。

 勝てる。
 勝てるぞ。
 こいつになら勝てる。

 俺は、イメージした通りに動き、そして、一撃で【ハンマーヘッド】をしとめた。
 本体さえ、倒してしまえば、欠片も消滅する。
 【モグタン一号】から【モグタン九号】も連鎖的に消滅して行った。

 中ボス戦の初戦も勝利をおさめた。
 少し、慎重になりすぎたかもしれない。

 慎重になるに越したことはないが、慎重になりすぎるのも勢いを消してしまう。
 その微妙なさじ加減も大切だ。

 俺は、続けて、中ボス戦の二戦目のエリアを選択する。

 二戦目のエリアは沼地エリアだ。

 足元が沼でぬかるんで思うように歩けない。
 このエリアに出てきたのは――
 欠片の名前が【ぽっちゃり】、【ちび】、【ひょろ】、【スマート】、【のっぽ】の五体、
 本体の名前が【マッスル】というむさい男の集まりだ。
 全員、海パン一丁ってのが気持ち悪さを増している。

 正直、【MZK】を出すと、薄野が男に襲われている見たいで面白くない。
 こんな相手はとっとと蹴散らすに限る。
 俺は早々にけりをつけるために攻撃態勢を取った。

 が、このエリアは奴らの方が特性を活かせる場所だった。
 沼地を利用したトリッキーな動きが俺を攪乱して思うように攻撃が当たらない。
 こいつら、かなりの体術を使う。
 オリジナルの動きなのだろうか、見たこと無い戦法だった。

 ドロドロになりながら、俺はチャンスを窺った。
 そして少ないチャンスをものにして見事に逆転勝利をおさめた。

 【MZK】が泥だらけだったので、近くの泉で泥を落としていたらギャラリー共が【おぉ〜っ】とか騒ぎ出した。
 そのシーンに萌え要素があったようだ。
 まったく、野郎共ときたら……
 俺も男だから気持ちはわからなくはないが……
 こいつは俺の【理想の異性像】なんだ。
 出来れば、俺が独り占めしたいんだよ。
 見せ物にしたくはねぇ。
 それが本音だ。

 三戦目のエリアは崖のエリアだ。

 つるされたロープにつかまりながらのバトルとなる。
 【ジョーカー】は靴を脱ぎ、足の指でロープを支えて、両手がフリーな状態で戦う事にした。

 欠片の名前は【分度器】、【三角定規】、【コンパス】、【糊】、【鋏】、【定規】、【カッター】、【鉛筆】、【消しゴム】……以下省略だ。
 二十近くあるそれらは文房具って感じか。
 それに愛着を持っている誰かがプレイヤーって事だな。
 本体の名前は【教科書】だ。
 どれだけ、勉強が好きなんだって感じの相手だ。

 ――が、思ったより強敵で、【ジョーカー】が掴んでいるロープを片っ端から、【カッター】やら【鋏】やらがぶった切っていくわ、糊を食らったら粘ついて危なかったりもした。

 しかし、結局、この崖のエリアとこの中ボスは相性が悪い。
 合ってない場所での戦いというのは戦いづらいものだ。
 俺は、【教科書】が挟んでいた、ロープを切り落とし、たたき落として勝利した。

 四戦目のエリアは教室のエリアだ。

 限られた空間の中でのバトルはちょっとした気の油断からあっという間に逆転負けもあり得るエリアでもある。

 欠片の方は8人の女生徒、【夕喜乃(ゆきの)】、【真穂(まほ)】、【円香(まどか)】、【祐子(ゆうこ)】、【絵理(えり)】、【利香(りか)】、【佳枝(よしえ)】、【瑞穂(みずほ)】だそうだ。
 本体の方は保険医タイプの【杏奈(あんな)】だ。
 プレイヤーのプロフィールを見ると、元、教育実習生らしい。
 大方、お気に入りの女生徒にでも手をつけてクビを切られたって口か。
 女生徒の名前はその時に目をつけた女生徒の名前にでもしたんだろう。
 どんだけ、女好きなんだっての。

 そこそこ綺麗だと思うが、俺の薄野――【MZK】の方が断然綺麗だ。
 それに、女生徒の名前に【瑞穂】という名前があるのも気に入らん。
 薄野と一字違いじゃないか。

 こういう手合いもさっさと倒すに限る。
 俺は頭を潰す事にした。

 試合開始となり、【杏奈】めがけて突っ込む【MZK】に対して、よりにもよって、ローションらしきものをぶちまけやがった。
 思わず、スリップして、机に躓いてダメージを負ってしまった。
 キャットファイトでもしようってのかこいつは。

 無責任なギャラリーは大歓声を浴びせて来たが、俺は、逆に冷めた目で見ていた。
 そんな事はどうでも良いんだ。
 とにかく薄野に勝てさえすれば、どうでも。

 【MZK】は華麗なダンスを披露しながら、その流れにそって相手にダメージを与え続け、勝利した。
 見ろ、この俺の優雅な舞いを。
 十把一絡げの美女とは違うんだ。
 俺の【MZK】は特別なんだ。

 五戦目は草原エリア。
 広大な草に囲まれたかなり広いエリアだ。

 そこで、【ジョーカー】を待ち受けるのはグールの群れだ。
 このエリアはただの草原のエリアではなく、第三者として、グールの群れが登場する。
 このグール達は、俺にも中ボスにも見境無く、攻撃を仕掛けてくる。
 このグール達は基本的に倒せるが、その分、余計な体力を削ってしまう。
 上手く、グールをやり過ごしながら、中ボスと戦うというステージだ。

 欠片は【グールA】から【グールJ】までのグール型だ。
 汚ねぇ、これじゃ、エリアに群れてるグールと区別がつかないじゃねーか。
 グールの群れはエリア内に千体解き放たれているって言うし、千十体のグールと戦うって事にもなりかねねぇ。
 逆に、欠片の方はグールに埋もれてやられる心配はねえし、向こうがかなり有利な戦いだ。
 だが、この不利な条件で勝てば、ボーナスポイントがたくさん入るはず。
 やってやる。
 本体の方は【レオン】カメレオン型ってとこか。
 盗撮とかが趣味じゃねぇのか、こいつは。

 グールに埋もれる欠片と姿を消す本体を相手に、俺の【ジョーカー】は必殺技を繰り出した。
 【トラップボール】だ。
 罠を仕掛けたボールを草原に向けて、投げつける。
 そして、敵の攻撃をかわして、また、新たな【トラップボール】を投げつける。
 また、逃げては投げつけるというのを何度も何度も繰り返す。

 一見、攻撃を外している様にも思える【トラップボール】だが、草原の下の地面に埋まりながらも時が来るのを待っている。

 あらかた準備が整い、俺は【トラップボール】の真の力を発動する。
 【トラップボール】は名前の通り、一つ一つにトラップを仕込んでいる。

 例えば網のトラップだ。
 タイマー式で作動して、グール達を捕らえて、電撃を流す。
 他にも炸裂弾のトラップ。
 敵の足元で炸裂して、敵の動きを止めるのに役に立つ。

 そういうトラップを俺は一つ一つ、仕掛けたんだ。
 そして、準備が整い、俺はグール共も一網打尽にした。

 電撃網で捕らえたグールの中にどうやら欠片も二、三体混じっていた様だ。
 中ボス側にダメージが表示されていた。

 だが、俺は、こんなのを狙っていたんじゃない。
 わざと、【トラップボール】をあまり配置しなかった場所がある。
 そこには、二重トラップとしてこのエリアに来てすぐに、仕掛けた【トラップボール】が一つ仕掛けてある。
 一見すると石ころにしか見えないが、それは【トラップボール】の二重重ねだ。
 そこに、【レオン】が足を踏み入れた時、大がかりな罠が作動する。

 周りにあった【トラップボール】が一斉にその場所めがけて、飛んでくる。
 その二重の【トラップボール】から見えない極細の糸が無数に伸びていて、敵が足を踏み入れた時、その糸を全部巻き取り、その反対側につながれていた【トラップボール】が、草の影から飛び出すと言った仕組みだ。

 慌てた【レオン】は上空にしか逃げる場所が無い。
 そこへ逃げた【レオン】めがけて、【ジョーカー】の必殺キックが炸裂した。
 見事【レオンの心臓部】を貫き、勝利した。

 複雑な作戦だったから、正直、上手く行くかどうか不安だったが、何とか出来たぜ。
 やったーっ!
やってやったぜ!

 俺の連勝街道は尚も続く。
 六戦目のエリアは滑走路のエリア。
 時々、飛んでくる飛行機をかわしながら戦うエリアだ。

 中ボスの欠片は【デス子】、【デス奈】、【デス太】、【デス助】、【デス郎】、【デス花】、【デス美】、【デス男】、【デス代】の九体。
 全部ドクロ、恐らく死に神を意識しているのだろう。
 本体の方の名前は【神父】だ。
 一体、何を表現したいのかよくわからん。

 だが、しゃれこうべが九体大釜振り回して襲ってくる姿は対戦してみるとかなり怖い。
 ちょっとしたホラーだ。
 この欠片共の攻撃力は見た目とは裏腹に意外と弱い。

 だが、こいつらは、バラバラに破壊してもすぐに元に戻ってしまう。
 粉微塵にするか、頭を破壊するか、もしくは、本体を倒すかしないと何度でも再生する。
 一方、本体の【神父】の方はというと――

 欠片をほったらかしてエリア内を逃げ回っている。
 どうやら、不死性に力を注ぎ込み過ぎて、攻撃力は大した事ないらしい。
 思ったよりも逃げ足は速いが、俺は、欠片を無視して追いかけ続けた。
 そして、ついに追い詰めたと思ったら、【神父】はやってきた飛行機に自ら突っ込んで行って、自爆した。
 【神父】が自殺しちゃだめだろとツッコミたくなったが、とにかく相手が勝手に自滅してくれたので、勝ち星を増やせた。

 七戦目の時は勝ったものの危なかった。
 俺は、薄野に動きがあった時、すぐに解るように【リモート・ベル】をセットした。
 彼女が戦った時に知らせてくれるベルだ。
 その設定を最大にしていたので、突然鳴った時にビックリして、動きが止まった所に一撃を貰ってしまった。
 大分、強くなっていたから致命傷にはならなかったが、しばらく【ジョーカー】の方はメンテナンスに出した方が良さそうだった。
 ちなみにエリアはスケートリンクのエリアで、中ボスの欠片は雪像型のものが十二体、本体は【トリプルアクセル】という名前のスケートを履いた雪だるまだった。

 この仕合の最中に、薄野も戦って勝利していて、ついに、大ボスへの昇格まで後、一戦という事になってしまった。
 その意味でも俺は焦ったのかも知れない。

 八戦目からはまた、しばらく、【MZK】一本で行くことになった。
 正直、【いっちゃん】のレベルでは太刀打ち出来そうも無いからだ。

 だが、悪い知らせばかりではなく、俺の中で、もう一つ、夢が育ちつつあるという情報をオペレーターが教えてくれた。
 戦力が増えるのは嬉しいことだ。
 だが、その夢はゲームを楽しむという事の夢らしい。
 知らず知らずの内に、俺はこのオンラインギャンブルを楽しんでいたという事なのだろうか。
 ――が、このゲームを楽しむという夢がやられてしまうと俺はこの【夢命戦】を続けられなくなる可能性もある。
 そのブレイバーもやられたら後戻りが出来ないタイプのキャラクターになりそうだ。

 八戦目のエリアは迷路の様な高級ホテルの敷地内だ。
 エリアを破壊したらペナルティーで罰金という厳しいエリアだ。
 ただ、自分で壊さなければ、罰金にはならないらしい。
 つまり、相手を突き飛ばして壁が壊れたとすると突き飛ばされた方がペナルティーになるらしい。
 中ボスの欠片は羊の顔をした執事達、【セバスチャン】、【ピエール】、【ゴードン】、【クリスティン】、【ミカエル】、【ロバート】、【貞吉(さだきち)】の七体。
 (最後の【貞吉】って……)
 本体はメイドタイプの【シフォン】だ。
 相手はおもてなしのプロって訳か。

 ここまで、連勝して、大分ファイトマネーを稼いできている。
 ちょっとやそっとのペナルティーを払ったくらいじゃどうって事はない。
 要は、薄野を倒せば良いんだ。
 必要なのは金じゃない。

 と、思っていたが、その料金設定は俺が思うより遙かに高かった。
 花一輪、落としただけで、信じられない額のペナルティーが取られた。

 冗談じゃない。
 こんなエリア、二度とやるか。

 ブツブツ、文句をいいながらも俺は、【シフォン】を倒せた。
 ――が、これまで稼いで来た額のおよそ半分が持って行かれてしまった。
 とんだ散財だ。
 あっぶねぇエリアだ。
 誰だ、こんなエリアを考えやがったのは?

 九戦目のエリアはハリケーンだ。

 竜巻に飛ばされながらの空中戦という事になっている。
 負けたらはじき飛ばされて、ブレイバーは破壊されるというデッドオアアライブ、生か死のステージだ。
 中ボスの欠片は【レッドドラゴン】、【ブルーリバイアサン】、【イエローベヘモス】、【グリーンクラーケン】、【ブラックエンジェル】の五体だ。
 本体は【ホワイトデビル】だ。
 ファンタジーが好きそうな奴がプレイヤーだな。
 体格差は十対一くらいでかなりでかい。
 だが、見た目の迫力に対して、こいつが中ボスクラスだという事は驚く程強いって訳でもなさそうだ。
 俺は、もう、中ボスクラス程度では怖じ気づくような戦績じゃない。
 もうすでに、何時だって、大ボスに挑戦出来るくらいまでスキルアップしているつもりだ。

 だが、このハリケーンのエリアは【MZK】にとっては戦いにくい場所でもあった。
 何しろ、【MZK】は軽いからだ。
 つまり、踏ん張りがきかないんだ。

 対して、中ボスの方は重量があるから、ハリケーンの中でも踏ん張りがきく。
 大風の影響で、思うように動けないので苦しい戦いになった。
 だが、薄野以外の中ボスには負ける気がしない。

 確かに苦戦はしたが、俺は的確に勝利をおさめた。

 続けて、記念すべき、中ボス戦の十戦目のエリアは戦場だ。

 戦闘機や戦車、戦艦などから無差別に攻撃されていて、それをかわしながら中ボスと戦うという、中ボスエリアの中で最も危険なエリアと言われている。
 それは、ミサイルが突然飛んできて、敵味方関係なくお陀仏という危険性も孕んでいるからだ。
 中ボスの欠片の名前は【ZAK―〇〇一】から【ZAK―〇一一】までの十一機と【SHO】、【PAS〇三】、【NEXT】の三機を足した十四体。
 何の略だか全然解らないが、全部、巨大ロボットだ。
 本体は【BOSS】、これもロボットだ。
 恐らく司令官機というやつだろう。
 ロボット物が好きな奴がプレイヤーだという事が一目でわかるチーム編成だ。

 【MZK】とロボット軍団との戦いが始まった。
 同じ様なネーミングでもこっちの【MZK】は【瑞希】の略だ。
 一緒にされたくはない。
 それは、向こうも同じ気持ちだろうが。

 一進一退の攻防が続く。
 なかなか敵もやる。
 かなり実力はある方だと思う。

 だが、俺はロボットの関節を攻めて一機一機、倒して行った。
 だが、なかなか本体にはたどり着かない。

 フォーメーションが敵ながら素晴らしいと言わざるを得なかった。
 中ボスとは言え、相当な手練れだ。

 そして、大分、ダメージを負ったが【BOSS】を倒した。

 今日はここまでだな。
 次に仕合したら、負ける可能性が高い。
 俺はまた、ログアウトした。



 八 運命の戦い



 翌日、俺は中ボス戦を続けて、十八戦目――

 ついに、来たというべきか。
 ここをクリアしないと薄野は助けられない運命の戦いの時がやってきた。

 薄野との戦いがマッチメイクされたのだ。
 十八戦目を選択した時、他のブレイバー達も参加していた事に俺は驚いた。
 大ボスとの戦いでも無いのに何故?とも思ったが、すぐに推測がついた。

 中ボス戦での例外的な多人数での挑戦――
 それは、薄野との戦い以外、考えられない。
 もう、逃げる事は出来ない。

 これが、吉と出るか凶と出るかは解らないが、とにかく、戦うしかない。

 俺以外のブレイバーは十六体。
 十六体も居るんだと驚いた。
 薄野とのマッチメイクは中ボスに挑戦しているブレイバーの中でもトップクラスのメンバーが集められる。
 中ボス相手に善戦していた、俺は何時、選ばれてもおかしくなかったって訳だ。
 そして、ついに、俺にもお鉢が回ってきたってところだろう。

 俺以外のブレイバー――
 一体目は【弁慶】
 二体目は【ガンマン】
 三体目は【テンプルナイツ】
 四体目は【覇王】
 五体目は【桜の木】
 六体目は【バズーカ】
 七体目は【ウルトラファイター】
 八体目は【ケルベロス】
 九体目は【マシンマスター】
 十体目は【ロードキング】
 十一体目は【ランナー】
 十二体目は【ドクター】
 十三体目は【ジャスティス】
 十四体目は【カオス】
 十五体目は【ギャングスター】
 十六体目は【マジシャンズゴッド】
――だ。

 どいつもこいつも一癖も二癖も有りそうな連中だった。

 一方、薄野の方は戦う度に無類の強さを発揮していくため、挑戦者の数は増え続け、とうとう、俺も含めて十七体の挑戦者との戦いをマッチメイクされるまでになっていた。

 どんだけ強いんだ【ジュエリーナ】は――
 それに、【ジュエリーナ】より強いラスボスをいくつも持っているというのが、信じられんわ、実際。

 マネープレイヤー達の掛け率は八・二対一・八だ。
 一・八の方が俺達の掛け率になっている。
 それだけ、薄野の強さが周囲に認められているって事か。

 俺以外のブレイバー達の表情は緊張していて硬い印象を受ける。
 自分達がマッチメイクされる前に、薄野には大ボスに行って欲しかったという顔つきだ。
 そんな負け犬根性じゃ、やられる。

 勝つつもりでやらなきゃ――
 そう、思っているのは俺だけかもな。

 薄野との対戦エリアは月面だった。
 重力が地球のエリアとは違う。
 勢いをつけすぎると何処までも行ってしまいそうだ。

 【マシンマスター】以外は酸素ボンベをつけての参加となる。
 実際にはあり得ないがキャラクターのイメージを大切にしているのか宇宙服は着なくてもいいみたいだが。
 酸素ボンベは命綱ともなっている。
 酸素が無くなると負けとなる。
 酸素が残っている内に、勝負を決めなくてはならないって事か。

 酸素はそれぞれ、十五分ほどしか入っていない。
 それが、尽きるまでの間に決着がつかなかった場合は生き残っているキャラクターはドロー、引き分け扱いになるらしい。
 それまでにやられてしまうと負けだと言う事だ。

 これは俺に取っては回避のチャンスがあるという事でもある。
 もしも、仮に【ジュエリーナ】に全く歯が立たないと判断したら、十五分間逃げ回れば、最悪でも引き分けにして、次につなぐ事が出来る。

 そんな弱気でどうするとも思っているが、失敗は出来ないんだ。
 勝てないようなら、全力で逃げ切ってやる。

 月面に降り立った俺達の前に、BGMが変わり、薄野の【ジュエリーナ】が宇宙船に乗ってやってきた。
 彼女が、月面に降り立った時、十五分間の戦いは始まる。

 ごくっ……

 緊張からまた、俺は固唾を飲む。
 後から後から汗が噴き出してくる。
 焦るな――落ち着け、落ち着くんだ、俺……

 宇宙船は月面へと着陸し、【ジュエリーナ】が五つの欠片と共に姿を現す。
 俺達の方はお互いアイコンタクトでそれぞれの定位置に配置している。
 既に、臨戦態勢に入っていた。

 試合開始と同時に、一斉攻撃する手筈になっていた。

 【ジュエリーナ】の一挙手一投足に集中する。
 彼女はゆっくりと降り立ち、そして、月面へと足を踏み入れた。

 と、同時に十五分間のタイマーがカウントダウンを始め、試合開始のブザーがなった。

 一斉に、【ジュエリーナ】に向けて突っ込んで行く十七体。
 その中には俺の【MZK】も当然、混じっている。

 前にギャラリーとして見た時はあっという間に勝負がついた。
 今回もそれと同じにする訳にはいかないんだ。
 絶対に勝って帰ってやる。

 そして、薄野 瑞希を救い出すんだ。
 俺は勇気を振り絞って特攻した。

 ――一瞬――

 意識が飛んだ。
 一瞬とは言え、気を失ったんだ。

 気付いた時、味方の数は、半数以下になっていた。
 あっという間――
 何が起こったかもろくに解らずに、味方は散っていった。
 圧倒的過ぎる。
 見学していた時から思っていた事だった。
 だが、戦ってみて、その認識すら甘かった事を思い知った。
 戦いを解説したくても俺の意識が無かったため、何が起こったか全然解らない。

 冗談じゃない――

 こんな所でやられてたまるか。
 やられたくない。
 生き残るんだ。
 俺はそれだけに集中した。

 一方――

 生き残っていた仲間の方は、完全に腰が引けていた。
 既に、退却の……逃げの態勢に入っている。
 【ジュエリーナ】はそれを許さず、すぐに、追い打ちをかけて来ている。
 逃げまどう生存者。
 だが、彼女はそれを逃がさない。

 一体……
 また、一体と数を減らして行き、一分も経たない内に、生存しているブレイバーは俺の【MZK】ただ、一体となってしまっていた。

 俺は恐怖した。
 好きで好きでどうしようも無い相手に対して俺は恐怖を覚えていた。

 逃げたらその場でやられる。
 そう思うと逃げる事も出来なかった。
 構えを取り、間合いを取りながら後ずさりをする事しか出来なかった。

 恥ずかしくて言えないが腰が抜けそうだった。
 それだけ、追い詰められていた。
 だが、元々、薄野とは一対一のサシで勝負するつもりだったんだ。

 望んでいた状況になった。
 そう考えるべきじゃないか。
 俺はそう気持ちを切り替えた。

 前向きに向き合ってこそ、活路も見えてくるってもんだ。
 俺はまだ、生き残っている。
 やられた訳じゃない。

 薄野の力に圧倒されている場合じゃない。
 やっと届いたじゃないか。
 やっと、薄野と対戦出来るまでに成長したんだ。
 これは喜ぶべきことだ。

 そう思った時、【MZK】もどんどんパワーが増している気がした。
 こいつは、俺がポジティブになればなっただけ、力もアップするんだ。
 だから、後ろ向きに考えちゃだめだ。
 勝つつもりで薄野に挑戦するんだ。

 薄野は絶対に勝てないって訳じゃないんだ。
 オペレーターも言っていたじゃないか。
 プレイヤーにも勝てるチャンスが設定されていると。

 ブウン……

 【MZK】が点滅を繰り返した。
 それと同時にステータスのポテンシャル部分の数値がみるみる跳ね上がっていく。
 俺がこれまでの連戦で獲得して来たボーナスがこの土壇場に来て発動したらしい。

 無数の髪の毛がいくつかの束になり、【ジュエリーナ】めがけて伸びていく。
 伸びたそれぞれの毛先が【MZK】の上半身と同じ姿に変わり、本体から切り離されて【ジュエリーナ】に向かって攻撃をしかける。
 次々と伸びては切り離され、伸びては切り離されていき、次々と上半身だけの分身が作られていく。
 気付けば百体近い上半身の分身が【ジュエリーナ】に攻撃をしかけている。

 さすがの彼女も百体近い【MZK】の攻撃に防戦一方だ。
 ギャラリーのどよめきが、俺の快進撃を物語っていた。

 薄野を倒せるかも知れない――

 その気持ちと――

 いや、このままではやられる……

 という二つの相反する気持ちが俺の中で葛藤となって暴れ回った。
 その不安を打ち消すように俺は追撃を次々と繰り出そうとしていた。

 まずは、両腕で空間圧縮して出来た歪みのを投げつけた。
 次に、【魅惑の吐息】という技を繰り出す。
 これは、敵を一時的に操る事が出来るというもので、俺はそれを欠片の【ルビー】、【サファイア】、【エメラルド】、【パール】、【ダイヤモンド】に吹きかけ、一時的に、味方にさせて攻撃させた。
 欠片達の攻撃は次々と姿形を変えて攻撃してくるというものだった。
 さすが、【ジュエリーナ】の欠片だけあって、圧倒的な戦闘能力だった。
 更に、俺はトルネードキックを連射した。
 これは、足蹴りで竜巻を起こし、相手にぶつけるという技だ。
 また、更に思いつく限りの攻撃を連射した。

 好きな相手にする行為じゃない。
 それは解っていた。
 だが、この機会を逃したら、薄野救出の機会は遠ざかる――

 そう思うからこそ、俺は力の限り攻撃をしかけた。
 しかけて
 しかけて
 しかけまくった。

 これでもかとしかけた後、反撃が来た。

 まず、操っていた、欠片を強制的に戻された。
 そして、次の瞬間、欠片の攻撃で、【MZK】の上半身の分身、【アッパーパートボディーヘア】の半分が蒸発。
 残る半数も時間の問題だった。

 【ジュエリーナ】の光速の攻撃は基本的に俺には見えない。
 だから、どんな攻撃を仕掛けているのは把握できていない。

 攻撃の後から推測すると7種類か8種類の攻撃をしかけているのではないかと思うが、それをいちいち考えている余裕なんて、俺にはない。

 次々と目で追えない攻撃を仕掛けてくる【ジュエリーナ】を前に、俺は次第に、防戦一方になっていった。

 何度も――
 そう――何度も
 俺はやられると思った。

 その度に、自分の何処にそんな力があったんだと思うような底力が出て、何とかかわした。
 そして、さらに、追撃があり、俺はギリギリでかわしていく。

 そんな攻防というより、一方的に攻め込まれる状況が続いていた。
 ギャラリーはそんな俺達の戦いを見て興奮していたみたいだ。

 ……興奮していた?

 俺は、ギャラリーを気にする余裕があるっていうのか?

 ギャラリー達の目には俺は防戦一方では無く、俺も攻撃を仕掛けているように映っているようだ。
 いや、実際に俺も攻撃を仕掛けている?
 ばかな……自分でも解らない……
 なんでここまで戦えるんだ?

 そう、思った時、躓いて転んでしまった。
 余計な考えに気を取られたからだ。

 すぐそこに【ジュエリーナ】が欠片と共に迫ってきた。
 俺は追い詰められたと感じた。

 ダメだ……
 もう、やられる。

 いやだ、
 やられたくない……

 そう思った俺は……
「薄野、俺だ!中洲だ!目を醒ましてくれ」
 と叫んでいた。

 その時、一瞬、【ジュエリーナ】の動きが止まり、
「……な……かす……君?……」

 【ジュエリーナ】は、いや、薄野は確かにそう言った。
 俺はてっきり、彼女の意識は無いものと思いこんでいた。
 彼女の意識を取り戻すには倒すしかない……
 そう、勝手に決めつけていた。

 だが、咄嗟に出たこの一言が俺にチャンスをくれた。
 偶然、カウンターを放つ結果となり、【ジュエリーナ】に大ダメージを与えた。
 勢いよく突っ込んできて急に止まった分、彼女に与えたダメージは大きかった。

 そして、タイムアップのブザーがなる。

 結果、俺の【MZK】がそれまで受けていたダメージと薄野の【ジュエリーナ】がカウンターとして受けたダメージは全くの互角。
 つまり、ドロー、引き分けと言う判定になった。

 俺と薄野の戦いは歴史に残る名勝負として、記録される事になったんだ。

 だが、俺にとっては全く嬉しくない結果となった。

 最悪の事態……俺の【MZK】が負けてしまうという事態こそ免れて、薄野と引き分けたという事で、超特大のボーナスポイントを貰えるらしい。
 それは、それで良いことかも知れないが、勝てなかったという事で、俺は彼女を救い出せなかったし、彼女の方は、【MZK】以外には勝っているという事と【MZK】との名勝負が評価されて、【大ボス】への昇格が確定されてしまった。
 これで、俺が彼女を助けられる可能性が更に低くなってしまった事になる。
 彼女の唯一の中ボスだった【ジュエリーナ】は【大ボス】へと昇格し、他は全て【ラスボス】クラスだ。
 【中ボス】の【ジュエリーナ】にさえ、これだけ苦戦したのに、【大ボス】、【ラスボス】に届くのか?

 俺はそれだけが気になっていた。

 俺の焦燥感を余所に、ギャラリーは俺を英雄視し、薄野の昇格を喜んだ。

 そのまま、【ジュエリーナ】の昇格アニメーションイベントに突入する。

 彼女は糸のようなものに包まれていき、【ジュエリーナ】も五つの欠片もまるで巨大な繭のようになった。
 これは、始めから用意されていたものだったらしい。
 圧倒的な力を持つ、【ジュエリーナ】の大ボス昇格は確実だろう――
 そう思われていて、制作済みだったらしい。
 そして、胎動が始まり、影絵のように【ジュエリーナ】が映し出されては消えるというのを繰り返していった。
 そして、何度かそれが行われた後、しばらくして影は消えて、繭にヒビがはえる。

 ビシビシビシ――

 その音と共に、繭が割れて行く。
 そして、飛びだしたものは少女の様だった【ジュエリーナ】から大人の女性の姿へと変わったキャラクターだった。
 名前も【ジュエリーナ】から【ジュエリット】に変わっている。
 欠片の方は【?】マークが出ていて何も見えない。
 本番までお預けという事だろうか?

 だが、見た目の雰囲気だけでも、【ジュエリット】は【ジュエリーナ】の時とは比較にならないパワーを秘めているのを感じさせた。

 新たなスターボス誕生に観客は今まで聞いたこともない大歓声をあげた。

 反対に、俺は薄野が遠くに行ってしまったという絶望感を感じていた。
 このままでは絶対に届かない。
 どうやっても彼女までたどりつかない。

 その焦りだけが俺を支配した。
 そんな俺にとって、オペレーターの声は希望の光となった。


登場キャラクター紹介

001 中洲 一太(なかす いった)

中洲一太  この物語の主人公。
 瑞希を助けるために、オンラインカジノ、夢命戦(ゆめいくさ)でドリームプレイヤーになることを決意する。

















002 歌舞伎町 達也(かぶきちょう たつや)

歌舞伎町達也 一太の親友で、夢命戦のシステムを作った少年。
 訳あって姿をくらましている。

















003 薄野 瑞希(すすきの みずき)

薄野瑞希 夢命戦(ゆめいくさ)最強のドリームプレイヤー。
 殆どがラスボスとして登録されている。

















004 北新地 早苗(きたしんち さなえ)

北新地早苗  獏喰天副社長秘書。
 親友の瑞希を騙して、ドリームプレイヤーにしたとされているが、実は……

















005 いっちゃん

いっちゃん 一太が最初に作った夢命戦(ゆめいくさ)用のキャラクター(ブレイバー)。
 お笑い芸人になりたいという夢をキャラクター化させている。
 三頭身のお笑いキャラクター。













006 黒帯

黒帯  一太がいっちゃんで最初に戦う事になる敵ブレイバー。
 空手の黒帯をイメージ化させたキャラクターだが、ドリームプレイヤー自身の実力がともなっていないため、素人っぽい。
 攻撃力も大した事がない。














007 クックマン

クックマン 一太がいっちゃんで対戦し、初黒星となる敵ブレイバー。
 コックをイメージ化させたキャラクター(ブレイバー)で、したたかな一面がある。
















008 MZK(エムズィーケー)

MZK  一太の理想の女性像をキャラクター化させたブレイバー。
 どことなく瑞希に似ている。
 名前も瑞希→MIZUKI→MZKとなっている。

















009 おとことおんな

おとことおんな  最初に戦う事になる小ボス。
 おんなが先行して戦うがおとこが本体。
 おんなは鳥もちの用になったりするサポートタイプ。

















010 ジュエリーナ→ジュエリット

ジュエリーナ
ジュエリット  瑞希が操るブレイバー。
 十才くらいの女の子の姿をしているが元は宝石に憧れるという夢の部分をキャラクター化させている。
 ルビー、サファイヤ、エメラルド、パール、ダイヤモンドという原石のような欠片を操る。
 中ボスクラス(ジュエリーナ)だが、扱いは大ボスと同等の扱いを受けていた。
 やがて、戦績が認められ大ボスクラス(ジュエリット)になる。
 姿は大人の女性へと変貌する。










011 ジョーカー

ジョーカー 一太の自分の理想像をキャラクター化したブレイバー。
 切り札という意味でジョーカーと名付けた。
 パワーで言えばMZKと同等の力がある。

















012 ディアプレイ

ディアプレイ 一太のゲームを楽しむという部分をキャラクター化させた白ウサギ型のブレイバー。
 力で言えば、いっちゃんより強く、MZKとジョーカーよりは弱い、中間タイプのブレイバーでもある。
 ブレイブ・ヒーロー制作の為に欠場するMZKとジョーカーの代わりに一太をささえた。














013 ドラゴリエーレ

ドラゴリエーレ  ドラゴン型ブレイブ・ヒーロー。
 名前はドラゴンとゴンドラをあわせたものになっている。
 ブレイバーでは出せない戦闘能力を有する。

















014 風神(ふうか)

風神  風を操る風神型(ふうじんがた)ブレイブ・ヒーロー。
 双子型でもある。
 女の子タイプである。

















015 雷神(らいか)

雷神  雷を操る雷神型(らいじんがた)ブレイブ・ヒーロー。
 双子型でもある。
 女の子タイプである。

















016 一希(かずき)

一希  両性具有の天使型ブレイブ・ヒーロー。
 一太は自分と瑞希の子供という事をイメージして名前をつけた。

















017 ゾディアック

ゾディアック  12星座型の大ボス。
 三つのフラフープに四つずつ、星座の元があり、それにより、12パターンの変身が可能。

















018 歌舞伎町 虎夫(かぶきちょう とらお)

歌舞伎町虎夫 事件の黒幕。
 達也のおじで、彼の会社を乗っ取った悪人。
 傲慢な正確をしている。

















019 億万長者

億万長者  大仏を思わせるラスボス。
 千両箱をたくさんもち、その千両箱で他のブレイバーやブレイブ・ヒーロー、ボスなどを雇って攻撃させる他力本願タイプ。
 金こそ全てと思っている虎夫の野望をキャラクター化させたボスキャラ。










020 超天~(ちょうてんじん)

超天神  二千三百勝したブレイブ・ヒーロー。
 億万長者に雇われたと思われていたが……。

















021 姫帝(ひめみかど)

姫帝  大ボス百四十体倒したブレイブ・ヒーロー。
 億万長者に雇われたと思われていたが……。