第004話


 九 伝説の超越戦士――ブレイブ・ヒーロー――



「おめでとうございます」
 オペレーターが声をかける。
「何がめでたいもんか……」
 俺は全く喜べなかった。
「元気ないですね、何かありましたか?」
「……あったよ、薄野が遠くに行ってしまった。……俺じゃ届かない遠くに……」
「そんな事も無いと思いますが?むしろ近づいたのでは?」
「何でだよ?、唯一の中ボスが大ボスになっちまったんだぞ」
「そうですね。薄野様は大ボスに昇格されました」
「この後、どうしろってんだよ。中ボスん時でさえ、ギリギリ引き分けたのに、これじゃ全く……」
「その引き分けた事が評価されたのですよ、中洲様は」
「評価されたってどうしようもないだろう」
「そんな事はありません。これで、七名目の伝説の超越戦士、ブレイブ・ヒーローを作る権利を得ましたから」
「で、伝説の?」
「はい、中洲様は今まではどんなに御活躍されようとも、立場はブレイバーでした。そして、ブレイバーの力には限度があり、大ボスには挑戦出来てもラスボスには直接の挑戦権はありませんでした」
「そ、そうなのか?」
 俺は戸惑った。
「はい、そうです」
「じゃあ、どうやって?薄野に……」
「はい、ですから、直接の挑戦権を得るために、ブレイブ・ヒーローになる必要があったのです」
「ぶ、ブレイブ・ヒーロー……」
「ブレイブ・ヒーローを作るにはこの夢命戦において、偉業を達成しないといけません。中洲様以外の六名の方では千キャラ斬りを果たした方が三名、大ボスを二十体倒した方が三名となっております。そして、今回、絶対王者とされていた、薄野様と引き分けた中洲様がその権利を得られたという訳です」
「そ、そうなのか……」
 俺は、どう反応したらいいのか解らなかった。
 【MZK】や【ジョーカー】以上の戦士が作れるかも知れない……。
 その事は余りにも現実感が無くて、上手く理解出来なかった。
 俺の想像を完全に超えていたからだ。

 オペレーターの話ではこうだった――

 俺の現在使用出来るブレイバーの内、二体を両親として、その子供となるキャラクターを作る。
 それが、二つの夢の力を使うキャラクター、ブレイブ・ヒーローとなると言うのだ。
 元になるブレイバーが強ければ強いほど、そこで、生まれるブレイブ・ヒーローもまた、強くなるという。
 ブレイブ・ヒーローはブレイバーでは絶対に、到達出来ないくらいのパワーを有するキャラクターとなるという。
 最初は無視していたブレイブ・ヒーローって単語がここに来て初めて意味を持って来た。

 ブレイブ・ヒーローを作る事によって、その両親となる二つのブレイバーは使えなくなる。

 ――が、ブレイブ・ヒーローはやられても俺の夢が壊れる事はない。
 ブレイブ・ヒーローの数が〇になった時、また、両親のブレイバーが使用可能となり、その両親のブレイバーがやられた時、初めて、俺の夢は破壊されるという事になる。
 つまり、これまでのブレイバーを超える力を持つキャラクターを得て、しかも安全に戦えるという事だ。
 しかも、ブレイブ・ヒーローは一体じゃない。
 その両親のキャパシティーが許す限り、何体か作れるらしい。
 これは凄くありがたいことでもある。

 ただし、ブレイブ・ヒーローは【大ボス】以上に対してのみ、使用可能という事らしい。
 【中ボス】戦以下では別のブレイバーを使用して戦うしかないという事でもある。

 それを聞いた時、俺はワクワクが止まらなかった。

 また、薄野を助けるチャンスがある。
 まだ、諦める訳にはいかない。

「ただ、申し訳ありません。薄野様が中洲様と引き分けるのははっきり申し上げて想定外だったもので、ブレイブ・ヒーローへの移行作業にお時間を少々、いただかなければなりません。今までの六名の方の場合は記録でしたので、あらかじめ予想が出来ましたので、ご用意にお手間はかからなかったのですが、中洲様の場合、全く予想していませんでしたので、申し訳ありませんが……」
 オペレーターが申し訳なさそうに言ってきた。
 だが、俺に取っては気持ちの整理をつける為にも多少の時間なら、待てる。
「どのくらい待てば良い?」
「二、三週間ほど、いただけたら……その代わりと言ってはなんですが、中洲様は新たな夢が使用可能ですので、それをご使用するという形ではプレイを続けていただく事ができますが」
「そうだな……そうするか」
「では、両親となるブレイバーを二キャラクター、お選び下さい」
 オペレーターが選択を求めてきた。
 俺は何を両親にするかで悩んだ。
 俺が現在使用可能キャラクターは三体。
 お笑いの夢の【いっちゃん】
 自分の理想像の【ジョーカー】
 理想の女性像の【MZK】
 の三つだ。
 中ボスや大ボスと戦っていく事を考えると【ジョーカー】か【MZK】は残したい所だ。
 だが、それだと、薄野の大部分を占めている【ラスボス】への挑戦を考えればブレイブ・ヒーローはやっぱり最強の形で挑戦させたい。
 となると、やはり、両親として出すのは【ジョーカー】と【MZK】になる。
 だが、この二キャラに比べて【いっちゃん】の戦闘能力は格段に劣る。
 【いっちゃん】だけで、勝ち抜いていく事を考えるとブレイブ・ヒーローが作れるようになるまでの間の戦いは一気に下位レベルまで落ちる事になる。
 俺が悩んでいて答えを出さずにいると、
「では、先に、新たなブレイバーをお作りになりますか?四体に増えた上でお決めになられてはいかがでしょう?」
 とオペレーターが言ってきた。
「……そうだな……で、その新しい夢ってのは何だ?」
「はい、【ゲームを楽しむ】という夢です。潜在能力を測りますと、【ジョーカー】や【MZK】にこそ及びませんが、【いっちゃん】よりは相当高い数値を示していますが?」
 これを聞いた時、やっぱり、俺はこの【夢命戦】を楽しんでいたのか……
 そう思った。

 ゲームを楽しむ夢が消えても薄野の為、俺自身の為、ならまだ、【夢命戦】を続けられる。
 そう判断した。
 よって、当分の間、【ゲームを楽しむ】をキャラクター化させたブレイバーと【いっちゃん】で戦っていって、【ジョーカー】と【MZK】はブレイブ・ヒーローの両親として登録する事に決めた。

 俺は、四体目のブレイバーを作ることにした。

 四体目、【ゲームを楽しむ】夢のブレイバー名は【ディアプレイ】だ。
 【不思議の国のアリス】の白ウサギをイメージしたようなキャラクターだ。
 当分の間、【いっちゃん】と【ディアプレイ】で、勝ち星稼ぎだ。

 幸い、俺の噂はプレイヤー達に広まっていて、絶対王者と引き分けた男として有名になっていて、今は、ブレイブ・ヒーローにする為に、両親として、伝説の立役者、【MZK】とそれと同等の力を持つとされている【ジョーカー】を登録していて、現在は格段に劣るブレイバーしか持っていないという事が広まっていた。
 手柄に飢えた奴らが今が最大の好機と思って、俺に挑戦して来たんだ。
 もっとも、手柄を横からかっさろうとしている奴らの力なんて、たかが知れている。
 そういう奴らは俺にとっては逆にカモだ。
 当然、奴らも俺の事を同じ様に思っているだろうが、俺には戦い方は【MZK】と【ジョーカー】で十分身についている。
 【MZK】や【ジョーカー】を恐れている奴ら等、敵じゃない。

 俺は遠慮無く、次々と勝利をしていった。
 もちろん、圧勝すると、カモ共は去っていくから、毎回、自分で勝手にハンデをつけて、ギリギリの状態で勝っていった。

 その方がボーナスポイントもたくさんもらえるし、俺にとっては一石二鳥で都合が良かった。
 カモ共がそれに気付く頃には俺は【いっちゃん】と【ディアプレイ】だけで、六十八連勝していた。
 レベルが比較的低い相手が多かったので、期待していた程伸びなかったが、それでも、少し前の【いっちゃん】のレベルを思うと、雲泥の差だった。

 対戦相手がなかなか出てこなくなった頃、俺は、小ボスや中ボス、マッチメイクなどを行って行った。
 それで、ポイントも稼ぎ、【いっちゃん】と【ディアプレイ】もなかなかのレベルに上がっていった。
 もう、二キャラ共、通常の中ボスクラスくらいにはそうそう負けないくらいの力を身につけていた。
 そして、俺にとっての待ち状態の三週間というのはあっという間だった。
 気付けば、明日の正午、ブレイブ・ヒーローの制作許可が下りるという所まで来ていた。

 薄野、待ってろ、また、お前の元に行ってやる。

 俺は星にそう誓い、それまでの疲れを癒すが如く、深い眠りについた。
 ブレイブ・ヒーローという希望の光が、俺に安眠をもたらしてくれていた。



 十 大ボス戦観戦



 翌日、俺は、自分のステータスを見て歓喜した。
 ビックリするくらい、色んな項目が跳ね上がっていた。
 一心不乱に今まで、勝って来たが、ここまで強くなっているとは正直、夢にも思っていなかった。
 当然、【大ボス】への挑戦権もあるので、【大ボス】のステージも見れる様になっている。
 が、ブレイブ・ヒーローを作り出す、午後までは【ラスボス】ステージは見ることは出来ない。
 この状態の場合、他のブレイブ・ヒーローの配下という形を取れば、ラスボスステージに入る事は出来るが、俺の場合は午後まで待てば、一人でも【ラスボス】ステージに挑戦する事が出来るようになるって寸法だ。
 俺はワクワクが収まらず、気持ちを落ち着けるのに苦労した。
 そして、このままじゃまともな戦いが出来ないと思って、午前中は観戦モードで見学する事にした。
 見学するのはもちろん、【大ボス】ステージだ。
 まともな奴ではなかなか挑戦する事が出来ない、【大ボス】……
 その力を見ておくのも悪くないと思ったからだ。

 出来れば、薄野の【ジュエリット】を見たいが、彼女がどのステージにいるかは残念ながら解らない。
 だけど、せめて、それと同等の力を持つとされている他の【大ボス】の戦い方を見るのも悪くないと思っていた。

 ――で、俺が選択したステージは【夜空】のステージだ。

 大自然に囲まれたステージだが、実際に強調されるのは夜の空という事になっている。
 その理由は大ボスにあったようだ。
 そのステージの大ボスの名前は【ルナ・ムーン】。
 月、そのものがボスになっている。

 満点の星と共に巨大な月が出ていて、その月に目玉と口と右腕がついている。
 【ルナ・ムーン】はその巨大な腕を伸ばして、すくい取るように、挑戦者達に攻撃を仕掛ける。
 それは、正に
 でかい
 でかすぎる。
 そう感じた。
 巨人でもここまででかくないだろうというスケールの【大ボス】だった。
 そして、目玉が一旦、閉じて、開くともの凄い広範囲にわたって、破壊光線となっている月の光が降り注ぐ。
 大きく空いた口からは、中ボスで言えば欠片に当たる【従属者】と呼ばれる刺客が何体も飛びだして来る。
 中ボス戦に挑んでいた頃の俺がこの戦いを見たら、萎縮するだろうな。

 そう、自己分析する、冷静な自分がいた。
 ブレイブ・ヒーローという未知数の可能性を手にした俺にとっては、いかに【大ボス】であろうと大した恐怖は感じなかった。
 むしろ、武者震いをして、早く戦って見たい……
 そう思うようになっていた。

 対、【ルナ・ムーン】戦は【ルナ・ムーン】の圧勝に終わった。
 挑戦者達は無惨に散っていった。
 が、俺にとってはそう、脅威には感じなかった。

 とは、言え、【いっちゃん】や【ディアプレイ】で挑めば、負けてしまうだろうが、気分的には、俺は、ブレイブ・ヒーローを使っているような気持ちでいた。

 【ルナ・ムーン】戦に物足りなさを感じた俺は、まだ、正午まで時間もあるので、続けて、【大ボス】戦を見ることにした。

 次に見たのは【異空間】ステージだ。
 この時感じたが、やはりBGMは中ボス戦の時よりも迫力のある物を使っているようだ。
 これを聞くと、高揚感が増す。
 これは俺の素直な感想だった。

 大ボスの名前は【ジャック・イン・ザ・ボックス】……要するにびっくり箱だ。
 箱が空く度に、ビックリする様な物が出てくるというタイプの大ボスで、欠片……じゃなかった、【従属者】だったな、これも同じびっくり箱になる。
 色分けがされていて、【従属者】が赤、青、黄色の三色のどれか、【ジャック・イン・ザ・ボックス】が黒と金色のストライプ柄の箱になっている。

 箱の中から何が飛び出すか解らないという意味では、ギャラリーの目を楽しませる面白いキャラクターだと言えた。
 が、相手プレイヤーにとってはえげつない攻撃が何処から飛び出すか解らない厄介な敵に映った。
 この戦いも【大ボス】側の圧勝だった。
 だが、もはや、【大ボス】戦も俺をビビらせるには至らない。
 楽しそうな余興にしか映らなかった。

 続けて見たのは――

 【野鳥の群れ】ステージ。
 【大ボス】の名前は【エア】だ。
 これは、ステージ事態に憑依して自然現象として攻撃してくるというタイプのキャラクターだった。

 その次に見たのは
 【巨人の城】ステージ。
 【大ボス】の名前は【キング・ポルターガイスト】だ。
 これも【エア】と似たようなタイプのボスだった。
 夢を元にしている以上、ネタがカブる事もあるんだなと思った。

 午前中最後に見たのは
 【漫画】ステージ。
 雑誌に掲載されている漫画の中を渡りながら戦っていくっていう面白いステージだった。
 ボスの名前は【バグベア】ではなく【バクベア】……どうやら獏を元にしたキャラクターらしかった。
 物語を食べてその中で使われている能力を使っていくというタイプのキャラクターだった。

 こうして、【大ボス】戦を見て回ったが、面白い見せ物だったな、くらいにしか感じなくなっていた。
 俺の感覚も相当麻痺しているのかもしれない。



十一 俺のブレイブ・ヒーロー



 少し退屈だった、【大ボス】戦の観戦での時間つぶしも終わり、俺はいよいよ、ブレイブ・ヒーローの作成の許可申請を受ける事が出来る時間を迎えた。

 善は急げだ。
 俺は早速、オペレーターに連絡を取った。
 理由はもちろん、ブレイブ・ヒーローを生み出すためだ。
「オペレーターさん、いつも悪いな」
「いえ、お仕事ですから」
「じゃあ頼む。今の俺に可能なだけブレイブ・ヒーローが欲しい」
「わかりました。現在ですと三体分のストックがあるようです」
「三体分全部作りたい」
「わかりました。ですが、一度に作る事は出来ません。ブレイブ・ヒーローの作成は一日に一体までとされています。三体全て、誕生させるには三日かかりますがよろしいですか?」
「わかった。頼む」
「はい。かしこまりました。では早速作業に移ります。では、誕生の順番をお決め下さい」
「順番はどれでも良い。作りやすい順番に作ってくれ」
「わかりました。では、この様な順番になります。最初の一日目では龍人タイプのブレイブ・ヒーローが誕生します。次の二日目では双子の姉妹タイプのブレイブ・ヒーローが誕生します……」
「双子?」
「はい、二体で一体となります。一心同体タイプのブレイブ・ヒーローですね」
「そ、そんなのもあるのか?」
「はいございます。そして、最後の三日目に両性具有の天使タイプのブレイブ・ヒーローが誕生します」
「天使……」
「以上のスケジュールで制作いたしますので、お名前を決めて下さい。もちろん、双子の姉妹タイプには二つ、お名前が必要です」
「わ、解った。出来た時までに考えておく」
「では作業に移りますので失礼します」
「あぁ、ありがとう」
「通信を切ります」
「……三日か」
 俺は三日間、名前を考える事にした。
 考えて見れば、自分の理想像と理想の女性像の間の子供という設定になっているんだ。
 俺と薄野の子供と言えなくもない。
 そう思うと、真剣に考えなくては。
 そう思うのだった。

 俺はまるで、子供が産まれるのに立ち会うかのように、作成過程のブレイブ・ヒーローが作られて行く工程に付き合って、それでイメージした名前をつける事にした。

 一体目の男性型ブレイブ・ヒーローは龍の要素も持つ【龍人】だ。
 色々、ドラゴンの名前を探したが、ピンとくる名前には当たらなかった。
 だが、俺はふいに、ドラゴンとイタリアの手漕ぎボート、ゴンドラが同じ言葉のアナグラムだという事に気付いた。
 それから、俺はネットでゴンドラの事を調べ、船頭の事をゴンドリエーレという事を知った。
 そこからイメージした名前が【ドラゴリエーレ】だった。
 他の奴が聞いたら何だその付け方はと言われるかも知れないが、俺のイメージでは、その名前になった。

 二体目は双子の姉妹だ。
 つまり、二つ名前をつけなくてはいけない。
 最初は女性芸能人で双子のタレントから名前を貰おうかと思ったが、それだと苦労して名付けた【ドラゴリエーレ】に比べて安直過ぎると思った。
 だから、双子に関するものを俺はやっぱり探しまわった。
 色々――本当に色々探し回ったけど、候補が見つからなくて雑誌を見たとき、【風神雷神展】という広告を見た。
 それを見たとき、本当は女の子につける名前じゃないかも知れないが、【風神】と書いて【ふうか】、雷神と書いて【らいか】とした。
 後で、風と雷の属性を持たせなくてはとも思った。

 三体目は両性具有の天使タイプだった。
 これについては迷わなかった。
 両性具有という事は男でも女でもあるってことだ。
 つまり、男と女の丁度半分って事だ。
 だから、この三体目にその名前をつけることに決めていた。
 その名前は【一希(かずき)】だ。
 俺の……中洲 一太の【一】と薄野の……薄野 瑞希の【希】を合わせて作った名前だ。
 本当に子供が出来たらこうするのかも知れないな……
 そう思ってつけた名前だ。
 俺と薄野の天使、それが【一希】だ。

 【ドラゴリエーレ】、【風神】&【雷神】、【一希】――俺達の子供が産まれた。
 待ってろ、薄野、すぐに助けてやる。

 【一希】が出来た翌日――

 俺は、【大ボス】に挑むことにした。

 選んだステージは【土星の輪】だ。
 初めての対、【大ボス】戦だ。
 観戦モードでは挑戦者達が負ける所しか見ていない。

 だが、俺は負ける気がしない。
 俺の子供、ブレイブ・ヒーロー達と一緒に戦って勝ってやる。
 俺は、【ドラゴリエーレ】を使用して、土星のリングの上で敵を待ちかまえる。

 そして、穏やかな音色から一転、緊張感のあるBGMに変わる。
 大ボスが現れる合図だ。
 俺はここの大ボスを知らない。
 だが、どんなのが現れようと必ず勝ってやる。

 遠くにあった光が一つ、近づいて来るのがわかる。
 そいつが大ボスなのだろう。
 肉眼でもそいつの姿が確認出来るようになった頃、大ボスの名前がキャラクターの上部に表示された。
 【ゾディアック】?
 アメリカじゃゾディアック事件ってのがあったって聞いた事があるけど、それとは違うようだ。
 見た目から察すると黄道十二宮の方を指すようだ。
 何の特徴もないのっぺら坊みたいな男に三つのフラフープのようなものがついている。
 そのフラフープには四つずつ飾りがついていて、それが、十二星座の形の飾りになっているからだ。

 【従属者】は他の星座を具現化させたものらしい事は予想がついた。
 そして、予想通り、その通りだった。

 俺の方はパーティーを組む事を許されている。
 ブレイバー、つまり、他のプレイヤーに声をかけて、部下として参加してもらうことが出来るんだ。
 だけど、悪いな、俺は仲間を使うってガラじゃない。
 一人で挑戦させてもらう。
 これは薄野を助け出したいっていう俺の戦いなんだ。
 他の人間は関係ない。

 【ゾディアック】と【ドラゴリエーレ】の戦いが始まった。

 【ゾディアック】のフラフープが回転して、飾りの一つが光ったと思ったら、獅子の姿を取った。
 恐らく、十二星座のどれかに変身出来るってタイプの大ボスだろう。

 その事は形状を見たとき、予想してた。
 だから、驚くこともなかった。
 あの中に、双子座もあったから、俺の【風神】【雷神】と双子対決でもさせたかったって気持ちも少しはあったが、今は勝利にこだわりたい。
 早々変身なんてさせねぇよ。

 大ボス相手にも全く引けを取らない【ドラゴリエーレ】は終始相手を圧倒した。
 相手も俺を攪乱させようと変身を繰り返そうとしていたが、変身するって事はその度に隙を作るってことでもある。
 獅子座→天秤座→水瓶座→牡羊座と変身する度に大ダメージを与えて行って、最後の蠍座でトドメをささせてもらった。

 悪いが、十二星座全ての変身を見ている暇なんてない。
 変身に気を取られているから【従属者】達もろくに扱えていなかった。
 俺は余裕で勝った。

 正直、【ドラゴリエーレ】の力の一旦も見せられずに不満足な勝負だった。
 どうせなら、激闘を制したかった。
 それは、薄野を助けた後でも出来る。
 今は、勝利にこだわるんだ。
 楽しんでいる余裕はない。
 こうしている間も、薄野はどんどん力をつけていって、俺との距離を広げているかも知れないんだ。



 十二 真実そして黒幕



 俺が二戦目の相手を探している時、ある大ボスプレイヤーから果たし状メールが届いた。
 こんな事は珍しいと思った。
 普通、ボス側の方から挑戦者に挑戦して来ることなどない。
 いつだって、ボス側は挑戦される側なのだから。

 だが、この大ボスプレイヤーは挑戦してきた。
 よっぽど腕に自信があるのか?
 上等だ。
 受けてやる。

 俺はそう思って、挑戦を受ける返事をした。
 オペレーターに詳しい話を聞こうと思ったが、忙しいのか、応答はなかった。
 まぁ、良い。
 ここは通過点だ。
 薄野を助けるためにこの戦いも勝ってやる。

 大ボスプレイヤーが指定したエリアは――
 【霧】のステージだ。
 謎の大ボスに姿がよく確認出来ないステージだ。
 謎とは言っても、メールでどんな大ボスかは知らせて来ていたから予想は大体、ついていたけどな。

 大ボスの名前は【ファミリア】という劇団型のキャラクターらしい。
 なんでも、毎回、劇となる作品の配役を決めて、【従属者】達を変装させ、大ボスは【主人公】や【ヒロイン】をやることが多いらしい。

 劇って事は人に見てもらうもんだろ。
 それが、霧の中でどうするってんだ?

 俺は、このエリアに【風神】と【雷神】を投入した。
 【風神】の方は風の属性を持たせてある。
 こんな霧、吹き飛ばしてやる。

 そんな事を思いながら、仕合が始まった。
 早速、【風神】の風で霧を吹き飛ばす。
 一瞬、霧がはれて敵の姿がチラッと見えた。

 オオカミ――一、
 ピノキオ――二、
 白鳥――一、
 トナカイ――三、
 人魚――六、
 馬――三、
 牛、いや、ミノタウロス――一、
 猫――二、
 カラス――八、
 人――三、
 ……なんだ?何なんだ?さっぱりわからん。

 確認した中で思いつく話が見つからなかった。
 一体、何の劇だ?
 全くわからん。

 霧は再び、辺りを霞ませる。

 嘘つかれたのか?
 まぁ、敵を騙して戦いを有利にとも言えなくもないが、説明じゃ、団員となる【従属者】の息があって初めて強さを示すタイプのボスだって言っていたのに、それも嘘なのか?

 俺は、訳もわからず、【雷神】の雷を一斉放射する。

 霧の中でよくは解らなかったが、いくつか手応えがあった。
 【従属者】を何体かやったはずだ。

 そして、勢いに乗って、俺は追撃した。
 次々と【従属者】達が倒れる音がする。

 変だ?
 何故、攻撃して来ない?
 そもそも、向こうから挑戦をしかけて来たはず。
 なのに何故?
 罠なのか?

 俺は腑に落ちない気持ちを振り切って、双子の合体技、【サンダートルネード】を放った。
 これは竜巻に雷属性を持たせて放つという大技だ。

 威力は一撃で大ボスにトドメをさせる程のものだ。

 そして、それは【ファミリア】本体を捕らえた。
 【サンダートルネード】に貫かれる【ファミリア】。
 その【ファミリア】は何かを捕まえていた。
 俺の技は、【ファミリア】毎、その何かをも貫いていた。

 何だ?
 【ファミリア】は霧の中で何をしていたんだ。
 俺のステータスを見ると、【ミラクルボーナス】を得ましたとある。
 状況が読めん。
 何があったんだ?

 俺は、倒れている【ファミリア】の元に駆け寄った。

「……!、あ、あんた、オペレーターさん……」
 俺は絶句した。
 【ファミリア】の正体がオペレーターだったからだ。
「バレちゃいましたね……」
「な、なんで、また……」
「く、黒幕が貴方を狙っています。その前に、このミラクルボーナスをお渡ししたかった。お願い、親友を、瑞希を助けられるのは貴方だけなの」
「お、お前、北新地か?北新地なのか?」
 俺は二重に驚いた。
 【ファミリア】の正体がオペレーターだという事に驚き、なおかつ、そのオペレーターが北新地早苗だという事にも驚いた。

 そして、彼女の話から、俺はずっと勘違いをしていた事を知った。
 俺はずっと、獏喰天は北新地親娘にのっとられたと思っていた。
 だから、彼女の事も憎んでいた。
 薄野を貶めたと思っていたからだ。

 だが、真実は違っていた。
 黒幕は別にいたのだ。
 北新地親娘は黒幕にのっとられる前に株を買い占め最悪の事態を回避していたのだ。
が、黒幕の方も株を同じだけ買い占めていて、会社は勢力を二分する事になっていた。
 さらに黒幕は幹部を抱き込み勢力を伸ばしていた。
 仲間のふりをして黒幕を上手く制御していたが、それも限界だった。
 そこで、北新地親娘は賭けにでた。
 親娘と黒幕、会社の経営権をかけて、夢命戦で勝負するという事になったらしい。

 ――が、残念ながら、父親の方は強いキャラクターを作れなくて、娘の早苗の方もキャラクターは大ボスクラスまでがやっとだった。
 対して、黒幕はその野望の大きさから、【ラスボス】クラスの力を手にしていた。
 勝敗は火を見るよりも明らかだ。
 【大ボス】じゃ【ラスボス】には勝てない。

 だから、北新地は俺をブレイブ・ヒーローとして鍛える必要があったんだ。
 これは勝ちたいという気持ちが絶対に必要だった。
 だから、彼女は常に俺に対して憎まれ口をたたいていたんだ。
 自分の本心を押し殺して。

 バカだ、俺は。
 何も知らないで、ただ、単純にムカついて、彼女に悪意を持って接していた。
 情けねえ。

 結果、北新地は自分の夢を一つ犠牲にしてしまった。
 すまないという気持ちで俺はいっぱいになった。
 人の夢を壊すという事の怖さをその時になって俺は初めて理解出来た。
 俺はたくさんの人の夢を壊して来たんだ。
 何て、罪深い行為だろうか。
 そして、黒幕への怒りが俺の顔を歪ませていた。

 北新地から聞いた黒幕の名前は【歌舞伎町御 虎夫(かぶきちょう とらお)】、両親を早くに亡くしていた達也の親代わりとなっていた伯父だった。
 達也は親族の犯行という事もあって、姿を消さざるを得なかったんだ。
 歌舞伎町虎夫、許せん。



 十三 最終決戦



 歌舞伎町虎夫(以下虎夫と言う)は自分の夢(野望)に絶対の自信を持っていた。
 自分が最強だと自負していた。
 薄野も持ち上げておいて、自分で倒す。
 そんなつもりでいた。

 そんな中、目の上のたんこぶとなる者が現れた。
 それが、俺だ。
 奴の予想に反して、俺はどんどん強くなり、そして、ついにブレイブ・ヒーローを作るにまでいたった。

 焦った奴は俺が、北新地親娘側の代表だと知ると、俺の力が確定する前に潰しておこうと俺に果たし状を送ろうとしていた。
 それを察知した、北新地が先に、果たし状を送り、俺にミラクル・ボーナスを授ける為に自らの夢を犠牲にした。
 結果、俺はミラクル・ボーナスを貰ったが、気持ちは晴れない。
 もう、薄野と戦う必要はない。
 虎夫を倒して、終わらせてやる。

「お前が達也の友達ってやつか、達也は――USBは何処にある?」
 傲岸不遜な態度で虎夫が俺を見下す。
「ブラックボックスUSBなら俺に勝ったら渡してやる。だけど、俺はお前を許さねぇ。叩き潰してやる」
 俺はやっと倒すべき相手を見つけた気分だった。
「ふん、まあいい。力の差を教えてやる。私の【億万長者】は無敵だ。誰にも負けん」
「言ってろ、お前の野望もここまでだ」
「目上の人間に対する礼儀のなってない若造にやられるか、ひねり潰してやる」
「礼儀知らずのてめぇに言われたくねぇよ」
「クソガキが」
「そのクソガキにムキになってる小物が」
「………」
 虎夫は黙る。
 憎々しげに俺をにらみつける。
 舌戦は全然負けてねえ。
 だが、本番はこれからだ。

 俺は、ミラクル・ボーナスを装備して【一希】で戦う事にした。
 虎夫の指定したファイナルステージは【銀河】だ。
 ラスボスはさっき奴が自慢げに口走った【億万長者】だ。

 全身金ぴかの大仏を思わせるフォルムだ。
 所々に千両箱のようなものが置いてあり、中から大判小判や宝石、世界中の紙幣なんかがはみ出している。
 はっきり言って趣味の悪いデザインだ。
 成金趣味と言った方が良いのだろうか?

 こんな奴が最強とされている【ラスボス】クラスなのか?と思う程の出来だった。

 こんな奴に俺の【一希】が負けるとは思えない。

「中洲君、気をつけてくれ」
 オペレーターだった娘の代わりに北新地副社長がオペレートしてくれた。
「……すみません。俺、娘さんを……」
「……気にしないでくれ。私も娘もそれは覚悟の上だった。だからこそ、あの男の野望を食い止めて欲しい。どうか、あの男の暴走を止めてくれ」
「はい、大丈夫ですよ、あんなカス野郎に負けるとは思えない」
 俺は自信たっぷりに言った。
「【億万長者】の戦闘能力は確かに今の君より低い。だが、あれの恐ろしさは大人の汚さにある」
「?それは、どういう意味ですか?」
「それは……」
 俺の質問に北新地副社長が答える前に、通信を強制的に切られた。
 やったのは虎夫だ。

「おっと、おしゃべりはそこまでだ。副社長に聞かなくとも私がそれを教えてやろう。さあ、この【億万長者】の恐ろしさを思い知るがいい」
 そう言うと虎夫は持っていた千両箱の一つをばらまいた。

「なんの真似だ?」
「ふはははは、まずは、はした金で動く虫けら共からだ。さあ集まれブレイバー共!」
 【億万長者】のばらまいた金を巡って、どこから現れたのか、たくさんのブレイバー達が現れ我先と金をかき集める。
「………」
「はははぁ〜これが、大人の財力って力だ。働いてない小僧には出したくても出せない力だろぅ?どうだ、欲しいか、やらないぞ。貴様なんぞにはな」
「いらねぇよ。つまり、てめぇの力は他人のふんどしで相撲を取る……それだけか?」
「金ってのはこうやって使うんだよ。どうだ、うらやましいか」
「てめぇが見せかけだけの本当のカスだって事が解って呆れてたんだよ。他人の力を借りないと何も出来ねぇみてえだな」
「何とでも言え。金こそ全てだ。それ以外の力は認めない。愛も友情も金で買える」
「……哀れというか、救いようのねぇバカだなお前は」
「強がっているのも今の内だ。やれ、なぶり殺しにしてやれ」
 虎夫が合図したのと同時に、金に群がった亡者ブレイバー達が一斉に攻撃を仕掛ける。
 その数、約一千。

 だが――

 【一希】は天使の翼――光の翼を羽ばたかせた。

 一瞬――

 辺りが明るくなりすぎて何も見えなくなり、目が慣れた頃には放たれていた光の羽根一つ一つが槍となって、全てのブレイバー達の胸を刺し貫いていた。

「な、……何をした?」
 虎夫が叫ぶ。
 声から動揺が伝わる。
「大した事はしてねぇよ。ただ、倒しただけだ」
「ふ、ふざけるな。なら、これならどうだ」
 千両箱を十二、三箱投げつけた。
 それに群がって、大、中、小ボス達が群がって来た。

 ブレイバー達を雇ったように、ボス達も雇ったという事だろう。
 想像ついていたので、全然、驚かなかった。

 小ボスが、五百、中ボスが百二十、大ボスが七十九体とパラメーターに出ていた。
 ――だが、同じ事だ。

 もう一度、光の翼を羽ばたかせる。
 同じ事が起きて、ボス達の胸を残らず、光の槍が刺し貫いていた。

 俺が装備してきたものは北新地が身をもって授けてくれたミラクル・ボーナスだ。
 今回は【一希】用にカスタマイズしてあって、それは【エンジェル・ハイロゥ・ギフト】だ。
 元々、一つだった天使の輪が今回は三つになっていた。
 一つは【一希】の標準装備、残る二つは【一希】に危機が迫った時に起きる危機回避の最強装備だ。
 使い捨てタイプだから、奇跡を起こしてしまうと一つずつ消えてしまうが、二回とも俺の危機を助けてくれた。
 薄汚い手を使ってくる奴に対しての最高のカウンターになると思って用意してくれた大切なアイテムだ。
 ありがとう、北新地。
 助かったよ。
 本当に。

 【エンジェル・ハイロゥ・ギフト】も無くなったし、これからが本当の戦いだ。
 俺は、【億万長者】に向かって行った。

「……ふ……ふはは、切り札ってのは最後に持ってくるもんなんだよぉ、いでよ、最強のロイヤルガード達」
 【億万長者】が残りの千両箱を全てばらまいた。

 すると、それらは一瞬にして消えて、代わりに二つの影が現れた。
 何だ、こいつらは?

「紹介しよう、こいつらはお前と同じブレイブ・ヒーローだ。二千三百勝した【超天神(ちょうてんじん)】と大ボスを百四十体倒した【姫帝(ひめみかど)】だ。なりたてのお前なんぞとは戦闘力は比較にならんわ。わーはは……は?……」
「………おい……」
 ブレイブ・ヒーロー二体を呼び出していい気になっていた【億万長者】のボディーを背後から刺し貫く一撃があった。
 それも【超天~】だった。
 それと同時に、最初に出ていた方の【超天~】が消える。
 恐らく【姫帝】が持っていた鏡で見せていたデコイだったのだろう。
「終わりだ、歌舞伎町虎夫、お前はやり過ぎた。マルサが入る。お前の野望もここまでだ」
「こんな男、貴方が手を下す必要はないわ、中洲一太さん。【夢命戦】は生まれ変わる。だから、あなた方が作ったこの素晴らしい世界を嫌いにならないで」
「あ、あんた達、そいつとグルじゃなかったのか?」
「ブレイブ・ヒーローは勇者だぞ、勇者が悪と連んでどうする?」
「そうそう、勇者が悪に染まったらおしまいよ。私達はこの愚か者がしっぽを出すのをじっと待っていただけ。これでも勇者を襲名してるんだからね」
「は、はは……」
 俺はどっと力が抜けた。

 悪党の最後なんてこんなものなのかと思ってしまった。
 自分で倒せなかったのは残念だったけど、何にしても虎夫は敗れ、俺は勝った。
 勝ったんだ。

「ぃやったぁ〜」
 俺は思わず叫んだ。

 ついに、俺は、薄野を――薄野瑞希を助ける事が出来るのかと思ったら、涙がホロッと出てきた。
 嬉しかったからだ。
 こんな時くらい、泣いてもいいよな、薄野――



 エピローグ そして



 歌舞伎町虎夫は横領や脅迫などの数々の容疑で警察に捕まった。
 それにより、オンラインギャンブル【夢命戦】も見直される事になった。
 夢のスキャニングという事は変わらないが、夢を剥奪されるという事はなくなり、純粋に夢の強さを競うものへと生まれ変わった。
 もちろん、ギャンブルとしての部分も禁止された。
 だけど、まだ、隠れてやっている奴らがいるらしく、それの取り締まりも強化されていくらしい。

 達也の方から連絡もあった。
 今、ヨーロッパを回っているらしい。
 戻ってきたら、【夢命戦】のバージョンアップをするつもりらしいが、今は見識を深める為に旅をしているんだそうだ。

 北新地親娘は情状酌量が認められて虎夫に荷担していた罪は軽減されていて軽いお咎めがあった程度で済んだらしい。

 そして、薄野は無事、保護され、今、病院で少しずつ回復に向かっているらしい。
 彼女と面会出来るのもそう遠くない。
 退院したら、何て言おう。
 告白でもするかな?

 なんてな。

 俺は完全に薄野を助けた訳じゃない。
 彼女の勇者になるのはまだ先かな。

 さて、健全になった、【夢命戦】、一プレイしてみますか。

                                        完


登場キャラクター紹介

001 中洲 一太(なかす いった)

中洲一太  この物語の主人公。
 瑞希を助けるために、オンラインカジノ、夢命戦(ゆめいくさ)でドリームプレイヤーになることを決意する。

















002 歌舞伎町 達也(かぶきちょう たつや)

歌舞伎町達也 一太の親友で、夢命戦のシステムを作った少年。
 訳あって姿をくらましている。

















003 薄野 瑞希(すすきの みずき)

薄野瑞希 夢命戦(ゆめいくさ)最強のドリームプレイヤー。
 殆どがラスボスとして登録されている。

















004 北新地 早苗(きたしんち さなえ)

北新地早苗  獏喰天副社長秘書。
 親友の瑞希を騙して、ドリームプレイヤーにしたとされているが、実は……

















005 いっちゃん

いっちゃん 一太が最初に作った夢命戦(ゆめいくさ)用のキャラクター(ブレイバー)。
 お笑い芸人になりたいという夢をキャラクター化させている。
 三頭身のお笑いキャラクター。













006 黒帯

黒帯  一太がいっちゃんで最初に戦う事になる敵ブレイバー。
 空手の黒帯をイメージ化させたキャラクターだが、ドリームプレイヤー自身の実力がともなっていないため、素人っぽい。
 攻撃力も大した事がない。














007 クックマン

クックマン 一太がいっちゃんで対戦し、初黒星となる敵ブレイバー。
 コックをイメージ化させたキャラクター(ブレイバー)で、したたかな一面がある。
















008 MZK(エムズィーケー)

MZK  一太の理想の女性像をキャラクター化させたブレイバー。
 どことなく瑞希に似ている。
 名前も瑞希→MIZUKI→MZKとなっている。

















009 おとことおんな

おとことおんな  最初に戦う事になる小ボス。
 おんなが先行して戦うがおとこが本体。
 おんなは鳥もちの用になったりするサポートタイプ。

















010 ジュエリーナ→ジュエリット

ジュエリーナ
ジュエリット  瑞希が操るブレイバー。
 十才くらいの女の子の姿をしているが元は宝石に憧れるという夢の部分をキャラクター化させている。
 ルビー、サファイヤ、エメラルド、パール、ダイヤモンドという原石のような欠片を操る。
 中ボスクラス(ジュエリーナ)だが、扱いは大ボスと同等の扱いを受けていた。
 やがて、戦績が認められ大ボスクラス(ジュエリット)になる。
 姿は大人の女性へと変貌する。










011 ジョーカー

ジョーカー 一太の自分の理想像をキャラクター化したブレイバー。
 切り札という意味でジョーカーと名付けた。
 パワーで言えばMZKと同等の力がある。

















012 ディアプレイ

ディアプレイ 一太のゲームを楽しむという部分をキャラクター化させた白ウサギ型のブレイバー。
 力で言えば、いっちゃんより強く、MZKとジョーカーよりは弱い、中間タイプのブレイバーでもある。
 ブレイブ・ヒーロー制作の為に欠場するMZKとジョーカーの代わりに一太をささえた。














013 ドラゴリエーレ

ドラゴリエーレ  ドラゴン型ブレイブ・ヒーロー。
 名前はドラゴンとゴンドラをあわせたものになっている。
 ブレイバーでは出せない戦闘能力を有する。

















014 風神(ふうか)

風神  風を操る風神型(ふうじんがた)ブレイブ・ヒーロー。
 双子型でもある。
 女の子タイプである。

















015 雷神(らいか)

雷神  雷を操る雷神型(らいじんがた)ブレイブ・ヒーロー。
 双子型でもある。
 女の子タイプである。

















016 一希(かずき)

一希  両性具有の天使型ブレイブ・ヒーロー。
 一太は自分と瑞希の子供という事をイメージして名前をつけた。

















017 ゾディアック

ゾディアック  12星座型の大ボス。
 三つのフラフープに四つずつ、星座の元があり、それにより、12パターンの変身が可能。

















018 歌舞伎町 虎夫(かぶきちょう とらお)

歌舞伎町虎夫 事件の黒幕。
 達也のおじで、彼の会社を乗っ取った悪人。
 傲慢な正確をしている。

















019 億万長者

億万長者  大仏を思わせるラスボス。
 千両箱をたくさんもち、その千両箱で他のブレイバーやブレイブ・ヒーロー、ボスなどを雇って攻撃させる他力本願タイプ。
 金こそ全てと思っている虎夫の野望をキャラクター化させたボスキャラ。










020 超天~(ちょうてんじん)

超天神  二千三百勝したブレイブ・ヒーロー。
 億万長者に雇われたと思われていたが……。

















021 姫帝(ひめみかど)

姫帝  大ボス百四十体倒したブレイブ・ヒーロー。
 億万長者に雇われたと思われていたが……。