第002話


 第二章 松代嬢(まつしろじょう)攻略戦



 士郎は今日も太輔と公園で待ち合わせをしていた。

 何とか、水戸嬢への傷心の気持ちを和らげようと何か励ましの言葉を考えていた。
 士郎にとって……いや、葵にとって、人の為にこれだけ考えるという事は珍しかった。
 それだけ、太輔の事が気になっているのだろう。
 今は、ただ、慰めよう……
 心を癒してあげよう……
 そう思うのだった。

 だが、どういう顔をして太輔と会えば良いのか迷っていた。
 女の子にフラれて……昨日の今日だ……きっと誰にも会いたくないのかも知れない……
 そう思うと待ち合わせをしたのは失敗……
 そう考えていたのだが……
 それは取り越し苦労だった。
「た、太輔君……君って人は……」
 士郎は呆れた。

 もう立ち直っていた。
 そして、既に次の恋を見つけていたからだ。

「先生、先生、聞いて下さい。俺、ビビッと来たんスよ、ビビッと」
 太輔は興奮して話しだす。

 事情を聞いてみるとやっぱり、間違った方向に解釈していた。
 芸能人でもある熊本吉良が演劇部のために、セットで使われるおしりの所に電気の流れるイスを借りて来ていた。
 電力を調整する為に試しに流していた時、何処から迷い込んだのか太輔がイスに座ってしまったのだ。
 それを知らなかった演劇部員がうっかりと、電気を流してしまい、おしりの部分に電気が流れた。

 彼はその時、たまたま通りかかった女の子を見て、それを恋と間違えて惚れてしまったのだ。

「それは多分、また、君の勘違いで、あれはイスの所に電気が流れていて……」
「イスって言うかケツの所にビビッときたんスよね。いやぁ〜俺、ビビッとくるのは頭とか心臓とかその辺のあたりだと思ってたんスけど、まさかケツに来るとは思いませんでしたよ……」
「いや、だから、それは君の……」
「フィーリングって言うんスかね?そういうのが……あったというか波長があったというか……」
「普通、おしりにこないから……気付こうよ、ねぇ」
「解ってますよ先生、俺、今からその女の子の事、調べて来ようと思ってます。善は急げですよね!」
「全然、解ってないじゃないか……お願いだから先走らないでくれ……」
「大丈夫っスよ。俺、今度は自信あるんスから」
「その根拠の無い自信は一体、何処から……」
「そうだ、仮面の皆さんに糸を返して貰わないと……いや、持ってて貰った方が良いのかな?使い方がどうもよく解らないんだよな、あれ」
「ちょっとは人の話、聞こうよ」
「問題ないっス、俺、早速、行ってくるっス」
「それより、わた……僕の姉さんにアタックしてみない?」
「先生のお姉さんは高嶺の花ってやつっスね。俺には手が届かないです、まだ」
「そんなこと言わないで、一度、挑戦してみようよ」
「先生、こんなことわざがあります……」
「何?」
「犬もあるけば棒にあたるっス」
「そ、それがどうしたの?」
「すなわち、犬もあるけば、棒に当たる、俺もあるけば恋に当たるって事っス」
「全然、使い方間違ってるからそれ!」
「じゃあ溺れるものは私もつかむっス」
「……ひょっとして溺れるものは藁をも掴むの間違いじゃ……」
「恋に溺れる俺は、女の子を掴むって事っスね」
「……誰かこのお馬鹿さんに何か言ってあげて……」
「じゃあ、先生、愛が俺を待ってますんで」
「誰か、その人を止めてぇ〜」
 勢いをつけた愚か者は行ってしまう……

 士郎の制止も振り切って、太輔は今日も暴走しに突っ走っていった。

 太輔は勘違いした相手の女性を犬なみの嗅覚ですぐに探し出した。
 女性の名前は松代由比(まつしろゆい)と言った。
 太輔達と同じ一年生だが、普通科では無く、商業科だった。
 太輔達との接点はあまり無く、彼女がどんな女の子で、普段、どんな事をしているかは解らなかった。

 太輔は松代嬢を見つけるやいなや…
「一目あったその日から、ずっとあなたと決めていましたぁ〜」
 といきなり告白した。
 松代嬢は目をぱちくりさせた。

 それは、当然の事だった。
 殆ど接点の無い男子がいきなり現れていきなり告白したのだ。
 状況が飲み込めないのも無理は無かった。
 むしろ、彼女は自分に対して言われた事だと気付くのに、しばらくかかった。
 それだけ、太輔が彼女に対して言っていた言葉と彼女自身が結びつかなかったからだ。
 彼女が何とか口にした言葉は……

「あの……人違いされてません?」
 だった。

「人違いではないのですよ、マドモアゼルぅ……俺は……俺の魂は天に召されて……」
 太輔の言っている事は支離滅裂……めちゃくちゃだった。
「……天に召されたという事は亡くなったという事なんですけど……」
「あぁ、俺はなんて幸せ者なんだ……俺と君とは運命というしめ縄でチョウチョ結びで堅結び……あぁほどけない」
「……あの……聞いてます?」
「利いているさ。俺のダメージは今、致命傷……」
「……だめだ……この人……聞いてない……」
 太輔と松代嬢の会話は全くかみ合っていなかった。

 彼はテンパってたのだ。

 何とか彼女の気を惹こうと思って、自分の中の引き出しをひっくりかえして、言葉を紡ぎ出していっているつもりなのだが、彼の引き出しにはろくなものが入っていなかったため、組み合わせてもおかしな言葉になるだけだったのだ。

 普段の、勉強不足がここで出て来てしまったという感じだった。

「私、バカは嫌いです……」
 それだけ言うと、松代嬢は走り去っていった。
 後にぽつんと太輔が取り残される。

「お、遅かった……」
 遅れてやってきた士郎が落胆した。
 また、フラれてしまったと思ったからだ。

 だが……彼は……
「……バカは嫌い……か……うーん、つまり、俺にもっと勉強をしろと……そういう事か……なるほど……優しいな、彼女は……」
 変に理解していた。
 そして、士郎を見るなり
「先生、勉強を教えて下さい。俺、今日から天才になります」

 諦めてなかった。
 天才はなろうと思ってなれるものではないのだが……
 太輔は勘違い、暴走の天才と言えなくもない……
 そう思うのだった。

「言いにくいけど……太輔くん、……君は今、……フラれたんだよ……」
「……あぁ、水戸さんの事ですね……彼女の事はついさっき、忘れました……
」 「水戸さんにじゃなくて、松代さんだっけ?彼女にも今……」
「松代さんはバカは嫌いと言ったンスよ。俺じゃない」
「君の事だと思うんだけど……」
「俺はバカじゃないっスよ」
「そ、そうなの……?」
「そうっス、俺が今日から目指すのは勉強の鬼っスから。むしろ、天才?」
 太輔は自信満々に言った。
 士郎も面と向かって彼がバカだとは言いにくく、フラれた事を認めさせられなかった。

「はぁ……」
 士郎はまたしても彼の負け戦に付き合う事になった。
 何とか、傷の浅い内に……
 それだけを祈るのだった。

 それからというもの士郎は太輔の勉強に付き合わされた。
 例えば数学――
「先生……この分数の足し算なんすけど……俺にはいまいち……後、七×六は四〇でしたっけ?それとも四十五?」
「……君は何年生の勉強をしているんだい?それにしちろくしじゅうにだよ、四二!」
「……それは六×七じゃなかったっけ?俺はたしかそう記憶して……」
「七×六と六×七は同じだよ。逆にしただけじゃないか」
「あぁ……なるほど、それは気付かなかった。さすが先生、頭良いっスね」
「君がバカなだけだよ」
「俺、掛け算とか電卓でやったりしてたから九九がちょっと……」
「数学……っていうか算数の基礎じゃないか、何やってるんだよ、もう……」
「大丈夫っスよ俺は割り算の方が得意っスから……問題出してみて下さい、三ケタの割り算まで平気っスから…」
「……じゃあ……一二〇÷五は……」
「……あ……それが割り算でしたっけ?俺、引き算と間違えて……」
「……頭痛くなって来た…」

 例えば英語――
「先生……このボークってやつですけど…」
「ボークじゃない……ブックだ、本だよ、野球をやっているんじゃないんだから……」
「……あぁそうなんスか俺てっきり豚肉の事かと……」
「それはポーク……あ……これ、過去形になってないじゃないか……」
「……過去形ってなんスか?……俺どちらかというと未来形の方が好きっスね……なんか明日に続くって感じで希望が持てるんスよね〜」
「そういう話をしているんじゃないよ……あぁ……これも、何だよこれ……文法めちゃくちゃじゃないか……【私はオットセイとダンスを食べたらトイレで帰りました】なんて日本語があるわけないじゃないか!」
「何言ってんスか先生、これ英語っスよ」
「そんなことわかっているよ、これを和訳してって言ったんだよ僕は!」
「……だから和訳……」
「こんな和訳があるかぁ!……あぁ……こっちも……【スキーが車とダイビングをしてピアノしました】なんて……あぁ……車はあってるか……でも、車だけあってても仕方ないんだよ」
「先生、すごいっしょ、俺、車はカーって言うんスよ」
「知ってるよ!君はいくつだ?」
「知ってるくせに」
「そういう意味で言ったんじゃない、君は何か?僕を怒らせて楽しんでいるのかい?」
「だから、俺は大まじめだって……」
「なお、悪い……今まで何を勉強してきて……」
「いや、俺……英語の授業聞くと不思議と眠くなるんスよね……国語もだけど……」
「……ひょっとして……数学や社会……物理もかい?」
「あ、わかるっスか?特に物理……あれは人間の学問じゃないっスね〜」
「人間の学問だよ!真面目にやろうよ……バカは嫌なんだろ?」
「そうなんスよね〜このままじゃ彼女に嫌われちゃうし……どうしたもんスかね?」
「……勉強を好きになるしかないよ。勉強は辛いと思うから苦しいんだ。勉強はやり方によっては楽しいものなんだよ」
「……俺、勉強って聞くと拒絶反応が……って痛いっス」
「君が殴られるような事を言うからだよ」

 例えば国語――
「先生……この問題文なんスけどなんて読むんスかねぇ……」
「……何って……これは述語だよ……こんなの授業でいくらでも……」
「……これはなんスかね?……この【つのこた】みたいなやつ……」
「……【解答】だよ解答……そんな答えもっていうか、これは問題文じゃないか、問題を解けよ、問題を……」
「わかってるっスよ……でも……俺、漢字苦手なんスよね……」
「……君に得意教科なんてあるのかい……」
「あ、俺、体育得意っスよそれと図工も……もっとがんばりましょうって褒められて……」
「【もっとがんばりましょう】は褒めてないって……」
「そうなんスか?俺、てっきりもっと上を目指しましょうって……」
「良いから解けよ!君の無駄話に付き合ってるんじゃなくて勉強しに来ているんだろ」
「はいはいわかりましたよ……えーと、これは……【ひゃくあう】っと……」
「【百合】だよゆり……っていうかさっきから何年生の問題集を持って来ているんだ君は?」
「いやぁ……俺、問題集なんて持ってないっスからねぇ……親戚の子のいらなくなった問題集をもらってきて……」
「アホか、君は!教科書があるだろ、教科書が!」
「……教科書は学校の机に入ってて……今はないっス」
「取ってこいよ、それくらい」
「持って帰ると二度と持っていけない気が……」
「小学生でもちゃんと持っていけるぞ。チンパンジーか君は!いや、チンパンジーに悪い、ミジンコだ君は」
「ミジンコって言うと……あれっスかね?」
「あれってなんだよ……」
「なんか……こう……天才剣士みたいな……」
「ミジンコも知らないのか君は」
「何となくは……」
「何となくじゃなくて全然知らないんだろ、君は……」
「あ……わかります?」
「わかるよ、君の反応を見ていたら……」
「褒めても何も出ないっスよ、俺……」
「だから、褒めてないって……ダメだこりゃ……」

 と言ったような感じで何一つものになっていなかった。

 そんな感じで無意味な努力を続けて……小テストの日……
 太輔は何と百点を取って来た。

「うそ……そんなバカな……君が百点を取れる訳が」
 士郎はにわかには信じられなかった。
 太輔の学力では百点はおろか十点取るのだって難しいはず……
 どうやって入学できたのか不思議なくらいの成績のはずだ……
「へへへ……どぉっスか、先生、俺の事、見直したでしょ」
「そんなバカな……ちょっと見せて……」
「いいっスよ……はい」
「……ん?何言ってるんだ君は、バツばかりじゃないか……百点満点なんだろ、このテスト……ってあれ?確かに百点……ってこれ、マイナス百点じゃないか!始めてみたよ、こんな点数……よく見ろよ!……よく見たら名前の所にもバツがついてるじゃないか……添え書きまである……なになに……【自分の名前くらいは正しく書きましょう】って書いて……【緩川】じゃなくて【媛川】になって……名前も太輔じゃなくて【TASUKI】に……書けないならわざわざかっこつけてローマ字で書くなよ……ほんっとバカだな、君は……呆れて……」

 士郎がまくしたてて言ったらさすがに太輔は落ち込んでいた。
「俺なんて……俺なんて……」
「ご、……ごめん、言いすぎた……悪かった……僕が悪かった……」
「どうしよう先生、俺……彼女に今日のテストの点数を送るって……」
「そんなこと言ったのか……いつの間に……その行動力だけは百点満点なんだけど……確かに、彼女にマイナス百点なんて送ったら喧嘩を売っているとしか……」
「…そうだ、マイナスの部分だけ消して……」
「それでも〇点だろ」
「……ならバツも消して……」
「……白紙になっちゃうよ」
「……あぁ……どうすれば…」
「本当に君は面白いくらい暴走するね……それだけは天才的だと思うよ、本当に……」
「それは褒めているって事でいいんスか?」
「……いや、お笑い芸人としては良いかもしれないけど……普通の社会人としては……」
「俺、人間になれますかね?」
「……どうかな……君の知能指数はサルより低いかも……」
「……このままでは……このままでは俺の恋は終わってしまう……」
「……恋はとっくに終わっていると思うけど、勉強しようと思った努力だけは買うよ。君なりに頑張った。努力の仕方は間違いだらけだけどね……」
「聞きたくない……聞きたくない……俺の恋は終わってない……不滅なんだぁ〜」
 そう言うと太輔はまた走っていった。

「あぁ……また……待ってくれってば」
 士郎はまた、太輔を追いかける。

 一方、太輔は……
「……また、あなたですか……バカは嫌いと言ったと思いますけど」
「それは、聞いた……俺、テストで良い点取れなかったから代わりに俺の会心の作品ってやつを持ってくる。それを見て判断してくれ」
「判断も何も……答えは決まってますし……」
「解ってる、みなまで言うな、解ってるから」
「……とても解っているようには思えないのですが……」
「大丈夫だから、明日あれを持ってくれば、俺の事を好きになるから……」
「しつこいですね……人を呼びますよ」
「待ってくれ、大丈夫だから……」
「何が大丈夫なんですか?意味がわかりませんから……」
「あれを見れば、女子は絶対……俺の切り札さ、待ってな……目に物言わせてやるから……」
「だから、そういう台詞は告白には使わないんですってば、……わかんない人ですね……」
「いいから、覚えていろよ!」
「……それは悪党がはく台詞ですよ」
「明日……決着をつけてやる…」
 という言葉を残して去って行った。

 残された松代嬢は――
「……はぁ……仕方ないな……あ……もしもしぃ、……悪いんだけどさぁ……」
 何やら電話をし始めた。

 翌日、士郎の制止も聞かずに太輔は切り札を持って松代嬢との待ち合わせ場所に出向いた。

 そこには……
「え……あの……」
「……だから……彼氏です。私、彼氏持ちなの……」
「そ、そんな……俺の切り札は……」
「知りませんよそんなの……じゃ、そういう事で……永遠にさようなら」
 待ち合わせ場所に彼氏を連れてきてきっぱりと断った。
 太輔は切り札を出すこともなく終わりを告げられた。

 立ちつくす太輔の肩をポンっと士郎が叩き……
「僕が見てあげるよ……何を持ってきたの?……」
 太輔の手からこぼれ落ちたのは粘土で作った女の子だった。

 当時、図工の授業で作って、クラスの女の子に
「すっごぉーい……お人形さんみたい……頂戴」
 とか
「器用だね〜」
 とか言われたのだ。

 誰にでも得意なものはあるもので、彼の場合、粘土が得意だったのだ。

 当時は女の子に良いと言われたかも知れないが、今、持って来ても気持ち悪いと言われるのが、関の山だろう。
「……次は女の子の気持ち……勉強しようね……」
 士郎は慰めの言葉をかける。

 松代嬢攻略戦――討ち死に……

 次に期待しましょう……



 第三章 浜松嬢(はままつじょう)攻略戦



「はぁ……」
 士郎は悩んだ。
 さすがに運命の相手とまで思った相手にフラレたのだから、ショックはでかいだろう……
 そう思ったからだ。

 慰めの言葉が浮かばない。
 昨日の太輔は肩を落とし、トボトボと帰宅した。
 その後ろ姿は惨めそのものだった。
 何だか可哀相になってきた。
 一生懸命なのは伝わるのだが、それが、相手の女の子に届かない。

 やっている事がとんちんかんなのだからそれは仕方ないのだが、それでも、太輔の事が気になる葵としての士郎はやはり哀れに見えてしまう……
 あまり他の女の子と仲良くなる手助けはしたくないというのも女心としてはあるのだが、せめて恋愛アイテム――【運命の誓い糸】の使い方だけでも説明してあげようか……
 そう思う士郎だった。
 太輔はまともに説明を聞いていないから【運命の誓い糸】の使い方をまるで理解していない。
 現に、松代嬢の時も水戸嬢の時もその前の館山嬢の時も……彼は、全く利用していなかった。

 【運命の誓い糸】を使ったアイテムを利用すれば、少しは……
 だけど……
 気持ちが揺れ動く……
 好きな男性に協力したいという気持ちと好きな男性を他の女性に取られたくないという気持ちが交互に浮かぶ……
 それに、太輔の一番太い糸は士郎の糸と絡ませて、こっそり、お守りに入れて持っている……出来れば、太輔にも渡したくない。
 これは、士郎の葵としての恋愛アイテムでもあるのだから……
 だとしたら他の六本の内のどれか……
 そう考える士郎だった。

 その事を碧に相談したら……
「重傷やな……」
「……そうなのよ……何とか……」
「ちゃうちゃう……、あんたの事や、あんた、あのバカに入れ込み過ぎや」
「そうかな?」
「そうや、あのバカの行動に付き合ってみて解ったやろ?あんたはあのバカの最終目標や。あんたはデンとかまえてりゃええんや。あたしにまかしとき、ウチがあのバカの恋に協力したる……で、駄目だったら奴も諦めるやろ……」
「それじゃ……意味が……」
「あのバカの行動に意味なんて最初からあらへん、とち狂っとるだけや、何度もフラレりゃ少しは学習するやろ……」
「それじゃあ……フラレさせるためにやってるようなものじゃない……」
「そうや。その方があんたもええんやろ?」
「私は……その……」
「あいつの相手はまともにしてたら疲れるだけやで……少し休みぃや……ウチがかわりに面倒みたる……」
「碧……」
「任せとき……こう見えてもあんたよりは恋愛経験豊富なんやで」
「う、うん……」
「ほな、碧仮面として奴に協力してくるわ」

 こうして、士郎は一旦、葵に戻る事にした。

 そして、碧仮面は太輔と待ち合わせをした。
 ちゃっちゃと【運命の誓い糸】の使い方を説明してとっとと諦めさせる。
 いかに【運命の誓い糸】だろうと恋愛音痴の太輔じゃ宝の持ち腐れだろう……
 それが、碧仮面の見解だった。

 そして、待ち合わせ場所に行くと太輔が待っていた。
「……あれ?碧仮面……先生は?」
「……先生は休みや、代わりにウチが恋愛指導したる。とっとと好きな娘、いいや」
「ふ……いくら俺でもそんなに簡単に好きになる娘ができる訳ないじゃないか……」
「とか何とかいって、ウチが知っとるだけでも三人の女の子に惚れてフラレとるやないけ」
「俺の気持ちは今も昔も変わらない……江戸葵……彼女一筋だ……」
「何が一筋や……やったら葵にアタックせぇや」
「ふっ、解ってるのさ……彼女に俺はふさわしくない……」
「何、きどっとんのや、要するに意気地がないだけやないか」
 思わず怒鳴ってしまう。
 葵は何でこんなてきとーな男を……
 そうも思う。
 解っている。
 危ない所を助けられて好きになってしまったのは……
 でも、こいつのこの不甲斐なさを見て愛想を尽かさないのか?
 そう、考えてしまう。
 が――
「いかん、いかん……つい熱くなってもうた……こいつに恋愛指導……そうやったな……」
「指導?」
「そう、指導や……ええか、えぇ話聞かしたる……アタ……ウチ……関西弁やろ?」
「……うん……」
「実はな、これ、インチキ関西弁やねん。ほんまもんの関西人が聞いたら腹立てるくらいの……」
「……そうなの?」
「そうや……実は生まれは東京で、小学校の時、転校して、大阪に一時期、住んどったんや」
「へぇ……」
「でな、関西に来たら関西弁話さなあかん思て、俄仕込みの関西弁で、クラスメイトと会話したんや」
「……で?」
「あっという間にハブやった……」
「ハブ……蛇か……」
「アホぅ、仲間外れのことや……そんでウチは苛められて登校拒否になってもうた……」
「………」
「その時や……あお……いや、士郎先生がウチに学校に来るように誘ってきたんは……」
「………」
「先生も親の仕事の都合で一時的に関西にいたんやけど、頑として、東京弁を使うとった……わた……僕は僕とでも言う感じにな……でも孤立するつもりはなくハブられてもハブられても自分を通しながら、人に優しく接しとった。そんでな、東京に転校する前にはすっかりクラスに打ち解けとった。東京弁のままでな。ウチの登校拒否もオマケで直しとったわ。そん時、ウチはこいつについて行こう思うたんや」
「………」
「ウチが言いたいんは、例え、どんな物でも使い方さえ間違えんかったら、それなりに何とかなるゆー事や……」
「えーと……何が……?……」
「わからん奴やな……まぁ、あんたにはむつかしー話やったかもしれへんな。あんたの場合、やり方が間違ごうとるさかいにいつも失敗するんや……正しい恋愛のやり方、ウチが教えたる、黙ってついてきぃや」
「……よくわからんが、俺のやり方が間違えていると?だから、失敗していたと言うんだな?」
「そうや、わかっとるやないか」
「で、その正しいやり方とは?」
「じゃーん、……取り出したるわ、あんたから奪った糸や」
「おぉ……それは恋愛アイテム、【運命の違いヒント】」
「もう、間違うてるやんか……【運命の誓い糸】や、ヒントやない……よう見て見ぃ……糸やないか、これは……」
「……おぉ……そう言えば……」
「物の名前には意味があるんや、正しく理解して使えば何とかなるもんや」
「なるほど……さすが、腐っても先生の弟子…」
「誰が腐っとるんや、こらっ!お前のてきとーな感覚でモノいうな」
「ら、ラジャー」
「つまらんこと言い寄らんとほな行くで……まずは使い方からや……」

 バカの相手は疲れる……
 そう思いながらも碧仮面は太輔に【運命の誓い糸】の使い方を説明した。
 やり方はいたって簡単……
 自分の得意なモノに関するモノ、思いを込めたモノ等に糸を縛るだけ。
 それだけで、そのモノは恋愛アイテムに変化するのだ。

「――でな、これがウチの糸や。試しに、作ってみよか……恋愛アイテム…ウチの場合はやな……」
「――いや、大丈夫だ。それだけ聞けば伯父に金棒だ」
「……伯父?……ひょっとして、【鬼に金棒】のことか?」
「関西じゃそう言うのか?こっちじゃ叔父さんに金棒を持たせたら暴れ回って危険という意味が……」
「うそこけ……お前はまず、そのおつむを何とかせなあかんな……バカは嫌われるで」
「そう言えばバカは嫌いと言われた事があるような……」
「もう、忘れたんか?前にフった女に言われてんねん」
「……おぉ、そうだった」
「ホンマにてきとーやな……」
「……そうなのか?」
「どう見ても、そうやないかい…」
「そうは思ってないんだけど……」
「ちったぁ、自覚せぇ……」
「……う〜ん……」
「もうええ、あんたと問答してたら日が暮れるわ。作ってみぃや、恋愛アイテム」
「……解った……俺が一番大切にしているものだったな……今は……高島美沙子のブルーレイかな……」
「誰やそれ?」
「知らないのか?有名だぞ」
「知らん……だから誰やそれ?」
「日本で今、一番エッチな女優……」
「AV女優やないかい!」
「他に何がある……苦労して買ったんだぞ」
「んなことに苦労すな!他にないんか?」
「そうだな……小島江利とか……津村利香とか……」
「だから……誰やそれ?」
「俺が思う二番目と三番目にエッチな……」
「AVから離れぇーゆーとんのや」
「あいた……なんだ……AVは駄目なのか……じゃあ……あれかな……セクシーフィギュア、チャラ娘ちゃんシリーズ……」
「そっち方面から離れぇーゆーとんのや」
「そっち方面ってのはどっち方面なんだ?」
「あた……ウチに言わすな、んなこと……」
 碧仮面は赤面する。
 最も仮面をかぶっているから太輔には見えないが……

 太輔のペースに合わせているとちっとも話が進まない……
 そう思う碧仮面だった。
「はよせぇ……年頃の女の子ってのは……そう言うのは……って何処、見てんねん……」
 碧仮面が見た先にはスカートを自らめくり太輔に中をみせている女の子が映った。
「はぁい〜元気でたぁ、坊や……」
「はぁい、出ましたぁ〜お姉たま……」
 そして、ハートマークを瞳に作って鼻の下を伸ばしている太輔のかなりみっともない姿もだった。

「じゃあ、千円ね」
「はいはい……千円ですね、今……お支払い……」
「ちょちょちょ……ちょい待ち……今、あんたからスカートめくったやん」
「そうよ、サービスしてあげたのよ。だから、お代をいただこうと思っただけじゃない……」
「ちょっと、待て!あんたには恥じらいってもんが……」
「……おかしなマスクをつけてるあなたに言われたくないけどね」
「これは……その……と、とにかく、こっちは真面目に恋愛指導してんねん、邪魔せんとき」
「あら、恋愛指導なら私に任せてよ、ちゃんと手取り足とり腰取り筆おろししてあげるわ」
「ちゃうねん、そんなことやない……こいつにはちゃんと……あんたにそないな事してもらわんとも……こいつはホンマは持っとるんや……そやから……」
 碧仮面は混乱した。
 彼女はこんな事をさせるために太輔に協力させた訳じゃなかった。

 碧仮面は親友の士郎にも隠している事がある……
 碧仮面は……いや、碧は太輔と恋愛関係になりたいという訳ではない……
 訳ではないのだが、借りを返したいと思っていた。

 そう、太輔には恩があるのだ。
 それは、太輔にとっては小さい事かも知れない…
 でも、碧にとっては大きな事……
 その時、本当に助かったのだ……

 女子には割と気さくに話せる碧だが、小学校の頃のイジメが原因で彼女は男子と普通に話せない。
 同年代の男子でまともに話せるのは正体を隠しているとは言え、本当に太輔くらいなのだ。
 実は、碧が入学した時、緊張のあまり、人前でおならをしてしまったのだ。
 周りの人間は一斉に碧を見た。
 美少女のおならという事でみんな興味が湧いたからだ。
 その時だった……
「あ、悪い、こいちまったよ屁……」
 そう言ったのは太輔だった。
 その後、彼は……
「てめぇ、大阪さんの前で何、やらかしてんだ!」
「死ね、すぐ死ねこのヘンタイ!」
「あぁ……くっさー……全部、自分で嗅いで処理しろよ、このクズ」
 とかさんざんな事を言われ、男子達に袋だたきにあっていた。

 そう……太輔はおならはしていない……
 したのは碧なのだから。
 だけど、太輔は自ら汚名をかぶってくれたのだ。

 そういう奴だったからこそ……彼の最終目標である葵と付き合わせたい……
 そうずっと思って、葵の相談にも乗ってきたのだ。

 太輔は葵と……
 二人は両慕いなのだ……
 だからこそ……そう思うからこそ、こんな理由で太輔の恋愛を成就なんてさせられない……

「そ、そうや、はよぉ、恋愛アイテムを作らなあかん、太輔、ちゃっちゃと作りぃ……」
「いやぁ〜でも、俺にはお姉さんが……」
「えぇから黙って作れゆーとんねん!」
「は、はいぃ……」
 碧仮面の迫力に圧され、太輔は作る事にした。
 彼が選んだのはセクシーフィギュアチャラ娘ちゃんシリーズ一のお気に入り、【ボンデージチャラ娘ちゃんバージョンパープルポージングM】だった。

 碧仮面は
「うっ……」
 となってしまったが、彼は現在、ろくなモノを持って来ていない……
 恋愛アイテムになれば、この破廉恥な女と太輔の相性が悪い事くらい知らせてくれるに違いない……
 そう思って、背に腹は代えられないと判断……
 そのまま認める事にした。

 そして、チャラ娘ちゃんフィギュアに【運命の誓い糸】を巻き付けて恋愛アイテムにクラスチェンジをさせた。

「はぁい〜……チャラ娘よぉん〜そこのバカ旦那の恋愛アイテムとして誕生しましたぁ!よろしくねぇん〜」
「おおお……これが、すげぇ……動いた……あぁ……俺のチャラ娘ちゃん……」
「ず……随分……軽いな……恋愛アイテムちゃうんか?それともこないな人形使こうたから……」
「あ……ピンときたわぁ〜……チャラ娘の恋愛占いよん」
「恋愛占い?……な、なるへそ……、恋愛アイテムとして割とまとも……」

「バカ旦那との恋愛指数が高い女性が近くにいるわん……恋愛指数は七八パーセント……割と高いわん」
「おぉ……俺とあのお姉さんはそこまで……」
「違うわん……こっちの……」
 チャラ娘ちゃんは碧仮面の方を指そうとした。
 慌てて、碧仮面が止めに入る。
「あ……あはは……なんやろな……何、ゆーてんねん、この腐れ人形……」
「うーん……故障か?碧仮面は男だろ?俺にそんな趣味は……」
「あ……そっ、じゃあ良いわ……せっかく可愛がってあげようと思ったんだけど……残念ね」
 太輔の言葉にパンチら女性が反応する。
 何だか雲行きが怪しくなってきた。

「え?おねいさん……今のは、おねいさんの事を言ったんじゃ……」
「男に興味無いんでしょ?私は心は女のつもりだけどね……」
「おねいさんは女ですよ、俺は男だなんて……」

 そのやりとりを聞いて、碧仮面はハッとする……
「ちょい待ち、お姉さん、名前、なんてったっけ?」
「浜松優樹(はままつゆうき)よ」
「優樹さんっていうのかぁ…」
「あんたは黙っとき、……浜松さん……悪いんやけど……もういっぺん、スカート……めくってくれへん?」
「あら、大胆ねぇ……」
「おいおい、碧仮面、あれは俺が特別に見せてもらった……」
「……もういっぺん……今度ははっきりと確認したいんで……」
「……良いわよ……はい、どーぞ〜」

 そう言うと浜松嬢はスカートを再びめくる。
「おぉ……」
 太輔が興奮する。
 だが、碧仮面は冷静だった。
 派手な下着に惑わされてさっきはよく見えなかったけど、良く見ると、またで挟んで、股間のもっこりを隠しているのがわかる……

 そう……彼女……いや……彼は男性だった。

「う……うわぁっ!……」
 太輔が悲鳴を上げる。
 碧仮面も気持ち悪いモノを見たと顔をしかめる。

「あら、成人したら、切っちゃうから大丈夫よ。工事の方もするつもりだから安心して……」
「い……いや、今は……」
「悲しいけど……まだ、身体は男なのよね……親が手術……許してくれなくて……」
「いやああああああ…」
「何よ、女みたいな悲鳴を上げて……差別するつもり?心は立派な女なのよ」
「あわわわわわわ……」
「ふんっ……つまんない男……あんたなんて、こっちからお断りよ…」
「い、いや……でも……俺……」
「意気地無し!嫌いよ」
「ぶべっ……」

 太輔は握り拳で殴られて吹っ飛ばされた。
 その力は紛れもなく男性のものだった。

 いつかは女性になるのだし、それまで、目をつぶればあるいは上手く行ったかもしれないが……太輔はチャンスをふいにした。

 浜松嬢攻略戦――討ち死に……だった。

 太輔が(今は)男性と付き合わなくて良かった……ホッとした……そう思う碧仮面だった。

 碧仮面……碧は太輔との恋愛指数が七八パーセントもあった事に正直戸惑いを隠せなかった。
 自分と太輔はそんなに恋愛の相性が良かったのか……
 そう思うと逆に意識してしまった。

 今更とはおもうのだが、太輔を見るとドキドキしている自分がいる……
 そんなバカな……
 相手はあの太輔やで……
 そう思う碧だったが、胸の鼓動が修まらない……
 どうしてしまったんだ自分は……
 考えれば考える程、頭が混乱してくる……
 自分は葵と太輔をくっつけるために……
 でも、それを考えると胸がチクッと痛む……
 なんなんやこの気持ちは……
 そう思いながら太輔と一緒に歩いて帰る。

「ったく……何なんだよ、これ、何が七八パーセントだよ。男だったじゃないか。壊れてんのか、これ?……」
 となりでブツブツ太輔が文句を言う。
(ちゃうねん……あれはあんたとあたしの……)
 そう思う碧だった。

 しばらく一緒に歩いていると……
「あぁ〜ん……またまた、恋愛指数の高い人達が近づいてきたわん……みんな、バカ旦那と良い仲になれる可能性があるわぁん」
 とチャラ娘ちゃんが反応する。
「おぉ……今度こそほんとか?どれどれ?……ん?」
 太輔が見るとそこには……
「碧ちゃ……仮面ズルい、抜け駆けよぉ……」
「桃花……面……なんで、あんたがここに?」
「私は桃仮面……恋愛の事は私に任せて!」
 桃花こと桃仮面が現れた。
 見ると、他にも茜の赤仮面、白衣の白仮面、吉良の黄仮面、紫苑の紫仮面も仁王立ちして待っていた。

「おい……また、男に反応しやがって……俺は女の子と恋愛したいんだよ」
 チャラ娘ちゃんに文句を言う太輔。

「ま、まさか…お前らも……そう……なんか?」
「な、何を言っているのかしら……碧仮面」
 すっとぼける桃仮面。
 碧仮面は絶句する。
 まさか、自分と同じ気持ちでいるなんて事は……
 そうだ……よく考えて見れば、彼女達からすれば、葵のためとは言え、太輔の事など、所詮、他人事、どうでも良いはずではないか……
 なぜ、太輔の恋愛に首をつっこむのか……
 それは、太輔の事が気になるからではないのか……
 まさか……そんな、まさか……全員……そうなのか?……
 太輔は何かを持っている……
 それは碧自身も思うこと……
 彼女達が彼の事を同じように思っていても不思議ではない……
 
 緩川太輔……
 彼は普通の女の子にはまるでモテない……
 が、超美人達にはどうなのだろうか……

 その事には彼は気付かない……
 彼はとびっきり鈍いのだから……
 彼が女心に気付くのなら始めから誰も苦労しない……
 彼を中心に恋愛道化芝居が始まろうとしていた。

 一方、浜松嬢は…
「どう……少しはヤキモチ妬いた?」
「全然……僕は君に全然、興味無いからね……」
「つれない人……絶対、あなたも同じ趣味だと思うのに……」
「……そうだ……確かに、僕は男が好き…だから、太輔は僕のものだ!女なんかに絶対にやらない……彼はいつか、僕と添い遂げるんだぁっ!」
「妬けちゃうわね!……あの男……つまらない男だったわよ」
「それは、君が彼の事を知らないからだ。僕は知っている……彼がどんなに素晴らしい男性かをね……」
 浜松嬢に力説するその男性……
 それは、太輔の親友……比野本大介、その人だった。
 彼は、太輔を女に取られたくないために、彼が好きになる女性をかたっぱしから奪ってきたのだ。

「うわっ……何だ、急に寒気が……」
 太輔が身の危険を感じたのか悪寒がした。

 彼の暴走にまわりが振り回されるおかしな状況……
 彼は迷走し、ぴえろの様に踊り続ける。
 これからも……

登場キャラクター紹介


001 緩川 太輔(ゆるかわ たすけ)
緩川太輔
 この物語の一応、主人公。
 見事なまでにバカっぷりを披露し、フラれつづける少年。
 普通の女の子にはフラれるが、超美少女達には何故か好かれているという事実に気付いていないニブチン。





002 比野本 大介(ひのもと だいすけ)
比野本大介
 主人公をやるのにふさわしいモテモテな少年。
 太輔の親友であり、いつも、鳶が油揚げをさらうがごとく太輔の恋する相手に好かれる。
 実は太輔の事が……












003 江戸 葵(えど あおい)
江戸葵
 この物語のヒロイン。
 鉄壁の七要塞の一人。
 犬が大好きな少女。
 桃仮面。














004 江戸 士郎(えど しろう)
江戸士郎
 葵の双子の弟を名乗る謎の少年。
 太輔の恋愛相談に乗るが実は……
















005 名古屋 茜(なごや あかね)
名古屋茜
 鉄壁の七要塞の一人。
 女の子にモテる格好いい少女。
 赤仮面。















006 大阪 碧(おおさか みどり)
大阪碧
 鉄壁の七要塞の一人。
 なんちゃって関西弁で心の傷を持つ少女。
 碧仮面。














007 姫路 白衣(ひめじ しらい)
姫路白衣
 鉄壁の七要塞の一人。
 太輔の許嫁。
 白仮面。















008 熊本 吉良(くまもと きら)
熊本吉良
 鉄壁の七要塞の一人。
 アイドルをしているフィギュア大好き少女。
 黄仮面。














009 松本 紫苑(まつもと しおん)
松本紫苑
 鉄壁の七要塞の一人。
 太輔が困っている姿が大好きなちょっとヘンタイチックな少女。
 紫仮面。














010 安土 桃花(あづち ももか)
安土桃花
 鉄壁の七要塞の一人。
 犬が大好きな少女。
 桃仮面。















011 館山 早樹(たてやま さき)
館山早樹
 太輔を最初にフル少女。

















012 水戸 汐音(みと しおね)
水戸汐音
 控えめな少女。
 写真に思いをたくす。
















013 松代 由比(まつしろ ゆい)
松代由比
 バカは嫌いな少女。

















014 浜松 優樹(はままつ ゆうき)
浜松優樹
 太輔を誘惑する少女?

















015 彦根 円香(ひこね まどか)
彦根円香
 園田と付き合っている少女。

















016 園田(そのだ)
園田
 円香の彼氏。

















017 小田原 詩織(おだわら しおり)
小田原詩織
 女の子が大好きな少女

















018 岸和田 雅(きしわだ みやび)
岸和田雅
 彼氏と別れて自暴自棄になっている少女。
















019 五稜郭 玲奈(ごりょうかく れいな)
五稜郭玲奈
 プライドが高い少女。

















020 高松 里子(たかまつ さとこ)
高松里子
 二次元大好き少女。

















021 岡山 晴美(おかやま はるみ)
岡山晴美
 博愛主義の神を愛する少女。