結004話

01 おるおさんは喜んでいます
「それにしても見事な対決じゃった。
楽しませてもらったわ」
オルオティーナ様――おるおさんは喜んでいます。
先日の【稀生 踊詩(きにゅう ようし)】君と【ティラリン(偽名)】さんとの【鑑定対決】が素晴らしかったからです。
勝負は【ティラリン】さんの勝利で終わりましたが、彼女の希望で、【世界混宇宙連(せかいこんうちゅうれん)】の副主任創作者(ふくしゅにんそうさくしゃ)に収まりました。
主任創作者は負けたはずの【踊詩】君となりました。
【ティラリン】さんは【踊詩】君に恩があり、それで大役を譲ってくれたのです。
おるおさんは【ティラリン】さんが、【ニズ・クォトヌァール】ちゃんの第4次女――姉である【ニヌ・クォトヌァール】であるという事を知らされておりません。
【ニズ】ちゃんの姉は現在、第3姉妹が審査中であり、第4姉妹である彼女は姿を現すことが出来ないのです。
【ニズ】ちゃんとは4種類の姉妹の【妹】となる【永遠の妹】とされる存在の事をさします。
ちなみに【ニズ】ちゃんは7つの【世界混宇宙連】の創作をお願いすることになっています。
そんな【ニズ】ちゃんの関係者である【ニヌ】さんは人前で【正体】をさらす訳にはいきません。
そこで、【踊詩】君はレベル3の【答えの力】を使って彼女に仮の体と偽名を提供したのです。
【ティラリン】改め、【ニヌ】さんとしても【正体】を知らせる訳にはいきませんので、責任者の長である主任創作者になるよりは、副主任創作者になった方が適任なのです。
という感じに話はまとまったのです。
喜ぶべき事はそこだけではありません。
【クアンスティータ様の後継者様】となるのは3種類の候補がいるとされています。
最も有力視されているのがクエニーデ様――にーでちゃんが該当する【クアンスティータの子?】です。
それ以外にも2種類存在し、それが、【成り上がるクアンスティータ】と【天下るクアンスティータ】と呼ばれる候補者様になります。
【成り上がるクアンスティータ】候補には【トゥルフォーナ】と言うクアンスティータになる【エクシトゥス】という少女が居て、この方にはおるおさんは既に面会しています。
残った【天下るクアンスティータ】候補には4つの存在が居るとされていて、それが、
【リクビア】様、
【クモオード】様、
【ビウクーエ】様、
そして、【クアトゥウス】様となっております。
今回はその中(【天下るクアンスティータ】の中)から最も【クアンスティータ様の後継者様】に近いとされている【クアトゥウス】様とお話が出来ると言う事で、おるおさんは少々、浮かれているのです。
【クアトゥウス】様と言えば、にーでちゃんと双璧を為す、【クアンスティータ様の後継者様】に最も近いとされる存在です。
13の【世界混宇宙連】もにーでちゃんと【クアトゥウス】様のどちらにお願いすれば良いのか迷っていたのですが、どうやら、【クアトゥウス】様サイドから【是非、【にーでちゃん】にお願いしますの〜】という打診(だしん)があったので、にーでちゃんになったのです。
どちらかと言えば、連絡のつかない、にーでちゃんより、連絡のつく【クアトゥウス】様にお願いする予定だったのですが、【クアトゥウス様】は、
「絶対に、絶対に、絶対に、ずぇったいに、後継者はにーでちゃん以外ありませんですの〜」
と強く推していたそうですので、にーでちゃんに13の【世界混宇宙連】の事をお任せする事にしたという経緯があるのです。
今回は、にーでちゃんの行方について、【クアトゥウス様】が何となくわかるとの事でしたので、そのお話を聞きに行くと言う事になっています。
基本的に【クアンスティータ様の後継者様】の乳母(うば)であり摂政(せっしょう)でもあるのは、おるおさんの娘であるティーオルオナ様――てぃーおちゃんの役目なのですが、まだ、彼女は実力が追いついていない状態なので、付き添いとして、おるおさんも共について行く事になっているのです。
あぁ……今から会いに行くのが楽しみですね。
02 【クアトゥウス様】の宮殿
おるおさんとてぃーおちゃんは連れだって【天下るクアンスティータ】の最有力候補である【クアトゥウス】様と面会する事になりました。
訪れた場所は超巨大な宮殿となっており、大きな惑星くらいの大きさが宇宙にデンっと建っておりました。
これを【クアトゥウス】様がお作りになられたのだとしたら、創作能力は大したものですね。
少なくとも3バカトリオより創作センスはありそうです。
3バカトリオとは、
先日、【踊詩】君が【ニヌ】さんと戦う前に戦い、圧勝した3人組の事で、
【領総(りょうそう)】候補(【無】をテーマにした世界観構築が得意)、
【触対漢(しょくたいかん)】候補(【食】をテーマにした世界観構築が得意)、
【スドケベェ】候補(【肉欲】をテーマにした世界観構築が得意)という3名を指します。
クアンスティータ様の威光に泥を塗る様な真似ばかりしていたので、粛正しようかと思ったくらいどうしようもない連中です。
まぁ、この連中の話は別に良いですね。
ただ、この連中は大きいだけ(惑星クラス)の作品を作っていたので、同じサイズであれば、この宮殿を見る限り、より細かい作り込みをしている【クアトゥウス様】の方が実力は上だという事がわかります。
3バカトリオを超えたレベル程度でも困りますけどね。
少なくとも【踊詩】君や【ニヌ】さんレベルにまで達していてもらいませんと、【世界混宇宙連】の充実は難しいかなと思っています。
その点、【クアトゥウス様】ならば大丈夫でしょうとおるおさんは思っています。
ですが、その当の【クアトゥウス様】は徹底して、にーでちゃん推しなのです。
何でもにーでちゃんの【お姉ちゃん】になりたいとかで……
まるで、【ニズ・クォトヌァール】ちゃんと彼女のお姉ちゃん達の関係の様ですね。
そんな感じで、にーでちゃんの方がずっと才能があると言って聞かないのです。
会ったことがあるのですか?と聞きますと会ったことは無いですの〜と答えますし、会ったこともない存在の事をそこまで思えるのですか?と聞きたいのですが、【クアンスティータ様の後継者様】となられるお力があるお方です。
会ったこと無いくらいの事で相手の事が知らないという事では無いのでしょう。
会ったことが無くても相手の事を推し量れるのだとしたら、凄い才能です。
それも高い評価となりますね。
そんな期待に胸を膨らませながら、おるおさんとてぃーおちゃんは、【クアトゥウス様】の宮殿に足を踏み入れました。
大きいです。
でっかいですね〜。
惑星サイズですからね。
見てみると銅像の様なものや絵画がたくさん飾っています。
よく見ると、それらは全て、【クアトゥウス様】がにーでちゃんを想像して作ったものの様です。
宮殿の様に見えて、実はオタク部屋の様です。
至る所に想像で作った【にーでちゃんグッズ】であふれかえっているという感じですかね?
全ては【にーでちゃんグッズ】を綺麗に飾るために設計されている配置という事になります。
飾ってあるものを見てみると【クアトゥウス様】の【にーでちゃん愛】が伺われるものばかりです。
まるで国宝の宝物でも飾っているかの様な扱いです。
ネームプレートに【愛するにーでちゃん想像図その3468】などと書かれて居なければ宝の山だと勘違いしたかも知れません。
歴史的価値はゼロでしょうが、飾ってあるものの技術力としては決して【踊詩】君のものに引けを取っていません。
相当な技術を持っているのが見て取れますね。
おるおさんは、
「圧巻とはこのことじゃな……
【クアトゥウス様】の【クエニーデ様】に対する愛で満ちておる……」
とつぶやくと、
「そうですの〜。
わかりますの〜?」
という声がしました。
どうやら【クアトゥウス様】の様です。
てぃーおちゃんは、
「お、お初にお目にかかります。
わ、私、ティーオルオナはあなた様の乳母兼摂政を任されています」
と言う挨拶をした。
おるおさんも、
「オルオティーナです。
ティーオルオナの後見として参りました。
以後お見知りおきのほどを……」
と言います。
【クアンスティータ様の後継者様】に対して敬意を払っているのですね。
同じ後継者候補でも【成り上がるクアンスティータ】の時とは態度が違います。
【成り上がるクアンスティータ】とは文字通り、下から成り上がった存在なので、元々は、おるおさん達より、身分は下です。
対して【天下るクアンスティータ】や【クアンスティータの子?】はおるおさんより身分が上の存在を指しますので敬意を払っているのです。
【クアトゥウス様】は、
「かたっ苦しい話は後にしましょうですの。
まずは、この【にーでちゃんコレクション】をご堪能くださいまし。
後で感想を聞かせてくださいませね」
と言いましたが、姿は見せていません。
どうやら、【にーでちゃんコレクション】の邪魔になると思って、おるおさん達がそれらを見た後で出てくるつもりの様ですね。
おるおさんは、
「では、失礼して拝見させていただきます」
と言いました。
そして、少々、緊張気味のてぃーおちゃんのおしりをポンっと押して、
「ほら、行くぞ。
しゃきっとせんか」
とも言いました。
てぃーおちゃんは、
「あ……はい、お母様……」
と言いました。
やはり、おるおさんとてぃーおちゃんでは実戦経験の差というのがありますね。
てぃーおちゃんはまだまだという感じです。
おるおさんは堂々としていますね。
自分に自信があるのでしょうね。
こうして、おるおさんとてぃーおちゃんは宮殿の中を見て回りました。
とは言え、惑星サイズの宮殿です。
そんなに簡単に見て回れるものではありません。
そこで、おるおさんとてぃーおちゃんは体をそれぞれ5000京体ほどに分裂させて、同時に見て回る事にしました。
それでもずいぶん、時間がかかりますけどね。
おるおさんとてぃーおちゃんの実力であれば、5000京体くらいの分裂など訳はありません。
ある程度はじっくり見ていかないと失礼に当たります。
それでも30時間ほどかけて全部を見て回りました。
見学が終わり、おるおさんとてぃーおちゃんが1名に戻った時、【クアトゥウス様】がそのお姿を表しました。
緊張が走ります。
それはそうです。
何しろ、【クアトゥウス様】は元々、【宇宙世界(うちゅうせかい)】の上の単位、【世界他外(せかいたがい)】以上から極端に力を落としてこの現界に顕現(けんげん)なされたお方なのですから。
上の場所から【天下って】来たからこそ、【クアトゥウス様】方は【天下るクアンスティータ】と呼ばれているのです。
本来の実力の【クアトゥウス様】であれば、おるおさん達など一溜まりも無いほどのパワーをお持ちなのです。
03 【クアトゥウス様】との会談1
【クアトゥウス様】は、
「それで、どうでしたの?
【にーでちゃん】の想像図は?
どれが本物だと思いますの?」
と聞いてきました。
てぃーおちゃんは、
「そうですね、ど、どれも本物かと……」
と言いました。
対して【クアトゥウス様】は、
「そうですの。
全て、私にとっては愛すべき【にーでちゃん】ちゃんですの〜」
と言ってうっとりしています。
どうやら正解を答えたようです。
【クアトゥウス様】の【にーでちゃん好き】は相当なものだと聞いていましたが、実際に見てみますと相当な溺愛(できあい)ぶりがうかがえますね。
おるおさんは、
「それで、早速なのですが、【クアトゥウス様】は【クエニーデ様】の行方をご存じとか……?」
と聞きました。
すると、【クアトゥウス様】は、
「えぇ。
多分ですけど。
今の【状態】を知っていますの〜」
【多分知っている?】――ずいぶん妙な言い回しですが、【クアトゥウス様】の言うことですから、そうなのでしょう。
おるおさんは、
「我々としても、是非とも【クエニーデ様】とのお目通りを願いたく……」
と言うと、【クアトゥウス様】は、
「無理ですの。
今は【にーでちゃん】じゃないから会えませんですの……」
と言いました。
どういう事でしょう?
てぃーおちゃんが、
「あの、それは一体、どのような?」
と聞きます。
【クアトゥウス様】は、
「今は、【レウィーブ・クロルプ】、
【クアシス・ウェーラエレース】、
【クイア・ントンスイ】と言う3つの存在に【他存置換(たそんちかん)】されているはずですの。
だから何処にも居ない。
何処を探しても居ないのですの」
と言いました。
【他存置換(たそんちかん)】とはにーでちゃんの代わりに存在している小さな妖精の様な存在を指します。
クアンスティータ様で言う所の、第七本体、クアンスティータ・テレメ・デ様の所有する【宇宙世界】、テレメ・デ・ワールド内の【隔離空間】にいらっしゃった【レインメーア様】――その【レインメーア】様の回りに居た三竦み(さんすくみ)の守護者の代わりでもあります。
【レインメーア様】とはクアンスティータ様の前世でもある【レインミリー様】の生まれ代わりでもあられる存在ですね。
にーでちゃんのお母さんとされている存在でもあります。
にーでちゃんは【レインメーア様】と三竦みの守護者の間に出来た存在とされているのです。
何となく噂では聞いていましたが、まさか本当の事だとはおるおさん達も思っていませんでした。
クアンスティータ様と言えば――
第1本体、クアンスティータ・セレークトゥース様、
第2本体、クアンスティータ・ルーミス様、
第3本体、クアンスティータ・レクアーレ様、
第4本体、クアンスティータ・ミールクラーム様、
第5本体、クアンスティータ・リステミュウム様、
第6本体、クアンスティータ・レアク・デ様、
第7本体、クアンスティータ・テレメ・デ様、
第8本体、クアンスティータ・リデュソーム様、
第9本体、クアンスティータ・クィデュリース様、
第10本体、クアンスティータ・フォリメリエ様、
第11本体、クアンスティータ・ティオンコムーダ様、
第12本体、クアンスティータ・フィニカシティーオ様、
第13本体、クアンスティータ・ティアーラーオード様、
第1側体、クアンスティータ・トルムドア様、
第2側体、クアンスティータ・ソリイントゥス様、
第3側体、クアンスティータ・ファムトゥ様、
第4側体、クアンスティータ・レマ様、
第5側体、クアンスティータ・ウァウスクス様、
第6側体、クアンスティータ・ククントゥス様、
第7側体、クアンスティータ・イグスルナ様、
第8側体、クアンスティータ・ウルステーサ様、
第9側体、クアンスティータ・ティクスエレハ様、
第10側体、クアンスティータ・トゥルストゥス様、
第11側体、クアンスティータ・アーサウェル様、
第12側体、クアンスティータ・イスクリア様、
第13側体、クアンスティータ・ヒアトリス様、
第14側体、クアンスティータ・フィーニス様、
第15側体、クアンスティータ・イティニウム様、
第16側体、クアンスティータ・ウェンインティオ様、
第17側体、クアンスティータ・オムニテンポス様、
第18側体、クアンスティータ・クリスディール様、
第19側体、クアンスティータ・プリプロウス様、
第20側体、クアンスティータ・ニュマス様、
第21側体、クアンスティータ・ウェヌトゥスス様、
第22側体、クアンスティータ・ニーウスク様、
第23側体、クアンスティータ・ルプーム様、
第24側体、クアンスティータ・フィウキマレム様、
――です。
それ以外のバリエーションは無いと思われていました。
ですが、クアンスティータ様も第三本体レクアーレ様の補填体(ほてんたい)、第七本体テレメ・デ様の歪本体(わいほんたい)などの存在も確認されております。
にーでちゃんにも亜種となるバリエーションが存在していてもおかしくは無いのです。
どうやら、にーでちゃんにはにーでちゃんになる前の3つの存在が存在していると言うのです。
クアンスティータ様で言うところの前世である【レインミリー様】の様な立場なのでしょうか?
クアンスティータ様についてはその存在理由がよくわかっていません。
それはにーでちゃんも一緒です。
説明するだけでややこしくなる存在――それがクアンスティータ様とにーでちゃんなのです。
そんな存在ですから、何があっても不思議ではないという事でしょう。
04 【クアトゥウス様】との会談2
さらに【クアトゥウス様】は、
「ちょっと良いですの?
実はお願いがありまして会談に応じましたの」
と言いました。
おるおさんは、
「どのような事でしょうか?
承ります」
と言いますと【クアトゥウス様】は、
「私は思いましたの。
このまま、にーでちゃんの一ファンで良いのかと。
私は想像でしかにーでちゃんを知らない。
本当の事を知らない。
それで良いのかと考えましたの。
そこで思いついたのがにーでちゃんは【クアンスティータ様】の後継者ですの」
と言いました。
それはあなたもですという言葉をおるおさんとてぃーおちゃんは飲み込みました。
どうやら、【クアトゥウス様】は思いこみが強い性格の様です。
下手に否定すれば激怒するかも知れないと考えて、言葉を選ぶ事にしました。
【クアトゥウス様】は、
「【クアンスティータ様】の事をもっと知れば、それはすなわち、にーでちゃんの情報につながるのだと確信しましたの」
と言いました。
確かにその通りです。
にーでちゃんも【クアトゥウス様】も、【クアンスティータ様の後継者様】なのです。
【クアンスティータ様】の事をもっと知れば、それはにーでちゃんの事につながる可能性は高いですね。
【クアトゥウス様】は、
「そこでですの。
クアンスティータ・ファンクラブで公式出版されている24誌――
(01)【月刊クアンスティータ】、
(02)【週刊くーちゃん、てぃーたちゃん】、
(03)【メインボディ、サブボディ】、
(04)【宇宙世界から見たクアンスティータ様】、
(05)【誕生、最強の化獣(ばけもの)】、
(06)【まめぼす シリーズ】、
(07)【ファーブラ・フィクタ シリーズ】、
(08)【くーちゃんず★あーと】、
(09)【図解 クアンスティータボディ】、
(10)【クアンスティータ様について】、
(11)【ティータズ・レジェンド】、
(12)【月刊くーさま】、
(13)【くあんクアンぱーてぃー】、
(14)【クアンスティータ様のお力】、
(15)【解説 クアンスティータ・ワールド】、
(16)【最強最後のボスキャラ】、
(17)【ラスボス、ラスラスボス】、
(18)【くーちゃんショット】、
(19)【お宝発見くーちゃんコレクション】、
(20)【週刊超技クアンスティータ】、
(21)【週刊くぅ】、
(22)【月刊 本物とは?】、
(23)【くーチャンス】、
(24)【寵典(ちょうてん)クアンスティータ聖書】、
全て定期購読いたしますの。
【クアンスティータ様】の全てを勉強して、にーでちゃん情報に活かしますの。
ラブラブぅ〜ですの〜」
と言いました。
おるおさんは一瞬、クアンスティータ様をだしに使うとは何事かと思いましたが、芦柄 くあん様となられたあのお方からは、自分に対する事では寛容になって欲しいと言われているのを思い出し、我慢するのでした。
【クアトゥウス様】がにーでちゃんの事が絶対だと考えている様に、おるおさんにとっても【クアンスティータ様】の事が絶対なのです。
例え、後継者様であろうと【クアンスティータ様】を侮辱する事は許されません。
ですが、自らが崇拝する存在を第1に考えるというのは、おるおさんにも共感出来る事です。
気持ちが理解出来るという事でしょうね。
【クアトゥウス様】は、
「後、先日、お送りした資料を基ににーでちゃん関連の月刊誌を作って欲しいというのは理解していただけましたの?」
と聞いてきました。
てぃーおちゃんは、
「それは、その……」
と言いよどみました。
【クアトゥウス様】が提出したにーでちゃんの情報は思いこみが強く、【嘘】の【情報】の方が可能性が高いのです。
公式書籍として、【嘘】の【情報】を出版する訳にはいきません。
そう思うのですが、てぃーおちゃんの性格から強くは言えません。
そこで、おるおさんが付き添ってきたのです。
おるおさんは、
「それですが、正式に確認が取れるまで出版の方は差し控えさせていただきます。
このままでは出版、出来かねます」
と言いました。
すると、【クアトゥウス様】の表情はみるみる変わります。
「なんですの?
私が嘘を言っているとでも言うんですの?」
と凄みます。
圧倒的な力を持っているため迫力満点です。
気圧されるてぃーおちゃん。
ですが、おるおさんは動じません。
【クアンスティータ様】の乳母にして摂政でもある彼女は例え【クアンスティータ様】に消滅されられようとも正しいものは正しい、間違っているものは間違っていると進言する覚悟を持っています。
【クアンスティータ様の後継者様】であられる【クアトゥウス様】であってもそれは変わりません。
おるおさんは、
「では、【クアトゥウス様】は、そのまま載せてもよろしいと、そう申されるのですか?
もし、【クエニーデ】様がそれをご覧になって間違っている情報だった場合、如何に悲しまれるか……
お優しい、【クアトゥウス様】ならば、それくらいご理解いただけるものと存じます。
間違った情報は出せませぬ。
なので、念には念を入れて確認してからでないと載せられぬのです。
そこをご理解いただきたい」
と言いました。
すると、【クアトゥウス様】は、
「そ、そうですの。
間違えた情報だったら、にーでちゃんを傷つけてしまいますの。
それは駄目ですの。
お姉ちゃんとして、にーでちゃんを守らないと」
と言いました。
どうやら、納得してもらえたようですね。
さすが、おるおさんです。
名捌きですね。
おるおさんは、
「我々の方としても、【クエニーデ様】が【クアンスティータ様】の正式後継者となられた暁には、13誌立ち上げようと計画しております。
1誌あたり、発行部数7000不可思議(ふかしぎ)部以上を誇る現界のトップ書籍である【クアンスティータ公式24誌】に匹敵する雑誌にしようと思うておりまする。
まだ、公式ではありませぬが、特別に【クアトゥウス様】にタイトルをお教えしましょう」
と言いました。
【クアトゥウス様】は、
「買いますの。
絶対に購入しますの。
今すぐ欲しいですの〜。
すぐ頂戴ですの〜」
と興奮を抑えきれません。
どうやら、おるおさん、【クアトゥウス様】の扱い方を把握なさったようですね。
おるおさんは、
「慌てないでいただきたい。
まだ、公式タイトルではございませぬが、
(01)【月刊クエニーデ】、
(02)【月刊にーでちゃん】、
(03)【週刊クエニーデ・クアンスティータ】、
(04)【側体、本体、3つの『しんたい』】、
(05)【世界混宇宙連(せかいこんうちゅうれん)から見たクエニーデ】、
(06)【クエニーデとは?】、
(07)【図解、不思議な存在クエニーデ】、
(08)【ラスボスの正統後継者】、
(09)【解説クアンスティータとクエニーデの違い】、
(10)【月刊にーでズアート】、
(11)【月刊クエニーデ☆ファンクラブ】、
(12)【月刊クエニーデ・フェスティバル】、
(13)【週間構想【世界他外】】、
を予定しております。
後継者が【クアトゥウス様】になられた暁にはタイトルもそれに合わせて変更いたします。
あくまでも【クエニーデ様】が正統後継者となられた場合、このタイトルの書籍の作成を進める予定でございまする」
と言いました。
【クアトゥウス様】は、
「ぜぇ〜ったいに、にーでちゃんが後継者ですの。
間違いないですの。
間違いないですの〜。
間違いないですのぉ〜」
と言って興奮しました。
どうやら、にーでちゃんの定期購読誌を作るというのは相当お気に召したようですね。
さすがは、おるおさんです。
手のひらで転がすのが上手いですね。
神話の時代より生きてこられた年の功という奴ですかね?
そんな感じで【クアトゥウス様】との会談はつつがなく終了したようですね。
05 【フェアリスティー】を求めて
【クアトゥウス様】との会談を済ませたおるおさん達は、【踊詩】君と【ニヌ】さんの共同作業を確認してから【クアトゥウス様】に教えていただいた、にーでちゃんになる前の3つの存在を探る事にしました。
それらは、恐らくというか、確実にそうなのですが、【SOIS/ソイス】――サムシング・オブ・インビジブル・サイド(SOMETHING OF INVISIBLE SIDE/見ることが出来ない側の何か)に属する事になりますね。
【SOIS/ソイス】とは現界に存在して、おるおさんが把握していない存在全てを指しますので、当然ですね。
まずは、性格面でちょっと心配な【踊詩】君が、【SOIS/ソイス】である【ニヌ】さんと上手くやれるかどうかが心配なのでちょっと覗きに行きました。
すると、どうやら、お互いの腕を確かめる作業として、【字印道(じいんどう)】で腕試しをしている様ですね。
【字印道】とは地球で言うところの【書道】の様なものですね。
まるでひらがなの様になめらかな曲線、かすれなどで表現する【字印(じいん)】と言う印を書く作業です。
創作者である【踊詩】君は、18段王(だんおう)という上から15番目の腕前、【ニヌ】さんはなんと、師主会友(ししゅかいゆう)という1番上の腕前を持っている事がわかったのです。
自分の趣味の事以外には興味が無い【踊詩】君の腕前ももの凄いのですが、【ニヌ】さんの腕前は驚嘆するばかりの実力です。
【踊詩】君は【ニヌ】さんをべた褒めしていました。
おだてに弱いのか、【ニヌ】さんは、所在なさげに照れています。
まぁ、何とか仲良くやっている様ですね。
ちなみに、おるおさんは【ニヌ】さんの本名をまだ知りません。
彼女の名前は【ティラリン】さんとして認識しています。
彼女の【正体】はまだ秘密だという事ですね。
【踊詩】君が真面目にやっているのを確認してから、おるおさんは、にーでちゃんの前身の3名の行方を追う事にしました。
【クアンスティータ・ファンクラブ】の圧倒的な情報網を使って探します。
ですが、やはり、思うようには見つかりません。
そもそも、おるおさん達が把握出来ないからこそ、【SOIS/ソイス】と呼ばれているのですから。
捜索を一時中断して、まずは、にーでちゃんの前身の3名の名前を種族名を決める事にしました。
妖精の様な存在、【他存置換(たそんちかん)】の存在ではいささか、味気ないネーミングの様な気がしますからね。
おるおさんは、【クアンスティータ・ファンクラブ】の存在達に、
「これより、【クエニーデ様】の前身、妖精の様な存在、【他存置換(たそんちかん)】の存在につける名称を公募しようと思う。
そなた達もふるって応募する様に」
と命じました。
公募とは言ってもはがきなどで応募する訳ではありません。
ネーミングを考えて、念をおるおさんに飛ばすのです。
そこから、おるおさんは集計して、良い物を選抜するという事になります。
公募を開始した途端、来るわ来るわ様々なアイディアが。
自分の考えたネーミングが、にーでちゃんの前身の名前として使われるかも知れないと言うことで、たくさんの念が飛び込んできました。
その中から、おるおさんはこれだと思うネーミングを選びました。
それは、【フェアリスティー】という名称でした。
フェアリー(妖精)とステイ(滞在)を合成した造語ですが、おるおさんは何となく気に入ったようですね。
正式名称が【フェアリスティー】に決まるまであっという間でした。
【クエニーデ様】の前身、妖精の様な存在、【他存置換(たそんちかん)】の存在改めまして【フェアリスティー】達を求めて、おるおさんは再び探索を開始しました。
実はおるおさん――【吟侍】君と旅を共にしていて、一時は自分も同化していた存在でもある【エカテリーナ・シヌィルコ】という女性――絶対者アブソルーターと呼ばれる存在に自らの力である古き力の一つ【不可能を可能にする力】を譲渡していましたが、念のために、数回程度の使用が出来る様に、力の一部を保存しておいたのです。
これを使う時はもしもの時と決めていましたが、今はそれに当たると判断しました。
【踊詩】君のレベル3の【答えの力】――【虚答(きょとう)】でも同じ様な成果があった事がわかっています。
その時は【ニヌ】さんを見つけ出しましたが、同じ、【SOIS/ソイス】である【フェアリスティー】を探す時にも使えると思っていた様ですね。
【答えの力】と【不可能を可能にする力】は異なる力ですが、見つからない存在を見つけるという目的では同じ様な効果が期待できると、おるおさんは思っています。
早速、使ってみるようです。
どうでしょう?
1回目は――
ん〜……失敗。
如何に【不可能を可能にする力】でも見つける事は出来なかったようです。
数回分しかありませんからね。
貴重な1回分を使ってしまった事になります。
次は失敗出来ませんね。
どうでしょうか?
ん〜……どうだ?
お?
おやぁ〜?
今度はひょっとして……
おるおさんは、
「も、もしや……」
とつぶやきます。
おるおさんは一冊の本を手にしました。
ページをめくると1ページ目に登場キャラクターが書いてあります。
その登場キャラクターは――
【レウィーブ・クロルプ】――ちょっと背伸びをしがちな、おしゃまさん(大人ぶる)、
【クアシス・ウェーラエレース】――ちょっとのんびり、マイペースさん、
【クイア・ントンスイ】――ちょっとおっちょこちょいな勘違いさん
――と書いてありました。
文字だけです。
イラストも何もありません。
2ページ目からは白紙です。
これが【答え】?
よくわかりません。
ですが、この本の表紙を見ると、さっきつけたばかりの【フェアリスティー】というタイトルもついています。
おるおさんはしばし考えましたが、明確な【答え】にたどり着きません。
ですが、【フェアリスティー】に関する重要なアイテムである事には間違いありません。
それだけは理解出来ます。
実は、この本――【フェアリスティー・ブック】こそが、クアンスティータ様で言うところの【繭蛹卵(けんようらん)】に当たるものなのです。
【フェアリスティー・ブック】はこの本に指定された【読み手】が同じく指定された【聞き手】に読み聞かせる事で、【フェアリスティー】達の生活が描かれます。
そう、【フェアリスティー】達はこの絵本となる【フェアリスティー・ブック】の登場キャラクター達だったのです。
普通の存在として実在しないからこそ、いくら探しても見つからなかったのです。
おるおさんが手にしたこの【フェアリスティー・ブック】は【1巻】に相当するものです。
これを適切な【読み手】が【聞き手】に読んで聞かせる事によって、最終ページまで読み終えた時、にーでちゃんの第1本体は出現します。
にーでちゃんの第1本体はしばらく活動した後、再び消えます。
すると【1巻】だけでなく、現界のどこかに【フェアリスティー・ブック】の【2巻】目が出現します。
それをまた、適切な【読み手】が適切な【聞き手】に最後まで読み聞かせる事によって第2本体が第1本体と共に出現し、より強くなっているという仕組みになっています。
また、この【読み手】と【聞き手】は第1本体の時と同じ存在とは限りません。
クアンスティータ様の【繭蛹卵】は第七本体で一旦、止まりましたが、にーでちゃんの場合は【フェアリスティー・ブック】は【13巻】まであるので、次々と13段階、本体が顕現(けんげん)し直して、強くなっていきます。
また、にーでちゃんには24の【側体】と7つずつ3種類、合計【21】の【しんたい】がありますので、更なる秘密がありそうですね。
――という事なのですが、当然、今のおるおさんはその事に気づきません。
ただ、【フェアリスティー・ブック】が重要な意味を持つ何かだとは理解したので、それで良しと言う事にしました。
感覚として、これ以上探しても、今は見つからないと理解したのです。
重要なアイテムを手にした。
それだけでも収穫としたのです。
06 内緒ですよ〜
【フェアリスティー・ブック1巻】を手に入れたおるおさんですが、次はどこへ行くのでしょうね?
その前に【フェアリスティー・ブック】とはどのようなものなのか?
それをご覧の皆さんにちょこ〜っとだけご紹介しましょうかね?
【フェアリスティー・ブック】とは【1巻】あたり24話構成のショートストーリーの集まりとなっています。
そのショートストーリーの中で、【フェアリスティー】達は動くのです。
という訳で特別に【フェアリスティー・ブック1巻】の第一話だけご紹介しましょう。
――フェアリスティー・ブック第1巻第001話――
この本にはまだ何もありません。
でも、何かが出てきたようです。
何でしょうか?
お花です。
【トゥインクリー】という名前の不思議なお花です。
三輪咲いています。
とても綺麗なお花です。
おや?
【トゥインクリー】が何やら動いたようです。
どうしたのでしょうかね?
「ららん……」
「りりん……」
「るるん……」
三輪の花から声がします。
【トゥインクリー】の花弁には何かが眠っています。
「ふわぁ〜ぁぁ……」
おや?
三輪の内の一輪に眠る、小さな存在が起きたようです。
それは、
「生まれてハッピーららん♪」
と言いました。
ちょっと背伸びをしがちな、おしゃまさん――【レウィーブ・クロルプ】、れうぃーぶちゃんです。
れうぃーぶちゃんの声に影響されたのか二輪目の花弁に眠る小さな存在も、
「お〜はぁ〜よぉ〜ございますりりん♪」
と言いました。
ちょっとのんびり、マイペースさん――【クアシス・ウェーラエレース】、くあしすちゃんです。
れうぃーぶちゃんとくあしすちゃんが起きたので当然、残った1輪の花弁で眠っている……
眠っている……
眠ってない?
あれ?
どうしたんだろう……?
………
あ……
下に落ちてました。
その小さな存在は、
「いたたたた……
落ちちゃったるるん♪」
と言いました。
ちょっとおっちょこちょいな勘違いさん――【クイア・ントンスイ】ちゃんです。
れうぃーぶちゃん、くあしすちゃん、くいあちゃんはこうして生まれました。
お誕生日おめでとうございます。
お誕生日おめでとうございます。
お誕生日おめでとうございます。
これからもよろしくお願いします。
これからもよろしくお願いします。
これからもよろしくお願いします。
元気があってよろしいですね。
続く。
――というものです。
こういう短いお話が【1巻】あたり24話存在し、それを特別な【読み手】に選ばれた存在が、特別な【聞き手】に選ばれた存在に【読み聞かせる】事によって、にーでちゃんの第1本体は生まれる事になります。
絵本【フェアリスティー・ブック】の中のフェアリスティー達と交互ににーでちゃんは存在するという形になりますね。
これについては今は、おるおさんも知らない事なので内緒ですよ。
07 おるおさんは大忙しです
さて、この物語の主人公はおるおさんです。
この物語もそろそろ締めくくらないと行けない時が来たようですね。
それではおるおさんのお仕事を一部、ご紹介して、終わりとさせていただきましょうかね。
絵本【フェアリスティー・ブック第1巻】をクアンスティータ・ファンクラブ本部に持ち帰ったおるおさんですが、お忙しい彼女には休みがありません。
続くお仕事が彼女を待っていました。
今度のお仕事は新しくボスキャラになられた方達との面談です。
基本的にクアンスティータ・ファンクラブとしては誰がボスキャラになろうともクアンスティータ様に悪影響が無ければ干渉しないスタンスをとっています。
ですが、ボスキャラさん達にとってはクアンスティータ様というのは一度はお目通り願いたい憧れの存在でもあります。
恐らく、クアンスティータ様に関係しているとなると格が上がった様な気がするのでしょうね。
だから、お近づきになりたいボスキャラさん達はクアンスティータ・ファンクラブによく挨拶に来るのです。
ですが、勘違いをしてもらっては困ります。
挨拶に来るのはかまいませんが、クアンスティータ様の威光を勝手に使う事を認める訳にはいきません。
例えば、クアンスティータ様の名前を使って悪事を働くなどもっての他です。
少し前なら偽クアンスティータさん達による粛正対象(しゅくせいたいしょう)になっている所です。
ちなみに偽クアンスティータさん達とは、神話の時代より、クアンスティータ様に悪意を持つ存在を始末して来たクアンスティータ様の公式の偽者さん達の事です。
クアンスティータ・ファンクラブの実働部隊でもあり、大幹部でもありました。
【踊詩】君の兄弟子、【芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)】君達のチームと団体戦をやって敗れて、第三側体クアンスティータ・ファムトゥ様のファムトゥ・ワールドで鍛え直されているはずです。
偽クアンスティータさん達が居た時はおるおさんが偽クアンスティータさん達に指示を出して、偽クアンスティータさん達がたくさんいるクアンスティータ・ファンクラブの構成員達をまとめていたのですが、今はおるおさんが直々に行っています。
そう言った訳でおるおさんはとても忙しいのです。
今回、ご挨拶に来たボスキャラさんたちの数は16800名ほどです。
え?
そんなに覚えきれないって?
大丈夫です。
おるおさんなら出来ます。
それが出来るからこそ、おるおさんは、クアンスティータ様の摂政を任されているのです。
とりあえず、そのお仕事の一部を拝見しましょうかね?
16800名もやっていられませんので、その内の1部というか、1名を覗かせていただきましょうか。
おるおさんは、
「次!」
と言いました。
と、言いますのもおるおさんは既に1000名以上の紹介を聞いています。
最初の1名では無いという事ですね。
誰でも良いのですが、適当にピックアップした存在という事でお願いします。
おるおさんに言われて次に出てきた存在の名前は、【デュルントゥルン】さんと言います。
「お、オス。
初めまして。
わ、わた、わたくしは……」
と少し緊張なさっているようです。
おるおさんは、
「普段、話しなれている言葉でないから緊張しておるのか?
無礼な口を利くのは許さぬが、気楽に話せ。
何も取っ手食おうというのではないのだからな」
と優しい言葉をかけました。
【デュルントゥルン】さんは、
「お、オス。
ありがとうございます。
お、俺様……俺は、【デュルントゥルン】と言います。
新しくボスに認定されました。
得意技は……」
と言うと、おるおさんは、
「あぁ、良い。
それならば、勝手に探る」
と言って、【デュルントゥルン】さんの方に手をかざします。
【デュルントゥルン】さんは、
「な、なにを……?」
と言って恐怖しますが、おるおさんは、
「怯えんで良い。
ただ、そなたの力を見るだけじゃ。
それ以外は何もせぬ。
ふむ。
ふむ。
なるほどのぅ。
そうか。
うむ。
わかった。
下がってよいぞ」
と言いました。
どうやら、【デュルントゥルン】さんの力を理解した様ですね。
【デュルントゥルン】さんとしては自分の得意技を披露しようと思っていたのですが、肩すかしも良いところです。
ですが、おるおさんとしては時間の節約のため、自分で、相手の力を探った方が早いのです。
中には準備時間がかかる特技などもありますからね。
【デュルントゥルン】さんは、
「あの……実は……」
と言いかけます。
おるおさんは、
「誰にも言っていない特技として、4つの能力を隠し持っておるのじゃろぅ?
わかっておる。
秘密にしておきたいというのであれば、そのままで良かろう。
妾も言いふらしたりはせぬ。
そなたの切り札としてとっておけ」
と言いました。
【デュルントゥルン】さんは、
「そ、そこまで……」
と言いました。
おるおさんの前では隠し事は一切、通じないという事を理解したようですね。
恐るべし、おるおさんという感じです。
【デュルントゥルン】さんは、感動しました。
自分が仕えるお方としてふさわしいお方とおるおさんを認めたようですね。
こうして人心もとい、ボス心をつかんでいくんですね。
見事なお手前です。
おるおさんは、
「次!」
と言います。
そして、次のボスがまた、おるおさんに心をわしづかみされていくのです。
――とまぁ、これがおるおさんのお仕事の一部となります。
あっち行ったりこっち行ったりだけでなく、本部でもたくさんのお仕事を抱えているおるおさんにお休みはありません。
おるおさんは大忙し。
それが彼女の日常なのです。
クアンスティータ様のために、彼女は身を粉にして今日も働きます。
そんな彼女の目標は【新宇宙世界】である【世界混宇宙連】の完成です。
それは【踊詩】君達にお任せしていますが、【踊詩】君の性格が性格なだけに彼女の気苦労は続きそうです。
おるおさんは、
「たまには温泉にでもゆっくり浸かりたいのぅ……」
と言いました。
彼女が落ち着ける時は来るのでしょうか?
多分、来ないでしょうね。
彼女はクアンスティータ様のためにどんどん仕事を生み出して行っていますから。
彼女のアイディアがつきることはありません。
全てはクアンスティータ様のため。
芦柄 くあん様として引退なさってもそれは変わりません。
神話の時代より、クアンスティータ様のために生きてきた彼女の生活習慣は変わりません。
これからも活動は続きます。
これからは、クアンスティータ様の偉大さを伝えていく事になるでしょう。
新たなお仕事を増やしつつ彼女は行動します。
それでは、これにて……
完。
登場キャラクター説明
001 おるおさん(オルオティーナ)
この話の主人公で、クアンスティータ様の【宇宙世界(うちゅうせかい)】の管理を任されているクアンスティータ様の乳母(うば)にして摂政(せっしょう)でもあるとっても偉いお方です。
クアンスティータ様が引退し、芦柄 くあん(あしがら くあん)として生きていく事になったため、クアンスティータ様の所有していた【宇宙世界】をクアンスティータ様の後継者に渡すかで問題になり、【世界他外(せかいたがい)】という【宇宙世界】より一つ上の単位の場所の一部を切り取り、【新宇宙世界】→【世界混宇宙連(せかいこんうちゅうれん)】として、一から作ることになり、その創作者として13を【クエニーデ】ちゃん、7つを【ニズ・クォトヌァール】ちゃんに任せる事にして、残り4つを誰にするかで悩んでいます。
色々とお忙しい方です。
002 【踊詩】君(稀生 踊詩(きにゅう ようし))
才能はあるけど、性格がとてもザンネンな男性です。
【芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)】君の弟弟子に当たる存在ですが、彼と違い勇気も無く引きこもり生活を続けています。
【世界他外】で【マイスペース】を作って生活するなど、しれっと高いポテンシャルを発揮します。
女の子は大好きですが女性不信でもあります。
マヌケな性格をしていますので、得る事よりも失う事が多いというのが彼の特徴でもあります。
でも大切な女の子を泣かされた時は彼はかっこよく変貌します。
【吟侍】君のものを超えるレベル3の【答えの力】を使います。
よくわからない男性ですね。
003 てぃーおちゃん(ティーオルオナ)
おるおさんの娘でおるおさんの後を継いで、クアンスティータ様の後継者の乳母(うば)と摂政(せっしょう)をしようという女の子です。
男性が少々苦手な様ですが、【踊詩】君の作品の大ファンであり、彼を【世界混宇宙連(せかいこんうちゅうれん)】の創作者に推薦します。
実力的にはおるおさんよりも劣るようです。
004 【領総(りょうそう)】候補
【踊詩】君の【世界混宇宙連】の創作者を巡る勝負の対戦相手その1です。
自分の事を【私】と呼びます。
彼がテーマとしたのは【無】です。
【第一世界混宇宙連】のテーマ――【無の春】、
【第二世界混宇宙連】のテーマ――【虚の夏】、
【第三世界混宇宙連】のテーマ――【絶の秋】、
【第四世界混宇宙連】のテーマ――【断の冬】となっていますが、問題をはき違えています。
他の2人と組んで【踊詩】君と対決しますが、嫌がらせをしながらも圧倒的な大差で負けるという醜態を演じます。
【ニヌ】さんに負けて彼女の弟子になろうとしますが、【踊詩】君の【答えの力】、【謎答(めいとう)】により、彼女との縁を完全に絶ちきられます。
005 【触対漢(しょくたいかん)】候補
【踊詩】君の【世界混宇宙連】の創作者を巡る勝負の対戦相手その2です。
自分の事を【俺】と呼びます。
彼がテーマとしたのは【食】です。
【第一世界混宇宙連】のテーマ――【膨食(ぼうしょく)――暴食(ぼうしょく)】、
【第二世界混宇宙連】のテーマ――【業飲(ごういん)――暴飲(ぼういん)】、
【第三世界混宇宙連】のテーマ――【爆酒(ばくしゅ)――酒豪(しゅごう)】、
【第四世界混宇宙連】のテーマ――【速食(そくしょく)――早食い】となっていますが、問題をはき違えています。
他の2人と組んで【踊詩】君と対決しますが、嫌がらせをしながらも圧倒的な大差で負けるという醜態を演じます。
【ニヌ】さんに負けて彼女の弟子になろうとしますが、【踊詩】君の【答えの力】、【謎答(めいとう)】により、彼女との縁を完全に絶ちきられます。
006 【スドケベェ】候補
【踊詩】君の【世界混宇宙連】の創作者を巡る勝負の対戦相手その3です。
自分の事を【僕】と呼びます。
彼がテーマとしたのは【肉欲】です。
【第一世界混宇宙連】のテーマ――【肉欲の宴(にくよくのうたげ)】、
【第二世界混宇宙連】のテーマ――【肉布団(にくぶとん)】、
【第三世界混宇宙連】のテーマ――【酒池肉林(しゅちにくりん)】、
【第四世界混宇宙連】のテーマ――【女体盛り(にょたいもり)】となっていますが、問題をはき違えています。
他の2人と組んで【踊詩】君と対決しますが、嫌がらせをしながらも圧倒的な大差で負けるという醜態を演じます。
【ニヌ】さんに負けて彼女の弟子になろうとしますが、【踊詩】君の【答えの力】、【謎答(めいとう)】により、彼女との縁を完全に絶ちきられます。
007 【ニヌ・クォトヌァール】さん
おるおさんでも【正体】がわからない、【SOIS/ソイス】――【サムシング・オブ・インビジブル・サイド(SOMETHING OF INVISIBLE SIDE/見ることが出来ない側の何か)】と呼ばれている存在の一人で、【永遠の妹】と呼ばれている【ニズ・クォトヌァール】ちゃんの第4次女になりますね。
現在は第3姉妹の審査中であるため、第4姉妹である彼女は表舞台に出ることが出来ません。
そこで、【正体】を隠して趣味の創作の大会に参加したのですが、才能がありすぎて、【超謎才(ちょうめいさい)】という現界における天才、秀才などの最高位の褒め言葉で呼ばれる存在として有名となります。
その時は、【ラピッマ】という女性のふりをしていたのですが、【踊詩】君のレベル3の【答えの力】、【虚答(きょとう)】により彼女の【正体】がつきとめられます。
結果、【踊詩】君に、【ティラリン】という仮の体と偽名を用意してもらって【踊詩】君と鑑定勝負し、勝利します。
結果として、【踊詩】君に主任を譲って彼女は副主任創作者を引き受けることになりました。
008 【クアトゥウス様】
おるおさんが、認めた双璧を為す【クアンスティータ様の後継者様】候補の1名です。
もう1名のにーでちゃんに対する愛情がものすごくて、にーでちゃんの方に【後継者】を譲りたいと思っています。
巨大惑星ほどのオタク部屋となっている宮殿を造る技術を持っていますが、それらは全て【にーでちゃんコレクション】となっています。
一人称は【私】で、【〜ですの】が口癖の様ですね。
思いこみが激しい性格をしています。
にーでちゃんの悪口を聞くと途端に機嫌が悪くなります。
おるおさんとてぃーおちゃんに、にーでちゃんの今の状態を説明してくれました。
009 【レウィーブ・クロルプ】――れうぃーぶちゃん
にーでちゃんは現在存在していない状態でその代わりに存在しているのが、おるおさんの公募で名前が決まった【フェアリスティー(フェアリー(妖精)+ステイ(滞在)の造語です)】という存在で、元々は【クエニーデ様】の前身、妖精の様な存在、【他存置換(たそんちかん)】の存在などと呼ばれていました。
【フェアリスティー・ブック】と呼ばれる本(絵本)の登場キャラクターで、それを本に選ばれた特別な【読み手】が特別な【聞き手】に読み聞かせる事によって物語が出現し、読み終えるとにーでちゃんの本体が出現します。
【第1巻】から【第13巻】まで存在し、【1巻】あたり、24話のショートストーリーとなっています。
この子は、口癖が【〜ららん】で、ちょっと背伸びをしがちな、おしゃまさん(大人ぶる)という説明書きがされています。
010 【クアシス・ウェーラエレース】――くあしすちゃん
にーでちゃんは現在存在していない状態でその代わりに存在しているのが、おるおさんの公募で名前が決まった【フェアリスティー(フェアリー(妖精)+ステイ(滞在)の造語です)】という存在で、元々は【クエニーデ様】の前身、妖精の様な存在、【他存置換(たそんちかん)】の存在などと呼ばれていました。
【フェアリスティー・ブック】と呼ばれる本(絵本)の登場キャラクターで、それを本に選ばれた特別な【読み手】が特別な【聞き手】に読み聞かせる事によって物語が出現し、読み終えるとにーでちゃんの本体が出現します。
【第1巻】から【第13巻】まで存在し、【1巻】あたり、24話のショートストーリーとなっています。
この子は、口癖が【〜りりん】で、ちょっとのんびり、マイペースさんという説明書きがされています。
011 【クイア・ントンスイ】――くいあちゃん
にーでちゃんは現在存在していない状態でその代わりに存在しているのが、おるおさんの公募で名前が決まった【フェアリスティー(フェアリー(妖精)+ステイ(滞在)の造語です)】という存在で、元々は【クエニーデ様】の前身、妖精の様な存在、【他存置換(たそんちかん)】の存在などと呼ばれていました。
【フェアリスティー・ブック】と呼ばれる本(絵本)の登場キャラクターで、それを本に選ばれた特別な【読み手】が特別な【聞き手】に読み聞かせる事によって物語が出現し、読み終えるとにーでちゃんの本体が出現します。
【第1巻】から【第13巻】まで存在し、【1巻】あたり、24話のショートストーリーとなっています。
この子は、口癖が【〜るるん】で、ちょっとおっちょこちょいな勘違いさんという説明書きがされています。
012 【デュルントゥルン】さん
おるおさんの所にアピールに来た新卒のボスキャラの16800名の中の1名です。
なにやら誰にも言っていない4つの能力を持っているようなのですが、それをおるおさんに見抜かれて、彼女について行く決心をした存在です。
自分の事を【俺様】と言っていたようですが、おるおさんの前では【私】と言い、更に【俺】と言い直しています。
かなり強いはずですが、おるおさんの前ではタジタジでした。